第3回「アイランダー高校生サミット2025」開催 全国20校の離島高校から約60人が参加
大正大学(神達知純学長)と公益財団法人日本離島センター(荒木耕治理事長)は、12月21日(日)に離島の高校生を対象としたオンラインイベント「アイランダー高校生サミット2025(以下、サミット)」を開催した。
今回のテーマは「潮の音 鳴らせ 我らの離島~しまの高校生、100人会議~」。島には潮の満ち引きがあるように、離島の高校生たちの想(おも)いを紡ぎ、新しい未来に向けたひとつの波を創(つく)り、広げていくことを目的としている。
2023年度に始まり、今年で3回目となるサミットは、離島の高校生11人と大正大学の学生5名で構成する実行委員会を中心に運営された。
今回のサミットには全国20の離島高校から59人が参加。島の持つ魅力や可能性について「食」「文化」「仕事」「イベント」などのテーマごとに9チームに分かれて、互いの島の現状と課題、共通点や違いなどを共有、熱い議論を交わし、最後にチームごとに島を盛り上げるための企画案をプレゼンテーションした。
「文化」チームは、島の祭りの高齢化や、若者の参加が少ない点に着目。「お祭り企画委員会」を立ち上げ、祭りの改善案を考えた。発表では、高校生などが積極的に祭りの運営に携わる仕組みを作ることや、拡散性の高いSNSをなるべく早い段階から活用して周知を図ることにより、島の外からも参加者を募り、祭りの盛り上げにつなげられないかと、提案した。
大正大学の山本繁特命教授は「一般的に、観光客にとって地域の祭りは外から眺めるもの。島外の人も離島の祭りに参加することができる仕組みが作れたら、観光客を惹きつける海や山のアクティビティー以上の体験になるのではないか」と評価した。
「観光」チームは「ミニ万博離島ツアー」として全国の離島が一堂に会する万博を提案。ミニ万博のなかで、離島の魅力や観光ツアーなどを紹介して、離島への観光客を増やそうと発表した。イベントの具体的な日時や会場案まで入ったプレゼンに、参加者からは「具体的でわかりやすい」や「ミニ万博に行きたい!」などのコメントが寄せられた。
「仕事」チームは、農業や漁業などの1次産業が主であり、仕事の選択肢が本土と比較して少ない離島の現状に着目し、理想の働き方の実現に向けた仕組みづくりとして「島転勤システム」を考案。離島で働きたい人と人手不足に悩む事業者を、ウェブサイトなどでマッチングさせ、年間の仕事量の波を平準化することで、課題を解決するとともに、離島の〝関係人口〟の創出を図ることができると発表した。「人手不足解消とともに離島の文化・産業を守ることにもつながる」「さまざまな島で多様な仕事を体験することで、自分に合った島や仕事を見つけられる」などの感想が挙げられた。
クロージングで日本離島センターの森田朋有広報課長は「アイランダー高校生サミットはこれからも続けていく。今回の参加者との横のつながりを大切にするとともに、自分の島の魅力や現状を話し、他の島のことについて知り、一緒に島を盛り上げる企画を考える、サミットという交流の場があることを先輩・後輩たちにも伝えてほしい。ぜひ縦のつながりを作ってサミットへの参加を勧めていただきたい。ずっと暮らしていきたいと思える島を、みんなで作ってほしい」と、あいさつをした。
▼サミット参加校一覧
北海道礼文高等学校
北海道奥尻高等学校
東京都立新島高等学校
東京都立小笠原高等学校
新潟県立佐渡総合高等学校
広島県立大崎海星高等学校
広島県立広島叡智学園高等学校
島根県立隠岐島前高等学校
愛媛県立弓削高等学校
長崎県立壱岐高等学校
長崎県立対馬高等学校
長崎県立北松西高等学校
長崎県立上五島高等学校
長崎県立五島海陽高等学校
長崎県立奈留高等学校
鹿児島県立種子島高等学校
鹿児島県立徳之島高等学校
鹿児島県立与論高等学校
沖縄県立久米島高等学校
角川ドワンゴ学園N高等学校
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