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働きながら整う新たな仕事術 断食道場のお寺でテレワーク

 コロナ禍をきっかけに増えているテレワーク。通勤の時間は有効活用できるし、無駄を省いた働き方ができる一方で、“周囲の目がない”気楽さが生活のリズムを少々怠惰な方向に流している感もなくはない。そこで、お寺でテレワーク、という方法がある。静岡県の断食道場「龍雲寺禅堂」では、ワーケーション目的の利用がこの1年で4倍以上に増えているのだそうだ。

 龍雲寺禅堂は、浜松市の駅からほど近く、湖のほとりにたたずむ自然豊かな場所にある。もともとはダイエットや体質改善を目的とした断食希望者が多かったというが、近年では参加の目的が変化。20~40代の参加者がこの4年間で倍増し、パソコンなどの仕事道具を持ち込む人が2022年に比べて4倍以上になったという。空腹によって生まれる集中力と静かな空間が“働きながら整う”環境をつくっているようだ。滞在時間は、3日間・4日間・7日間が用意されている。

 1日のスケジュールは、6時 起床、6時30分 朝のお勤め(読経)、7時 坐禅、7時30分 法話、8時30分 ストレッチ(自由参加)、午前~午後:自由時間(仕事・休養・散策・読書など)、17時15分 運動教室(自由参加)、18時15分 夕食(精進料理)、19時30分 坐禅、20時 ストレッチ、21時 就寝(各部屋で自由時間)。

 食事は、1日1食の軽食(夜の精進料理)のみを提供。参加者は空腹の時間を通じて、頭と心が研ぎ澄まされていく感覚を自然に体験することができる。

 龍雲寺禅堂を初めて訪れたというフリーランスの女性(30代)は、「空腹って、こんなに頭がさえるんだと思いました。普段の自宅では通知に囲まれて集中できないのに、ここでは数時間が一瞬でした」という感想を残している。

 主催元は、参加者が求めているのは「ただ働く場所」でも、「ただ整えるだけの場所」でもなく、“働きながら整う”“整いながら働く”という、一見相反するニーズをかなえる環境だと説明している。

道場内の設備。禅堂内は高速Wi-Fi完備

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