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咳が出たらするべきことは何?咳を長期化させないための対策法はある!?

■咳とはなにか

咳は私たちの体に備わった防御反応であり、日常的に生じる現象です。咳のメカニズムに対しては、以下のような研究があります。

「咳は、気道上に存在する「咳受容体」が気道の炎症、異物の侵入や痰などにより刺激され、Ad線維を含む求心性神経を介して延髄脳幹部に存在する呼吸中枢内の咳中枢に伝えられ、急激な胸腔内圧の上昇に伴う強力な呼気努力が咳嗽反射である。」(「慢性咳嗽の成因となる咳感受性亢進機序に関する最新の知見」亀井淳三 YAKUGAKU ZASSHI 141,1333・1342 (2021) )

咳が出るのは、異物の除去や体温低下防止などの防衛反応です。肺臓の働きに支障をきたす恐れがあることが考えられます。また、咳を意図的にこらえことが出来るのは、咳が大脳による制御を受けているからと考えられています。ストレスなどが原因で起こる咳を心因性咳嗽が、大脳由来の機序と言われます。
病気がみえる Vol.4呼吸器」(p.37)によると、咳には、「コンコン」と乾いた咳が出る「乾性咳嗽」、「ゴホゴホ」と湿った咳が出る「湿性咳嗽」があります。

咳が出る疾患は
1) 乾性咳嗽は
(急性) 気胸 肺塞栓症 過敏性肺炎
(慢性) 咳喘息 胃食道逆流症 間質性肺炎 薬剤性咳嗽
2) 湿性咳嗽は
(急性)細菌性肺炎 副鼻腔炎 気管支炎 胸膜炎
(慢性)肺結核症 肺水腫 気管支拡張症 慢性閉塞性肺疾患(COPD) 肺癌

などが原因と考えられています。

咳が出始めたら、JIJICO内にある下記コラムをご参照いただきたく思います。
咳が出たとき疑うべきは風邪? 咳が出る原因とその予防策

■咳が出る原因

咳が出始めてからどのくらい継続しているかによって病気を判断することができます。

1)急性期の咳嗽(発症後72時間)
2)亜急性期の咳嗽(4日以上2週間未満)
3)慢性期の咳嗽(2週間以上)

1)咳が出始めて数分から数時間で咳が治まるようであれば、寒さによる一時的な刺激が原因と考えられます。からだが暖まるようにすれば問題ない状態です。咳が持続してなかなか止まらないときは、ウイルス性や細菌性の肺疾患、急性副鼻腔炎などが考えられます。
2)咳が4日以上断続的に続いているときは、体力が低下しているためにウイルスや細菌の増殖を抑えられていないことが考えられます。ウイルス性であれば熱が下がり始めますが、その時点で日常生活を元に戻すと、咳は長期化します。細菌性であれば、咳の頻度は増加傾向になります。
3)咳が2週間以上続くときは、肺や気管に炎症が起こっている状態です。病気に勝てるだけの体力がないことを意味しています。間質性肺炎、肺結核や肺癌などに移行する恐れがあります。
咳がつらいときや長期化したら、我慢せず専門医の受診が必要です。

■咳が出たらするべきこと

発熱の定義ははっきりしていませんが、臨床経験上以下のように考えています。

   ほてり(内熱) 37.1℃~37.4℃
   微熱      37.5℃~37.9℃
   発熱      38.0℃~
   高熱      39.0℃~

平熱は36.6℃~37.0℃が理想的ですので、ほてりを感じるときは、深部温や内臓機能が低下しているときです。平熱が36.0℃~36.5℃の人は、微熱があると錯覚することでしょう。平熱が35℃台の人は、発熱したと思うかもしれません。
咳が出始めたら、まず気温、室温や服装に目を向けましょう。外出中であれば、早めに帰宅して、体を休めることが大切です。体調が悪い時は、室温を28℃程度に設定し、洋服を厚めにして寒さを感じないようにしましょう。
風邪は胃腸の疲労が背景にありますので、暖かい消化の良い物を食べ、早く寝ることが肝要です。22時00分から6時30分の間に8時間程度寝ることが、回復の近道です。
お風呂は入らないか、38℃の湯船に30秒ほど浸かり、体を洗わないですぐ出ることが、咳を止めるために必要な入浴方法です。入浴は、就寝2時間前が理想的です。

気温が下がることで咳が出始めたときの対策にご興味がある人は、JIJICO内にある下記コラムをご参照いただきたく思います。
10月に咳が続く様になるのはなぜ?その対処法は鍼灸治療で出来る!?

■微熱が出たら汗を出しましょう 

37.5℃~37.9℃の微熱が出たら、寒い時期や地域・場所の寝室は、就寝時の室温を18℃程度に保って休みましょう。厚着をして一晩に3回くらいびっしょり汗を出すようにすると、風邪は治り、咳は出なくなります。高齢者の場合や心臓疾患をお持ちの人は、1回程度にとどめます。
下着を取り換える際に汗を拭くときは、エタノールを33℃程度に温めてガーゼなどに浸して拭くと、速乾性があって寒くなりません。エタノールがないときは、べたつかない焼酎などでも良いと思います。
微熱程度で解熱剤を服用すると、体温は平熱になっても咳が治まらず、長期化する傾向にあるようです。微熱や咳が出た時は、体力が低下しているサインですので、すぐ市販の薬を服用するのではなく、体を休めることを優先すると、早期回復が期待できます。

■鍼灸治療は咳の解消に有効です

咳が出始めたとき、汗を出して一晩安静にしていたにもかかわらず咳が治まらない人は、鍼灸治療や瘀血治療を受けていただきたく思います。2~3回治療していただければ、咳が止まります。
咳が長引く人は、お近くの鍼灸院または鍼灸師が勤務している医療提供施設にご相談いただきたく思います。鍼灸治療や瘀血治療は、身体の外側から内臓機能に働きかけることが可能な「内外科治療」です。薬物治療(内科治療)で効果を得られない人や外科手術(外科治療)をしても症状が消失しない人は、是非鍼灸治療(内外科治療)をお試しいただきたく思います。
体力が低下している人には、ヨガ(YOGA)がお勧めです。ヨガ(YOGA)の運動法と呼吸法を身に付けることによって、咳の解消や予防に繋がります。清野が呼称する養正(ようせい)治療は、日常の適正な生活です。詳しくお知りになりたい方は、清野鍼灸整骨院ホームページ「くらしと養生」をご参照ください。

<筆者略歴>

清野 充典:鍼灸師  1982年、西洋医学を理解した東洋医学者の育成を目指し世界で初めて設立された鍼灸医学専門教育機関「明治鍼灸短期大学(現明治国際医療大学)」鍼灸学部を卒業。1987年2月2日、東京都調布市で清野鍼灸整骨院を開院。明治国際医療大学客員教授、早稲田大学特別招聘講師等歴任。
 「鍼灸を国民医療」にすべく、東京大学、早稲田大学、順天堂大学等の日本国内を始め、海外の様々な大学や医療機関の人たちと研究を進めている。

 1991年には、東京都府中市で分院の清野鍼灸整骨院府中センターを開設。1985年から清野メディカルヨーガ/清野ヨーガ道場を主宰し、保健活動を行っている。毎週木曜日に「ヨーガ教室」を開催して、多くの人に東洋医学に基づいた健康管理方法を伝えている。

清野 充典:鍼灸師

(清野 充典:鍼灸師)

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