「なんで私が神説教」第7話で活躍した期待の若手俳優・林裕太に注目!【コラム】
学園ドラマと言えば、若手俳優の登竜門。現在、第一線で活躍する人気俳優の多くも、若手時代に学園ドラマで生徒役を経験している。小栗旬、伊藤沙莉、松岡茉優、土屋太鳳、北村匠海など、名を挙げれば枚挙にいとまがない。いわば学園ドラマは「金の卵の宝庫」だ。そんな学園ドラマの中で今期の注目作が、日本テレビ系列で毎週土曜日夜9時放送中の「なんで私が神説教」だ。

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「なんで私が神説教」は、ある出来事がきっかけで無職生活を送っていた主人公・麗美静(=うるみ・しずか/広瀬アリス)が、母の勧めでやむなく高校教師となり、人間関係に深入りを避けて過ごしているのに、なぜか生徒や学校のさまざまな問題に立ち向かうことになる痛快エンターテインメントだ。毎回、トラブルに巻き込まれた静が、事態解決のために渋々繰り出す“神説教”がお約束で、ゆる~いコメディータッチの中で、不登校やコンプライアンス問題、パワーハラスメント、モンスターペアレントといった現代社会のさまざまな問題をぶった切っていく。
そして、学園ドラマらしく、静が担任を務める私立名新学園2年10組の生徒に、注目の若手俳優たちが揃っているのも本作の魅力だ。その一部を挙げると、netflix映画『新幹線大爆破』で主要人物を演じる豊嶋花、NHKの大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」でも活躍中の水沢林太郎、映画『ゴールド・ボーイ』(24)で圧倒的な存在感を見せた羽村仁成、「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」(22~23)の志田こはく、「仮面ライダーガッチャード」(24~25)の松本麗世といった将来有望な若手俳優がずらり。毎回、誰がどんな芝居を見せてくれるのか、目が離せない。
その中で、5月24日に放送された第7話「日曜の学校で立てこもり事件発生!?」で活躍したのが西畑塁役の林裕太だ。この回は、補習授業が行われている休日の学校を舞台に、なぜか同僚教師・林聖羅(岡崎紗絵)の元恋人が男子トイレに立てこもるという珍騒動に静が巻き込まれる。
林演じる生徒の西畑はこの回、補習授業をサボっているところを静に見つかり、騒動の解決に一役買うことに。その過程で、野球の特待生で入学したものの、けがで不本意ながら野球部を退部し、未練を残していることが明らかになる。休日が舞台となったこの回は、登場する生徒が少なく、その存在はひときわ目を引いた。林は2000年生まれの24歳だが、番組公式サイトで「クラスメイトのみんなと初めて会った時、エネルギーと輝きに溢れていて、青春の気持ちが一瞬で蘇りました」とコメントしている通り、西畑を心配する同級生・七海海斗(水沢林太郎)とぶつかり合う場面は、コメディ色の強い本作に、青春ドラマらしい熱量と瑞々しさをもたらしていた。
2019年に俳優としての活動をスタートした林は、2021年に映画『草の響き』で映画初出演すると、2022年には映画『間借り屋の恋』で早くも初主演を果たす。以後も第81回ヴェネツィア国際映画祭に出品された映画『HAPPYEND』(24)、NHKの連続テレビ小説「虎に翼」(24)のほか、CM、MVなど幅広く出演し、着実にキャリアを積み重ねている。10月24日公開の映画『愚か者の身分』では、北村匠海演じるタクヤの相棒役をオーディションで射止め、綾野剛とも共演。今後の活躍が期待される若手俳優の1人だ。
本作で若手俳優の登竜門である学園ドラマを経験した林は、いずれは日本のテレビドラマや映画界を支える存在となるに違いない。クライマックスが近づく「なんで私が神説教」の行方に加え、今後の林の活躍にも注目したい。
(井上健一)

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