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HIV-1治療でのビクテグラビル/レナカパビル配合剤 シングルタブレットレジメンの第III相試験データ発表

2025年12月1日
ギリアド・サイエンシズ株式会社

 

ギリアド、HIV-1の治療で開発中のビクテグラビル/レナカパビル配合剤 シングルタブレットレジメンの第IIIARTISTRY-1試験において 主要評価項目を達成

複雑な従来の治療レジメンによりウイルス学的抑制が 得られている成人HIV陽性者への新たな治療選択肢を拡充する可能性を示す–IIIARTISTRY-1試験およびARTISTRY-2試験の結果は、 規制当局への申請資料の基礎となる可能性–

 

ギリアド・サイエンシズ(本社:米国カリフォルニア州フォスターシティ、ナスダック:GILD、以下「ギリアド」)は11月13日、第III相ARTISTRY-1試験の良好なトップラインデータを発表しました。この非盲検試験では、ウイルス学的抑制が得られている成人HIV陽性者を対象に、マルチタブレットレジメンから開発中のビクテグラビル75 mg/レナカパビル50 mg(BIC/LEN)配合剤シングルタブレットレジメンへ切り替えた場合の治療に対する奏効を評価しました。BIC/LENの有効性は、マルチタブレットレジメンに対して統計学的に非劣性であることが確認されました。ギリアドは、ARTISTRY試験の第III相データを規制当局に提出するとともに、詳細な結果を今後の学会で発表する予定です。

 

ARTISTRY-1試験では、BIC/LENの1日1回のシングルタブレットレジメンが、抗レトロウイルス療法のマルチタブレットベースラインレジメンに対して非劣性を示すという主要成功基準を満たしました。有効性の主要評価項目は、48週時にウイルス学的抑制が得られなかった(HIVウイルス量が50 copies/mL以上、米国食品医薬品局( FDA)の Snapshotアルゴリズムに基づく)被験者の割合でした。この試験において、BIC/LENの忍容性は概ね良好であり、重大または新たな安全性上の懸念は特定されませんでした。

 

複雑なレジメンで治療中のHIV-1陽性者は、既存の耐性、忍容性および薬物相互作用のため、ガイドラインで推奨されているシングルタブレットレジメンの恩恵を得ることができず、多くの錠数を服用することによる負担、複雑なアドヒアランスおよび生活の質の低下などの課題に直面する場合があります。ビクテグラビルとレナカパビルを配合したシングルタブレットレジメンは、複雑なレジメンで治療を受けているHIV陽性者に対し、利便性のある新たな治療の選択肢をもたらす可能性があります。ARTISTRY-1試験の参加者は、ベースライン時にHIV治療のため1日2錠~11錠を服用しており、約40%が抗レトロウイルス薬を1日に複数回服用していました。

 

ロンドン大学クイーン・メアリー校の感染症および医療格差の臨床教授であるクロエ・オーキン氏(Chloe Orkin, MBE)は、次のように述べています。「医学研究の進歩に取り残された人々に対する効果的で使いやすい新たなレジメンの開発は、HIV治療のアンメットギャップを埋めるために必要です。ARTISTRY-1試験のこれらの結果は、複雑なマルチタブレットレジメンでの治療を受けざるを得ないHIV陽性者において、ビクテグラビルとレナカパビルの併用レジメンがウイルス抑制を維持することを示しています。また、そうした人々の多くは何十年にもわたりHIVとともに生活しており、加齢に伴い併存疾患を有するため他の薬剤も多く服用していることから、今回の結果は、彼らにとって非常に重要です」

 

ARTISTRY-1試験(NCT05502341)は、複雑なレジメンでウイルス学的抑制が得られているHIV陽性者を対象に、国際的なガイドラインで推奨されているインテグラーゼ阻害剤のビクテグラビルとファースト・イン・クラスのカプシド阻害剤のレナカパビルによる1日1回投与の併用療法と、既存の治療を比較する、多施設共同第II/III相臨床試験です。第III相では、被験者がビクテグラビル75 mg/レナカパビル50 mgの固定用量配合剤を投与する群または安定した複雑なベースラインレジメンを継続する群に2:1の比率で無作為に割り付けられました。主要評価項目は、48週時にウイルス学的抑制が得られなかった(HIVウイルス量が50 copies/mL以上、FDA Snapshotアルゴリズムに基づく)被験者の割合でした。48週時の主な副次評価項目は、ウイルス学的抑制が得られた(HIVウイルス量50 copies/mL未満、FDA Snapshotアルゴリズムに基づく)被験者の割合、CD4細胞数のベースラインからの変化量および治療中に有害事象(TEAE)を発現した被験者の割合でした。

 

ギリアドの臨床開発シニアバイスプレジデント、ウイルス感染症領域ヘッドのジャレッド・ベイテン(Jared Baeten, MD, PhD)は次のように述べています。「複雑な抗レトロウイルス薬治療レジメンを必要とするHIV陽性者は、服薬の負担、アドヒアランスの課題、HIVの長期管理の困難さに直面していることがあります。ギリアドは2006年に、HIV治療における初のシングルタブレットレジメンを開発しました。しかしながら今日でも、持続的なウイルス抑制を実現しながら人々のニーズに合わせて治療を刷新できるような革新的なシングルタブレットレジメンが依然として必要とされています。多くの錠数を服用することによる負担を軽減することで、治療の選択肢を拡充しながら健康アウトカムの向上に貢献していきます」

 

この開発中の配合剤のさらなる評価のために、ウイルス学的抑制が得られているHIV-1陽性者を対象に、ビクタルビ®(ビクテグラビル50 mg/エムトリシタビン200 mg/テノホビル アラフェナミド25 mg錠、B/F/TAF)からビクテグラビル75 mg/レナカパビル50 mg固定用量配合剤へ切り替えた場合の安全性および有効性を評価する二重盲検第III相ARTISTRY-2試験(NCT06333808)を実施しています。主要評価項目のトップラインデータの発表は年内に予定されています。

 

ビクテグラビルとレナカパビルの併用については研究段階にあり、世界的にまだ承認されていません。その安全性および有効性については、まだ確立されていません。

 

HIVまたはAIDSを治癒する方法は現在のところ存在しません。

 

ビクテグラビルについて

ビクテグラビルは、国際的なガイドラインで推奨されている耐性へのバリアが高いインテグラーゼ阻害剤(INSTI)で、INSTIは、ウイルスのインテグラーゼを標的とする抗ウイルス薬クラスです。ビクテグラビルは、HIVの治療において他の抗レトロウイルス薬との併用でのみ使用します。

 

レナカパビルについて

レナカパビルは、HIV感染のリスクがある成人および青年における性的感染HIVのリスクを低減するための曝露前予防(PrEP)として、複数の国で承認されています。また、レナカパビルは、他の抗レトロウイルス薬との併用により、多剤耐性を有する成人HIV陽性者に対する治療薬としても、多くの国々で承認されています。

 

レナカパビルの複数の過程に対する作用機序は、現在承認されている他の抗ウイルス薬剤クラスと異なります。ほとんどの抗ウイルス薬はウイルス複製の1段階のみに作用するのに対し、レナカパビルはHIVのライフサイクルにおける複数の段階を阻害するように開発されており、in vitroでは、現在ある薬剤クラスとの交差耐性は認められていません。

 

レナカパビルは、ギリアドのHIV予防および治療研究プログラムにおける複数の進行中および計画中の、初期ならびに後期臨床試験において、長時間作用型の選択肢として評価されています。レナカパビルは将来のHIV治療の基盤として開発されており、HIVに影響を受けた人々およびコミュニティの個々のニーズや選考に対応できるよう、長時間作用型経口薬および注射薬両方の選択肢を、さまざまな投与頻度で、併用療法もしくは単剤療法として、提供することを目標としています。レナカパビルは、TIME誌のBest Inventions、フォーチュン誌のChange the Worldリスト、サイエンス誌の2024年Breakthrough of the Year、2025年のPrix Galien USA Award for Best Pharmaceutical Productに選定されました。

 

ギリアド・サイエンシズのHIV領域における活動について

ギリアドは35年以上にわたり、HIV分野におけるリーダーであり、革新者として治療、予防および治癒に関する研究の進歩を推進してきました。HIV感染症治療を目的とした初の1日1回1錠レジメンや、HIVの新規感染を減少させるための曝露前予防(PrEP)を目的とした初の抗レトロウイルス薬、初の年2回投与の長時間作用型HIV治療注射剤など、ギリアドの研究者はこれまで13種類ものHIV治療薬を開発してきました。こうした医学研究の進歩により、何百万人もの人々にとってHIVは治療および予防が可能な慢性疾患となりました。

 

ギリアドは、世界中のHIV陽性者の進化するニーズに対する解決策を提供するため、継続的な科学的イノベーションに取り組んでいます。パートナーシップ、協働および慈善事業への寄付を通じて、教育の発展、アクセスの拡大、治療への障壁解消に貢献し、世界におけるHIVの流行終結を目指しています。またギリアドは、Funders Concerned About AIDSが発表した報告書において、HIV関連プログラムの主要慈善資金提供企業の上位2つの企業の1つとして複数回にわたって評価を受けています。

 

ギリアドがHIVの流行終結のための取り組みについては、世界各地で実施している独自の協働にてさらにご覧いただけます。

 

ギリアド・サイエンシズについて

ギリアド・サイエンシズは、全ての人々にとって、より健康な世界の実現を目指し、30年以上にわたり医療の革新を追求し、飛躍的な進歩を遂げてきたバイオ医薬品企業です。当社は、HIV、ウイルス性肝炎、COVID-19、がんおよび炎症などの生命を脅かす疾患の予防と治療のため、革新的な医薬品の開発に取り組んでいます。2025年にギリアドは、あらゆる場所で患者さんが科学的なイノベーションから利益を得られるよう世界的に投資を継続するとともに、次世代の創薬、雇用創出、公衆衛生に備えて米国での事業基盤をさらに強化するために、320億ドルの投資の計画を発表しました。当社は、カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界35カ国以上で事業を行っています。

 

将来予測に関する記述

本プレスリリースは、1995年「民事証券訴訟改革法」(Private Securities Litigation Reform Act of 1995)で定義される「将来予測に関する記述」に該当し、いくつかのリスクや不確定要素、その他の要因を含む場合があります。これらのリスク等には、臨床試験または臨床研究を予定されたスケジュールで開始、進行および完了するギリアドの能力、ビクテグラビルやレナカパビルに関するもの(ARTISTRY-1試験、ARTISTRY-2試験など)を含む、進行中および追加の臨床試験または臨床研究から好ましくない結果が得られる可能性、プログラムおよび/または現在評価中の適応(HIV-1感染に対するビクタルビとレナカパビルの併用を含む)に関する将来の申請を含め、規制当局への申請と関連する申請および承認のスケジュールについての不確実性、規制当局から承認された場合でも、その承認が使用に関して当該規制当局により重大な制約が課されたり、承認撤回、またはその他の不利な措置を受けるリスク、ギリアドがこれらのプログラムの開発中止を戦略的に決定し、結果として現在評価中の適応症に対するこれらのプログラムが全く商業化されない可能性、および上記のいずれかの根拠となったりする仮定も含まれます。これらの、またその他のリスク、不確実性および要因については、米国証券取引委員会に提出済の2025年9月30日を期末とするギリアドの四半期報告書(フォーム10-Q)に詳しく記載されています。これらのリスクや不確実性、およびその他の要因により、実際の結果が「将来予測に関する記述」と著しく異なる可能性があります。歴史的な事実以外の全ての記述は「将来予測に関する記述」と見なされる可能性があります。このような「将来予測に関する記述」は将来の業績を保証するものではなく、リスクと不確実性を含むものであり、「将来予測に関する記述」に過度に依拠することのないよう注意してください。「将来予測に関する記述」は全て、ギリアドが現在入手できる情報に基づいており、ギリアドは、「将来予測に関する記述」を更新する義務を負わず、更新する意向もありません。

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