電通「欲望未来指数」で、消費意欲が引き続き高いという結果に
探求や創造、つながりや共感に関する欲望が消費意欲をけん引
2025年7月17日
株式会社 電 通
株式会社電通(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員:佐野 傑)の消費者研究のプロジェクトチームである「DENTSU DESIRE DESIGN(デンツウ・デザイア・デザイン)」(以下「DDD」)※1は、消費に対する欲望の増減を予測する「欲望未来指数」の最新版を取りまとめました。消費意欲活発化の兆しがうかがえる結果となった前回(2024年12月公表)※2と同様の高水準で推移しており、特に探求心・創造意欲などに起因する「腕試し欲望」の増加が顕著で、消費意欲は引き続き高い傾向であることが分かりました。詳細は次のとおりです。
「欲望未来指数」の推移
1.「欲望未来指数」の最新版について
(1)「心が動く消費調査」と最新結果
消費者の消費に対する欲望の増減を予測する「欲望未来指数」は、2021年から実施している「心が動く消費調査」※3をもとに、物価や景気、経済状況といった外的要因ではなく、「欲しい・したい」という消費者の気持ちの増減を可視化したものです。現代の消費者が持つ43種の「根源的欲求」と105種の「価値観基盤」、また「これから欲しいもの・したいこと」といった消費につながる具体的な意欲をもとに算出しています。
最新の「欲望未来指数」は253.9(前回255.4)と前回に引き続き高水準を維持しており、活発な消費意欲が継続していることがうかがえます。なお、2023年11月から15~19歳を調査対象に追加したため、2023年5月以前の結果は参考値となります。また、昨年3月に発表した「11の欲望」※4のリニューアルを踏まえ、過去の指数についても改めて算出しています。
(2)「11の欲望」について
2024年11月調査における「欲望未来指数」と「11の欲望」()内は前回比増減
「11の欲望」は、「心が動く消費調査」から得られたデータをもとに、人間の消費行動を駆り立てる感情を 「11の欲望」として可視化したもので、今回は6つの欲望が前回のスコアから増加しました。昨今の金利上昇、円安、生活コスト増などに対応しながら、消費者の消費意欲は再び高まりつつあると推察します。
なかでも「5.【探求&創造】腕を磨いたから、腕試し欲望」(前回比+43ポイント)が大幅に増加し、「4.【つながり&共感】わたしの役割でつながる欲望」(同+25ポイント)や「9.【遊興&解放】ホントはダメだけど、だって欲望」(同+21ポイント)も増えています。
実際、AI技術を競うAI活用ハッカソンなどの「腕試し」欲望を満たすようなイベントが話題になったり、深夜にスイーツや背徳グルメをSNSでシェアしながら食べることで「つながり」と「遊興」を同時に満たすような行動が若年層を中心に広まったりと、増加した欲望を裏付けるような事象も見受けられます。
一方で、新型コロナウイルスが流行していた2021年から伸長していた「2.【自由&安楽】無理のない自由への欲望」や「3.【健康&平穏】心身平常運転の欲望」は減少傾向が続いています。自由や健康、日常の安定といった基本的な価値は、意識的に求める対象ではなく、当然の前提として受け入れられるようになってきていると考えられます。
消費者は「当たり前」の日常を享受しながらも、他者とのつながりや共感・愛情といった外的な欲望と、探求心や創造性、収集・没頭といった内面的な欲望の両方を満たしたいと考えているようです。暮らしに必要なものだけでなく、より楽しく、より充実した時間を提供するような商品・サービス・コンテンツを消費者が今求めていると捉えることもできます。企業にとってはマーケティング戦略を見直す重要なタイミングであり、消費行動の根底にある欲望の変化を捉え新たな施策を打ち出す好機と言えます。
当社は今後も、人々の消費行動を駆り立てる感情である「欲望」の視点を組み入れた消費者理解を追求し、より深いカスタマージャーニー(顧客の製品・サービスの購入に至るまでの過程)設計、PDCAの仕組みづくりなどの支援を通じて、企業のマーケティング活動の高度化や効率化に貢献していきます。
<第10回「心が動く消費調査」概要>
・対象エリア:日本全国
・対象者条件:15~74歳
・サンプル数:計3000サンプル(15~19歳、20代~60代、70~74歳の人口構成比に応じて割り付け)
・調 査 手 法:インターネット調査
・調 査 時 期:2025年5月13日(火)~ 5月16日(金)
・調 査 主 体:株式会社電通 DENTSU DESIRE DESIGN
・調 査 機 関:株式会社電通マクロミルインサイト
※1 人間の消費行動に強く影響を及ぼすドライバーとなる感情を「欲望」と定義し、消費者が消費に至るまでの動機や行動を研究した結果得た知見を、パートナー企業にソリューションとして提供するプロジェクト。
※2 2024年12月4日リリース:電通、最新の「欲望未来指数」から消費意欲の活発化を予測
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2024/1204-010815.html
※3 DDDでは、お金を払って買ったものや体験で、心が満たされたり、テンションが上がったり、感動・刺激を受けたなど、良い気分・気持ちが得られた消費を「心が動く消費」と定義。「心が動く消費」の背景に人々がどのような「欲望」を持ち、それが人々の消費行動に影響を与え、次の消費にいかにつながっていくかを定期的に調査している。
※4 2024年3月22日リリース:DENTSU DESIRE DESIGN、人間の消費行動に影響を与える「11の欲望」2024年版を発表。
https://www.dentsu.co.jp/news/business/2024/0322-010704.html
以上
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