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年2回投与のレナカパビル、 HIV陽性者の健康関連QOLに継続的な効果を示す

2023年8月10日
ギリアド・サイエンシズ株式会社

年2回投与のレナカパビル、 HIV陽性者の健康関連QOLに継続的な効果を示す

―CAPELLA試験の患者報告アウトカムは、
レナカパビルの実証された安全性および忍容性プロファイルと一貫性を示す― ―レナカパビルについて、複数の解析が、皮下投与が受けられない場合でも
経口剤ブリッジングによるウイルス学的抑制の継続を示す―

 

ギリアド・サイエンシズ(本社:米カリフォルニア州フォスターシティ、ナスダック:GILD、以下「ギリアド」)は7月24日、レナカパビルについて、第II/III相CAPELLA試験の患者報告アウトカム(PRO)を含む、有効性、安全性および忍容性プロファイルをさらに裏付ける新たなデータを発表しました。これらの最新結果は、初の年2回投与長時間作用型のHIV注射剤であるレナカパビルが患者中心の治療選択肢として果たす役割およびHIV診療の未来に変革をもたらす同剤の潜在的な影響力を強く示すものです。本データは、7月23日~26日にオーストラリア・ブリスベンで開催の第12回国際エイズ学会(IAS)Conference on HIV Science(IAS 2023)にて発表されました。

 

5つの検証済みスコアリング手法を用いて、身体的および精神的健康を含む、健康関連QOLを測定したところ、CAPELLA試験の被験者(n=64/72)は52週目時点で良好なスコアを示し、測定期間を通じて、スコアは相対的に一貫していたことが報告されました。この結果は、米国の一般集団におけるスコアと類似しています。第II/III相CAPELLA試験および第II相CALIBRATE試験における別の解析では、被験者がレナカパビルの皮下投与を一時中断した場合でも、最適なバックグラウンドレジメン(OBR)との併用でレナカパビルを週1回経口投与すれば、高いウイルス学的抑制率、およびレナカパビルの高い有効血中濃度を得られることが示されました。

 

ギリアドのHIV臨床開発部門バイスプレジデントのジャレッド・バーテン(Jared Baeten, MD, PhD)は次のように述べています。「新たなHIV治療選択肢の実用の可能性を理解することは、その効果を確実に最大化させるためには不可欠です。IAS 2023で発表された患者報告アウトカムデータは、レナカパビルの忍容性に関する深いインサイトを提供しています。また経口剤ブリッジングデータは、年2回投与のレナカパビルが、いかに人々の生活に適しているかを示しています。私たちが、HIV治療の最適化を目標に、レナカパビルをベースとする選択肢の開発を続ける中で中心となっているのは、人々の経験やインサイトです」

 

複数の治療歴のあるHIV陽性者は、モビリティ、セルフケア、メンタルヘルスおよび肉体的苦痛など、HIV治療に対するアドヒアランスに影響のある健康関連QOLにマイナスの影響を与える症状を経験することがあります。CAPELLA試験における52週目までの患者報告アウトカムは、EuroQol-5 Dimensions-5 Levels(EQ-5D-5L)index、EQ-5D-5L visual analogue scale(VAS)、Short Form-36(SF-36)、HIV Symptom Index(HIV-SI)およびNumeric Pain Rating Scale(NPRS)のQOLを評価する5つの検証済み手法を用いて収集しました。登録された72名の被験者のうち、64名が52週目までのアウトカムを報告し、ベースラインから52週目時点までのスコアは顕著に安定しており、そのスコアは米国の一般集団をおおむね反映していました(下表参照)。これらのデータは、レナカパビルが、OBRとの併用で、健康関連QOLを損なうことなく、HIVレジメンとして効果がある可能性を示しています。

 

【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106647/202308097940/_prw_PT1fl_vXn2c549.png

 

CAPELLA試験およびCALIBRATE試験の解析から、レナカパビルの皮下投与が受けられず、その後週1回の経口剤ブリッジング(OB)で補完した場合でも、高い有効濃度、ウイルス学的抑制率および忍容性が維持されるレナカパビルの可能性に関するインサイトが提供されました。CAPELLA試験の被験者の79%(57/72)およびCALIBRATE試験の被験者の78%(82/105)が、平均19週にわたり、レナカパビルのOB(300 mg、週1回)を受けましたが、アドヒアランス率(錠剤数による)は、ほとんどの被験者において95%以上でした。

 

CAPELLA試験では、ウイルス学的抑制が得られていた被験者のうち、OB移行後10週目、20週目、および30週目において、それぞれ98%(44/45)、97%(30/31)および100%(10/10)のウイルス学的抑制を維持しました(欠測値は解析から除外)。CALIBRATE試験では、10週目、20週目、および30週目において、それぞれ被験者全員(100%)がウイルス学的抑制を示しました(77/77、58/58、および5/5)(欠測値は解析から除外)。CAPELLA試験において、2回(連続ではない)レナカパビルが経口投与されなかった1名の被験者において、OB期間中のウイルス抑制が維持できませんでした。OB期間の30週目まで、レナカパビルの平均血漿中濃度は有効濃度(inhibitory quotient-4)を上回って維持されました。これは、年2回のレナカパビルの皮下注射が受けられない場合の補完として、週1回300 mgのレナカパビルの経口剤とOBRの併用が、十分高い濃度をもたらす可能性を示唆しています。レナカパビルのOBでの使用については、いずれの規制当局からも承認されていません。

 

全体的に、OBは一貫した安全性および忍容性プロファイルを示し、治療中に発生した有害事象(AE)については、レナカパビル皮下注射の場合と類似しています。CAPELLA試験の2名の被験者(3.5%)およびCALIBRATE試験の1名の被験者(1.2%)が、治験薬と関連のある下痢を発症しました。

 

パリ・シテ大学(Université Paris Cité)感染症学部教授であり、サン・ルイ病院/ラリボワジエール病院(Saint-Louis and Lariboisière Hospitals)感染症部門長であるジャンミッシェル・モリーナ医師(Jean-Michel Molina, MD)は次のように述べています。「臨床医として、私たちはウイルスと共に生きる人々が、HIV治療レジメンの中で経験する可能性のある現実世界での制約や、予定通り注射が受けられない場合のシナリオが治療の成功にどのように影響するかについて理解しようとしています。本解析の結果は、予定していたかに関わらず、注射投与ができなかった場合のウイルス学的抑制維持に向けた治療戦略として、将来的にレナカパビルの経口剤が使用される可能性を支持しています」

 

年2回投与のレナカパビルは、将来、長時間作用型経口薬および注射薬として、複数の投与頻度のある選択肢の提供を目標としたHIV治療における基本薬として開発されており、他の抗レトロウイルス薬との併用療法、または予防のための単剤療法として、HIVとともに生きる人々やPrEPにより恩恵を受ける可能性のある人々の個々のニーズと選択への一助となります。HIV予防を目的とした年2回投与のレナカパビルの使用は研究段階にあり、本使用に対する安全性や有効性は確立されておらず、ギリアドの予防、治療研究プログラムにおける複数の進行中および計画中の、初期ならびに後期臨床試験において、長時間作用型の選択肢として評価されています。

 

レナカパビルは、単独あるいは併用での使用について、オーストラリア、カナダ、EU、イスラエル、スイス、UAE、英国、米国以外の規制当局からは承認を受けていません。

 

レナカパビルの米国における適応や重要な安全性情報については、以下をご参照ください。

 

HIVまたはエイズを治癒する方法は、現在のところ存在しません。

 

シュンレンカについて

シュンレンカ(300 mg錠剤および463.5 mg/1.5 mL注射剤、一般名:レナカパビル)は、他の抗レトロウイルス薬との併用により、複数の治療歴があり、多剤耐性を有するHIV陽性者に対するHIV治療を適応とする、ファースト・イン・クラスの長時間作用型HIVカプシド阻害剤です。シュンレンカは唯一の、年2回投与によるHIV治療選択肢となります。シュンレンカ錠は、レナカパビルによる治療開始時の経口負荷投与法として承認されています。投与のタイミングは、治療開始時に、初回の長時間作用型レナカパビル注射前または投与時のいずれかを選択します。

 

シュンレンカの活性薬剤にみられる複数の過程における作用機序は、現在承認されている他の抗ウイルス薬剤クラスと異なります。ほとんどの抗ウイルス薬はウイルス複製の1段階のみに作用するのに対し、シュンレンカは、HIVのライフサイクルにおける複数の段階を阻害するよう開発されており、in vitroでは、現在ある薬剤クラスとの交差耐性は認められていません。

 

米国におけるシュンレンカの適応について

ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)カプシド阻害薬であるシュンレンカは、他の抗レトロウイルス薬との併用で、耐性、忍容性あるいは安全性に配慮すると、現行の抗レトロウイルスレジメンがうまくいかない、複数の治療歴があり、多剤耐性を有する成人HIV-1陽性者におけるHIV-1感染症治療が適応とされています。

 

米国におけるシュンレンカに関する重要な安全性情報

 

禁忌

・併用投与:シュンレンカを強力なCYP3A誘導剤と併用しないでください。

 

警告および使用上の注意

・抗レトロウイルス(ARV)併用療法を受けた患者において、発現までの期間が変わりやすい自己免疫疾患の発現を含む免疫再構築症候群が報告されています。

・シュンレンカの長時間作用型特性および潜在的な関連リスク:患者の体循環において、シュンレンカの在留濃度が最長12カ月以上持続する可能性があります。注射剤最終投与後9カ月以内に投与を開始した場合、主にCYP3Aにより代謝される薬剤の曝露量が増加し、副作用のリスクが高まる可能性があります。服薬不遵守はウイルス学的反応の消失および耐性発現につながる可能性があるため、投与スケジュールについて、患者に助言してください。ウイルス学的失敗が生じた場合は、可能であれば、代替レジメンに切り替えてください。シュンレンカの投与を中止する場合は、注射剤最終投与から28週間以内に代替のARV抑制レジメンを開始してください。

・注射部位反応が生じたり、結節および硬結が持続したりすることがあります。

 

副作用

・主な副作用(全グレードで発現率3%以上)は、注射部位反応(65%)および悪心(4%)でした。

 

薬物相互作用

・処方情報:禁忌、警告および臨床的見解を含む重大な薬物相互作用の可能性に関する詳細情報については、シュンレンカの完全な処方情報を参照してください。

・酵素/トランスポーター:強力または中程度のCYP3A誘導剤は、シュンレンカの成分濃度を大幅に低下させる可能性があります。また、CYP3A、P-gpおよびUGT1A1を強力に阻害する薬剤は、シュンレンカの成分濃度を著しく上昇させる可能性があります。シュンレンカ注射剤の最終投与後9カ月以内に主にCYP3Aにより代謝される薬剤の投与を開始した場合、その薬剤の曝露量が増加し、副作用のリスクが高まる可能性があります。

 

用法および用量

・用法・用量:2つのオプションのいずれかで投与を開始し、その後は6カ月に1回、維持投与を行ってください。錠剤は食事の有無にかかわらず服用可能です。

・開始時オプション1: 1日目:927 mgを皮下注射および600 mg(300 mg錠×2)を経口投与。2日目:600 mg(300 mg錠×2)を経口投与

・開始時オプション2:1日目:600 mg(300 mg錠×2)を経口投与。2日目:600 mg(300 mg錠×2)を経口投与。8日目:300 mg(300 mg錠×1)を経口投与。15日目:927 mgを皮下注射

・維持療法期:927 mgを注射剤最終投与日から26週±2週ごとに皮下注射

・投与忘れ:維持療法期中に、注射剤最終投与日から28週を越えてしまったが、レナカパビルによる治療継続が臨床的に適切であると判断した場合は、オプション1またはオプション2の1日目から開始時の用法・用量で投与を再開してください。

 

妊婦および授乳婦への投与

・妊婦:妊娠中におけるシュンレンカの使用に関するヒトを対象としたデータが不足しています。抗レトロウイルス妊婦レジストリ(Antiretroviral Pregnancy Registry、APR)は確立されています。

・授乳婦:HIV-1 に感染した女性は HIV-1 を伝播する可能性があるため、授乳をしないように指示してください。

 

ギリアド・サイエンシズについて

ギリアド・サイエンシズは、全ての人々にとって、より健康な世界の実現を目指し、30年以上にわたり医療の革新を追求し、飛躍的な進歩を遂げてきたバイオ医薬品企業です。当社はHIV、ウイルス性肝炎、COVID-19、がんなどの生命を脅かす疾患の予防と治療のため、革新的な医薬品の開発に取り組んでいます。カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界35カ国以上で事業を行っています。

 

ギリアドは35年にわたり、HIV領域におけるリーディング・カンパニーとして、治療、予防、治癒研究の進歩を推進してきました。ギリアドの研究者たちは、HIV治療における最初の単一錠剤レジメンや、HIV感染リスクを減らすための初めての曝露前予防(PrEP)となる抗レトロウイルス薬、さらには初の年2回投与の長時間作用型注射剤となるHIV治療薬など、12種類のHIV治療薬を開発してきました。こうした医学研究の進歩により、HIVは何百万人もの人々にとって治療および予防可能な慢性疾患となりました。

 

世界中のHIV感染者の日々変化するニーズに対応するソリューションを提供するため、ギリアドは引き続き科学的イノベーションに取り組んでいます。また、パートナーシップと連携を通じて、教育の改善、医療へのアクセス拡大および障壁を取り除き、世界中の全ての人々のHIV感染の根絶を目指します。ギリアドは、「AIDSに関わる資金提供基金」(Funders Concerned About AIDS, FCAA)が発表した報告書において、HIV関連プログラムの慈善資金提供団体として第1位に認定されました。

 

ギリアドの将来予測に関する記述

本プレスリリースは、1995年の 「米国証券訴訟改革法」に記載されている「将来予測に関する記述」に該当し、いくつかのリスク、不確実性などの要素を含む場合があります。これには、現在見込まれているタイムライン内に臨床試験を開始、進行、完了するギリアドの能力、またはそれらが全く完了できないリスク、レナカパビルに関するものを含め、現在進行中および追加の臨床試験から得られた結果が好ましくない可能性、規制当局への承認申請および関連する申請や承認のタイムラインに関連する不確実性、ギリアドが規制当局から適時に承認を得る能力、または全く得られない可能性、またたとえ規制当局から承認を得たとしても、その使用に関して重大な制約が課されるリスク、および上述のいずれかの背景となる前提などがあります。これらのリスクとその他のリスク、不確実性、要因等については、米国証券取引委員会に提出済の2023年3月31日を期末とする四半期報告書(フォーム10-Q)に詳細が記載されています。これらのリスクや不確実性、およびその他の要因により、実際の結果が「将来予測に関する記述」と著しく異なったものとなる可能性があります。歴史的事実以外の全ての記述は「将来予測に関する記述」とみなされる可能性があります。このような「将来予測に関する記述」は将来の業績を保証するものではなく、「将来予測に関する記述」に過度に依拠することのないようご注意ください。「将来予測に関する記述」は全て、ギリアドが現在入手できる情報に基づいており、ギリアドは「将来予測に関する記述」を更新する義務を負うことはなく、更新する意向もありません。

 

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