「自分の体と向き合って」 乳がん体験社員が闘病語る オープンハウスGセミナー
乳がんの早期の発見・治療の重要性を啓発する10月の「ピンクリボン月間」に合わせ、不動産大手のオープンハウスグループは10月21日、東京都千代田区の本社で、乳がんの正しい知識を学ぶ女性社員ら対象のがんセミナーを初めて開いた。乳がんとなり1年間の闘病を経て今年8月に職場復帰したばかりの同社人事部次長の小山内悠子さん(39)が自身の闘病体験を語ったほか、唾液でがんリスクを評価する事業を展開するスタートアップ企業サリバテック(山形県鶴岡市)の代表取締役で医師の砂村眞琴さんが、乳がんの検査・治療に関する最新情報を説明した。
小山内さんは38歳で乳がんが判明。「それまで受けていた健康診断やエコー(超音波)検査で異常はありませんでした。出産も経験し、お酒やたばこ、カップラーメンとも無縁な生活です。(胸の)しこり以外は乳がんの予兆はなく、乳がんと分かった時は“何で私が乳がん”と思いました。その小さなしこりに気付いた時点で既に(発症から)7~8年は経過していると(医師から)言われました」と乳がんと診断された当時を振り返った。
闘病に関しては「治療は手術・抗がん剤・放射線・ホルモン療法のフルコースで全身の毛が抜けたり、副作用に悩まされたりしましたが、何より1年間休職して周囲の方や家族に迷惑をかけたという気持ちがあり本当に大変でした。だからもっと前に早期発見できたら良かったと思いました」と語った。
その上で小山内さんは「乳がんは誰でもなる可能性がある病気です。ぜひ当事者意識を持ってご自身の体と向き合っていただきたい」と呼び掛けた。

がんセミナーに登壇したオープンハウスグループ人事部次長の小山内悠子さん(左)と医師の砂村眞琴・サリバテック代表取締役=東京都千代田区のオープンハウスグループ本社
今回社員の前で乳がん体験を語った動機に関しては「ピンクリボン月間であり、(職場復帰しても間もないタイミングが)タイムリーでもあったので」と言葉少なに話しただけだったが「私のように大変な目に遭わないように」とも述べ、自身の体験が同僚の女性たちの今後のセルフケアに役立てばとの強い思いがうかがわれた。
膵臓(すいぞう)がんや胆管がんの手術を執刀してきた砂村さんは、国立がん研究センターのデータを紹介しながら「女性の罹患数が最も多いがんは乳がんで、女性の9人のうち1人が罹患する割合になります。注意すべきは40歳前ぐらいから罹患率がぐっと上がっていくことです」と述べ、早い時期から乳がんに関心を持つことの重要性を訴えた。
また「乳がん診療ガイドライン2022年版」によると「日本の乳がん治療はとても進んでおり、日本の乳がん患者の5年生存率(全症例)は92.3%(2009~11年診断例)で米国の90.3%(2011~17年診断例)を上回っている」として、日本の乳がん専門医の標準治療の水準の高さを強調。「現在の乳がん治療は、一人一人の患者に合った治療を行う“オーダーメード医療”の時代を迎えており、複雑で高度に発達したこのオーダーメード医療を行えるのは乳がん専門医です」と語った。
さらに自身が2013年に創業したサリバテックの唾液によるがんリスク評価(検査)事業については「診断ではなく、あくまで、がんでない方と比べた場合のがんリスクをAI(人工知能)が判定評価する検査ですが、1滴の唾液で女性は乳がんをはじめ6種類のがんのリスク評価を自己認識できるので、乳がんをはじめとしたがんの早期発見や医療機関への橋渡しに役立つと考え、この事業を始めました」と話した。

創業したサリバテックの唾液によるがんリスク評価事業で「医療への橋渡しをしたい」と話したサリバテック代表取締役で医師の砂村眞琴さん
28年度中には、現在の6種類のがんに加えて、新たに「卵巣がん」もリスク評評価対象になる、という。
今回のセミナーに参加し、サリバテックの唾液がんリスク評価も体験した女性社員(27)は「エコーやマンモグラフィーなどの乳がん検査(画像検査)は、年齢的にまだ早いと考えていましたが、今回、自分の乳ががんリスク評価を知り、また砂村先生の話も聞いたので、これらの検査の受診を検討してもよいかなと思いました」と話した。
編集部からのお知らせ
新着情報
あわせて読みたい



アルジェニクスジャパン株式会社
















