KK KYODO NEWS SITE

ニュースサイト
コーポレートサイト
search icon
search icon

老人ホームでプロ棋士の囲碁教室を定期的に開催 川崎市に完成した特養「ラスール長沢」

ラスール長沢で働くミャンマー出身の介護職員

 およそ70の特別養護老人ホームをはじめ全国各地で高齢者施設や病院などを運営する湖山医療福祉グループ(東京都中央区)の新たな特別養護老人ホーム「ラスール長沢」(白山福祉会運営)がこのほど川崎市多摩区に完成し、関係者約200人参加の竣工(しゅんこう)式が8月19日、ラスール長沢内で開かれた。あいさつした湖山医療福祉グループ代表で白山福祉会理事長の湖山泰成さんは「湖山グループの今持っているすべての力をここに注いだ。ラスール長沢を新しい時代の新しい特養ホーム、そばにある大学病院に頼りにされるような特養にしたい」と述べ、近くにある聖マリアンナ医科大学病院(川崎市)との連携促進に意欲を示した。9月から運営を開始する。

竣工式であいさつする湖山医療福祉グループ代表の湖山泰成さん=川崎市多摩区、2025年8月19日

 

 鉄筋コンクリート造り3階建てのラスール長沢の敷地は、川崎市特別養護老人ホーム「長沢壮寿の里」の跡地。この跡地に新たな特養を建設・運営する法人と白山福祉会が川崎市に選ばれ、ラスール長沢を建設。敷地は川崎市から無償貸与されている。建設総事業費は約26億円。入所定員146人、短期入所定員20人の大型特養で、白山福祉会が川崎市内で運営する特養としては4施設目となる。

 竣工式には来賓として元消防庁長官でNPOヘルスケア・デザイン・ネットワーク理事長の久保信保さんや元警察庁長官で湖山医療福祉グループ顧問の米田壮さん、元厚生労働省審議官で湖山医療福祉グループ顧問の栄畑潤さん、元消防庁次長で湖山医療福祉グループ顧問の大場誠司さん、川崎市の石渡一城・健康福祉局長、川崎市議会の原典之議長、笠浩史衆院議員、聖マリアンナ医科大学病院の大坪毅人病院長らが出席した。

うちわを持って記念撮影する来賓ら関係者

 

 あいさつした川崎市の石渡健康福祉局長は「地域における在宅生活者や介護者へのサポートをはじめ、他の福祉サービスや医療機関との連携、地域交流スペースや年間行事を活用した地域住民との交流促進などで、施設入居者とそのご家族、地域の方々、ボランティアの方々をつなげ、みんなが生きがいを持って生活できる、そんな地域づくりの一翼を担ってほしい」とラスール長沢の役割発揮に期待を寄せた。

 ラスール長沢から徒歩数分の場所にある聖マリアンナ医科大学病院の大坪病院長は「患者さんの受け渡しだけではなく、(病院の)教職員の教育についても今後、(ラスール長沢に)お世話になることができれば」などと述べ、ラスール長沢との連携の可能性に言及した。

 白山福祉会の佐々木和之事業部長によると、ラスール長沢は、看護職員の24時間配置や隣接する聖マリアンナ医科大学病院との連携を念頭に「医療強化型の特養」を目指すとともに、地域交流スペースを設けるなどして地域住民との交流促進に力を入れる。また囲碁団体の日本棋院(東京都千代田区)の協力を得て、プロ棋士を招いた「囲碁教室」を毎月1、2回程度、施設内で開催する、という。そのほか、約100人の職員の労力軽減も考慮し、一定時刻に一定の場所に入居者を移動させる自動運転の車いすを6台導入するなど、最新技術を活用した介護システムの構築にも力を入れている。

9月から運営を開始する特別養護老人ホーム「ラスール長沢」

 

 白山福祉会の佐々木事業部長は「囲碁は入居者様の娯楽のほか、認知症の予防にもなると考え企画した。当初は月1回開き、将来は2回開催にしてきたい」と話す。湖山医療福祉グループの湖山代表は「聖マリアンナ医科大学病院様の医療と連携させていただき、ラスール長沢の職員自身が高齢になったときに入りたくなるような特養を目指す」と取材に答えた。

 職員約100人のうち3割程度が外国人という。ミャンマー出身のス・ミャッ・ノー・ヌェさん(28)は「おじいさん、おばあさんが好きなのでこの仕事を選びました。9月から働くのが楽しみです」と笑顔で話した。

  • ラスール長沢で働くミャンマー出身の介護職員

編集部からのお知らせ

新着情報

あわせて読みたい

「誰もが輝いて働く社会へ」の特集記事を読む