アマゾンジャパンが女性社員の活躍を後押し 「女性史月間」に自社でさまざまな社内イベント
女性の地位や権利の向上、ジェンダー平等などを目指し、国際的な連帯と統一行動を呼びかける「国際女性デー」。例年3月8日を中心に世界各地で集会や式典、デモが行われるほか、多くの民間企業でも女性支援の取り組みが広がってきている。
特に今年は国連が国際女性年の1975年に「国際女性デー」を定めてから50年の節目となる年。性別や障害の有無などを問わず、どんな社員でも能力を発揮できる職場づくりを進めているインターネット通販大手のアマゾンジャパン(東京)は、「国際女性デー」をきっかけに始められた「女性史月間」の3月ひとつきにわたり、女性の活躍を後押しし、お互いの成長を支援するためのさまざまなイベントを実施した。
【3日】メンタルヘルスと社会問題について発信する「Blossom the Project」の創設者である中川愛さんが「女性、仕事、ウェルネス」をテーマにしたセッションを開催。
【4日】日本航空(JAL)グループのIT部門初の女性役員として、JAL再生に貢献した宮下律江さんが組織の変革とリーダーシップについてトークセッション。
【11日】Amazon各部署の女性リーダー6人がパネルディスカッション。キャリアの選択や課題などについて議論したほか、実践的なアドバイスも披露。
参加者からは「ジェンダーにかかわらず、多くの⽅々が直⾯する職場での不安やチャレンジングな状況をどう楽しむのか、キャリアとの向き合い⽅について学ぶことができました。皆さんの経験談から多くの勇気をもらえ、Amazonで働くことの素晴らしさを再確認できました」「パネリストのお話に感銘しました。長く働き続ける上で、どのように意欲を高く保つかという悩みが、心が軽くなるような話を聞けたことで解消された」との前向きな感想が挙がった。

キャリアパネルディスカッション後の記念撮影
【19日】映画『取り残された人々:日本におけるシングルマザーの苦境』を上映。シングルマザーが直面する知られざる困難を描写し、隠された貧困などの社会的な背景を探る映画会で、上映後には監督やキャストらによる質疑応答が行われた。
【21日】コミュニティーのメンバー同士の交流を深めるためのネットワーキングイベントを開催。ハードライン事業本部統括事業本部長の渡辺朱美さんをゲストスピーカーに迎え、DEIやキャリアについての質疑応答が実施された。
【24日】書籍事業部運営のブック・クラブとのコラボ企画として、女性実業家でマザーハウス代表取締役兼チーフデザイナーの山口絵理子氏が登壇。バングラデシュでの創業ストーリーに触れながら、起業や女性のエンパワーメントなどをテーマに講演。

マザーハウスの山口絵理子さんを招いたイベント
性別の多様性を推進することを目的とした社員主導のグループ「Women at Amazon」があり、こうした取り組みに世界各国の多くの女性社員が参加している。日本でも社員がお互いの成長を後押しし、成功をたたえ合う場として、講演会やパネルディスカッション、ワークショップなどを普段から開催している。
アマゾンジャパン広報担当者は「国際女性デー2025を祝う1カ月間のイベントは、多様な日時と形式で、多くの人が参加しやすいように開催されました。この柔軟なアプローチが奏功し、アンケート回答者の87%が仕事上または個人的な成長において貴重な収穫があったと回答しています」と話した。
人事部の上田セシリア氏は「私たちは、女性、LGBTQIA+、障害のある方など、多様なバックグラウンドを持つ社員が活躍できる環境づくりを通じて、より多様な視点を生かした価値創出を目指しています。こうした取り組みを通じて、お客さまにより良いサービスを提供させていただけるよう努めています。これは『地球上で最もお客さまを大切にする企業になる』というAmazonの企業理念の実現に向けた歩みの一つです」と語った。