幻の花を見に神代植物公園の夜の温室へ 夜空にたゆたう神秘的な響きが聴ける時間も
昼間は暑すぎるから、日が沈んでからのんびり遊びたい、という人にぴったりのイベントがある。東京・調布市の神代植物公園で7月20日(日)、21日(月・祝)の2日間、「大温室夜間公開」が実施される。幻の花といわれる「サガリバナ」の開花期に合わせたものだ。
サガリバナが幻の花と呼ばれるのは、日が暮れてから開花し、翌朝には花が落ちてしまうから。大温室のサガリバナは、例年7月下旬には最盛期を迎えるといい、シャンデリアのように咲きそろう“一夜限りの花”を楽しめるかもしれない。
熱帯地方には、夜に活動する虫や動物がたくさんいて、彼らに花粉を運んでもらうために、夜に咲く花も数多く見られる。この夜間公開では、サガリバナをはじめ夜に開花する植物、香りが強くなる植物など珍しい熱帯の植物を見ることができる。
また大温室前では、シャボン玉とライティングによる演出“バブルミネーション”や、隣接する深大寺の僧侶による“声明”(しょうみょう)も楽しめる。声明は、僧侶たちが経文に旋律を乗せ、技巧を尽くして唱える荘厳な声楽だ。古代インドが声明の起源で、シルクロードを渡り1200年以上前に最澄が日本に伝えた「天台声明」は、日本の音楽文化の原点とも言える。夜空にたゆたう神秘的な響きを堪能する機会だ。飲食店の出店もあるから、夏祭り気分で楽しめそうだ。
開催時間は17時30分~20時30分(最終入園20時)。参加費1000円(中学生以下は無料)。開花状況やイベントの開催状況は公式ホームページ、または公式X(旧Twitter)で確認を。