自活の武器、ファッションへの関心 シンポジウム「ミシンが変えた女性の暮らし」
【パネルディスカッション】
坂東氏
まずコシノヒロコさんに「カーネーション」の時代でまさしくプロとして仕事をされたお母様、ご姉妹の話を伺いたい。
コシノ氏
まずミシンというものを考えると、私が生まれた時から母がミシンの前に座っている姿しか頭にないのです。ミシンを通じて私たち家族が世の中にいろんな形で躍り出ることができたと言って過言ではないです。私は母がお盆、正月でも全てを犠牲にして一生懸命人の洋服を作っているのを見て、この世界だけは絶対に継ぎたくないと思いました。母の時代は洋服を縫う世界だったかもしれないが、私はデザインという世界に入っていくわけです。欲しいものはどんな努力をしても自分のものにする。決して人を頼らない。自分のことは自分でやりなさいというのが母の教育方針だったのです。私たちの才能を見つけて活かしてくれるということに関しては絶対的なものがありました。
ゴードン先生が話されたように、ミシンという大きなきっかけがあって女性の生活がどんどん変わってきた。あらためて原点を見直す素晴らしい機会を与えられたことを感謝します。
坂東氏
「カーネーション」プロデューサーの城谷さんに裏話、視聴者の反応を是非お聞きしたい。
城谷氏
放送が終わってから海外の反響があり、海外放送が増えています。最初が台湾で、このあとタイ、カンボジア、マレーシア、9月からミャンマーでも始まる。おそらく普遍的な女性の生き方というか何か通じるものを感じてもらえたのではないかと思います。
坂東氏
次は吉見先生に社会的な背景などについてお話しいただきたい。










