寺西拓人 声優初挑戦は「とても刺激的で楽しい経験でした」 「マクロス」、「アクエリオン」シリーズの河森正治監督の長編アニメーションに出演『迷宮のしおり』【インタビュー】

寺西拓人(C)『迷宮のしおり』製作委員会
-どんな点が楽しかったのでしょうか。
舞台や実写作品の場合、役を演じていても、どこか自分が残っているんです。でも、アニメーションは外見が自分と全く異なるので、より強い没入感が味わえて。それがすごく楽しかったです。
-そういう意味では、主人公の栞がスマホの中の世界に閉じ込められるという独創的な物語も、没入感を高める大きな要素となっています。その点について、寺西さんはどんな印象を持ちましたか。
現代を生きる僕たちにとって、スマホはもはや手放せないツールで、そこには大量の個人情報が記録されています。だから、「スマホはもう一人の自分」という言葉にはハッとさせられました。SNS上で華やかな他人と自分を比べてコンプレックスを感じる問題や、「バズり」を重視しがちな世の中の風潮を取り入れている点も、すごく考えさせられるなと。それと同時に、「創聖のアクエリオン」(05)のように音楽と映像が一体になった河森監督らしい魅力にもあふれているので、僕自身、とても気持ちよくアフレコができました。
-河森監督の印象はいかがでしたか。
河森監督は物腰が柔らかく、とても優しい方でした。アフレコ中も、初めて挑戦する僕の緊張を和らげるため、何度も褒めてくださって。おかげで、右も左もわからなかった僕も、スムーズに気持ちを乗せていくことができました。そんな温かいお人柄の一方で、作品自体は常に尖っていますよね。この作品でも、僕のよく知る横浜を舞台に、あんなサプライズ満載の物語を作り上げるのかという新鮮な驚きがありました。
-河森監督は「声優初挑戦の方とご一緒することで、『誰でも新しいことに挑戦できる』というメッセージを伝えたかった」と語っていますが、声優に初挑戦した感想はいかがでしたか。
声優初挑戦で、架神傑の天才起業家としての一面から、その思惑の裏に秘められた過去まで、1人のキャラクターの様々な側面を演じられたことは、すごく勉強になりました。河森監督も「良かったです」と褒めてくださいましたが、僕自身は「もっとこうすればよかった、ああすればよかった」という反省点が多々あります。だから、河森監督の言葉に甘えることなく、機会があれば今後も声優に挑戦していきたいと思っています。

(C)『迷宮のしおり』製作委員会
(取材・文/井上健一)
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