【映画コラム】7月後半公開映画『木の上の軍隊』『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』『スタントマン 武替道』
『スタントマン 武替道』(7月25日公開)

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香港アクション映画を支えたスタントマンたちに焦点を当て、彼らの葛藤と苦悩に加えて映画製作の裏側を描く。タイトルの「武替道(ぶたいどう)」は中国語で「スタントの道」の意味。
そんな本作の見どころは、アクション監督のサム役を数々の作品でアクション指導を務め、『燃えよドラゴン』(73)などに出演もした香港アクション映画界のレジェンド、トン・ワイが演じ、『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』(24)のテレンス・ラウとフィリップ・ンが共演しているところ。
この新旧スターの顔合わせによって、香港アクション映画界の衰退や変化があらわになるのだが、「火がある限り希望はある」というせりふに象徴されるように、対立からの和解や希望を描いているのが本作の真骨頂。
スタントのことになると狂気的な性格破綻者となるサムを、実際にアクション監督として有名なトン・ワイが演じているのが面白い。どの程度実像が反映されているのかと考えると興味深いものがある。
(田中雄二)