【週末映画コラム】人気シリーズの最終章『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』/実際の元収監者たちが演劇メンバーを演じる『シンシン SING SING』
『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』(4月11日公開)

(C)2025 Universal Pictures
ブリジット(レニー・ゼルウィガー)は、4年前に最愛の夫マーク(コリン・ファース)を亡くし、深い悲しみを抱えながらシングルマザーとして2人の子どもを育てていた。自らの欲を捨てて全力で子育てに専念してきたブリジットは、親友たちや元恋人のダニエル(ヒュー・グラント)に支えられ、テレビ局の仕事に復帰することになる。
そんなある日、ブリジットは公園で出会った29歳のロクスター(レオ・ウッドール)とアプリでつながり、距離を縮めていく。
その一方、息子のビリーが通う小学校の厳しい理科教師ミスター・ウォーラカー(キウェテル・イジョフォー)が実は優しい男であることを知り、気になる存在になる。子育てや仕事に追われながらも奮闘するブリジットだったが…。
大ヒット作「ブリジット・ジョーンズの日記」シリーズの9年ぶりの続編となる第4作で最終章。監督はマイケル・モリス。
シリーズ初作の『ブリジット・ジョーンズの日記』(01)では32歳で独身だったブリジット。その後、恋や仕事に悩み、理想のパートナーを求め続けてきた彼女が、この映画では50代のシングルマザーへと変化した。
リアルタイムでシリーズを見続けてきたファン(特に女性)にとっては、少なからず自分と重なるところもあり感慨深いものがあるだろう。不器用な等身大のヒロインであるブリジット=ゼルウィガーのシリーズを通しての変化は、ある意味、社会や時代、働く女性の価値観の変化を象徴するからだ。
また、恋に悩む女性から、人生の苦難を経験した大人の女性へと成長した彼女の姿は、単なるコメディーヒロインの域を超えて物語に深み与えている。加えて、今回は彼女と一緒に年を取ってきた周囲の人たちの温かさが心に染みる。
若い男性といい仲になるなど、多少出来過ぎの部分もあるが、もとよりこのシリーズは女性たちにとっては一種の夢物語的な側面もあるので、これはこれでいいのだろう。改めてブリジットは一世一代の当たり役だったと思わせるゼルウィガーの好演も相まって、笑いあり涙ありの、最終章にふさわしい映画になっている。