新選組・土方歳三の生涯を音声ガイドで追体験 生家の資料館が導入、日本語・英語・中国語に対応

資料館展示スペース(写真:土方歳三資料館提供)
幕末に新選組の副長として活躍した土方歳三。その生涯を、貴重な遺品にまつわる物語とともにたどれる音声ガイドが、東京都日野市の「土方歳三資料館」に登場した。台湾のカルチャーテック・スタートアップ ARTOGO (藝途科技)と連携し、日本語・英語・繁体字中国語の3言語に対応。国内外のファンが、歳三の生家で歴史をより深く知ることができる。
利用できるのは、スマートフォン向け音声ガイドサービス「Gotour」。館内のQRコードを読み取るだけで利用でき、専用アプリのダウンロードは不要だ。入館者は無料で、展示品にまつわる解説を聴くことができる。
ガイドでは全10カ所の案内スポットを通じて、多摩の農家に生まれた少年が新選組の副長となり、戊辰戦争を戦い、箱館で最期を迎えるまでの歩みを紹介する。
注目したいのは、歳三の人生を物語る数々の所蔵品だ。少年時代に相撲の稽古をした大黒柱や、上洛前に自ら編んだ俳句集「豊玉発句集」、京都で刀傷を受けたとされる鉢金など、ゆかりの品々を解説付きで見学できる。池田屋事件で使用された鎖帷子(くさりかたびら)も展示され、右後頭部付近には刀や槍が貫通した跡とみられる穴が残っているという。
さらに、歳三が最期まで身につけていた愛刀「和泉守兼定」も紹介。10月18日まで特別公開されている。また、五稜郭開城直前に安富才助が書いた、歳三の戦死を知らせる書簡も見どころの一つだ。少年兵が決死の思いで届けるため、衣服の襟に縫い込んで隠し持ち、多摩へ運んだと伝えられている。
海外の来館者にも配慮した工夫が盛り込まれている。繁体字中国語版では、歳三が詠んだ俳句を日本語の原音で朗読した後、中国語で解説。原文の響きを味わいながら、その意味を理解できる構成とした。
今回の取り組みは、資料館が所蔵資料や子孫による解説を提供し、ARTOGOが翻訳・編集や音声ガイド制作、デジタル化を担うことで実現した。専用機器の購入や貸し出し管理が不要なため、限られた人員で運営する小規模な文化施設にとっては、多言語対応の新たな選択肢となりそうだ。
土方歳三資料館の所在地は東京都日野市石田2-1-3。多摩モノレール万願寺駅から徒歩約2分。入館料は小学生以上800円で、現金のみ。開館日は10月17日・18日、11月1日・15日、12月6日・20日などで、各日12時~16時。予約は不要だが、開館日程は変更される場合があるため、来館前に公式サイトで確認したい。
















