平城宮いざない館で企画展「須恵器をつくる」 古代と現代をつなぐ展示とイベント
朝鮮半島から5世紀ごろに伝えられた、と歴史の教科書で学んだ記憶がある「須恵器」。備前焼の土台にもなったとされるこの作陶技術を、実際に体験しながら学べる夏期企画展「須恵器をつくる -古代と現代をつなぐ陶の工の物語-」(奈良文化財研究所・奈良市)が7月12日~8月31日まで、奈良市の平城宮いざない館企画展示室で開催される。開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。7月14日は休館日。入館無料。
奈良時代には、さまざまな地域で作られた須恵器が税金や交易品として平城京に運ばれた。備前国(現在の岡山県東部)も須恵器を納める国とされており、岡山県瀬戸内市牛窓町にある国指定史跡寒風古窯跡群は、7世紀の飛鳥時代を中心に約100年近くにわたって須恵器をつくっていた生産遺跡だ。出土した須恵器のなかには、屋根にのせる鴟尾(しび)や硯(すずり)などもあり、これらの製品は、瀬戸内海の水運を使って飛鳥、奈良の都に運ばれていた。
寒風窯で焼かれた古代の須恵器の造形や作陶技術は、その後の備前焼の土台になり、現代の陶芸作家も魅了し続けている。企画展では、古代の備前と奈良、寒風の須恵器を通して、奥深い「陶の工(すえのたくみ)」の世界を堪能できる。
会期中、7月26、27日には、「須恵器文様の豆皿をつくろう!」「陶硯〈円面硯〉をつくってみよう!」などの体験ワークショップも開催されるほか、8月23、24日には、陶芸作家と奈文研研究員によるイベントも予定されている。体験ワークショップの申し込み方法は、平城宮跡歴史公園ホームページ で公開予定。