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戸田菜穂「スッとあの時代に入っていけるような空気がありました」名作漫画の実写映画化で、昭和の母を好演『遥かな町へ』【インタビュー】

 10月9日から全国公開となる『遥かな町へ』は、「孤独のグルメ」「神々の山嶺」で知られる漫画家・谷口ジローの名作を実写映画化した作品だ。

 建築デザイナーとして活躍する48歳の中原博史(大谷亮平)が、故郷・鳥取県の倉吉で母親の墓参りを済ませた直後、中学時代にタイムスリップし、友⼈や初恋の⼈との再会、亡き母親や家族との時間を通じて、⾃らの⼈⽣を⾒つめ直す。

 本作で、中学時代の博史(及川桃利)の母・和江を人間味豊かに演じたのが、NHKの連続テレビ小説「あんぱん」(25)など、多数の作品で活躍する戸田菜穂。公開を前に、撮影の舞台裏を語ってくれた。

戸田菜穂【スタイリスト:大沼こずえ/ヘアメーク:松岡奈央子】 (C)エンタメOVO

-舞台となる昭和の人の温かさとノスタルジックな雰囲気に溢れた作品でした。戸田さんの演じる和江は、タイムスリップした主人公の博史が再会する母親ですが、オファーを受けたときに感じた作品の魅力を教えてください。

 誰でも、きっと母親のお墓参りに行くと、元気だった頃の母親と再会するような気持ちになると思います。子どもの頃は、母親は100%「お母さん」ですが、自分が大人になってみると、それだけでなく、母親も1人の女性だったことに気づく。そして、当時はわからなかったけど、「あのとき、お母さんはどんな気持ちだったのかな?」と改めて考えることも、きっとあるはずです。“タイムスリップ”というとSFのように聞こえますが、そんなふうに誰にでもあり得る話で、多くの方に共感していただけるのではないかと思いました。

-戸田さんご自身も母親ということで、和江に共感する部分もあったのでしょうか。

 礼儀作法については、私も子どもたちに「きちんとしなさい」としつけているので、その点は和江さんに共感しました。ただ、人間的な器は、和江さんの方がずっと大きいと思います。

-和江は、昭和の母親らしい温かさに溢れた女性です。そういう空気感を表現するために心掛けたことはありますか。

 撮影は鳥取県の倉吉市で行われましたが、街並みや自然の風景が当時の面影を残していたので、メークをして衣装を着て、撮影場所に行くだけでスッとあの時代に入っていけるような空気がありました。風も気持ちよく、時間がゆったり流れ、今でも昭和の雰囲気が味わえるので、本当にタイムスリップできそうな気がして。私がしたことと言えば、街の空気になじむため、近所を散歩したくらいです。それくらい、街に力がありました。私よりも早く訪れていた(和江の夫・与志雄役の)滝藤賢一さんは、色々なお店にも顔を出し、すっかり地元の方と仲良くなっていました(笑)。

-映像からも昭和ならではの温かな空気感が伝わってきますが、CGをほとんど使用していないと伺い、驚きました。その点、地元のご協力も大きかったのでしょうか。

 方言も地元の方に教えていただきましたし、町ぐるみで応援してくださいました。体育館をお借りして支度をしたのですが、エキストラも住民の方が引き受けてくださり、皆さん扮装もされていたので、本当にあの時代にいるようで。“つっかけ”を履いて買い物かごを手に買い物に行くような昭和の生活を、皆さんも楽しんでいらっしゃいました。私もそういう当時の文化が好きなので、ほほ笑ましい気持ちで見ていました。

©︎2026 映画「遥かな町へ」BARCOS

  • 戸田菜穂【スタイリスト:大沼こずえ/ヘアメーク:松岡奈央子】 (C)エンタメOVO

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