鹿児島県・与論島(与論町)が持続可能な観光地の国際認証「Green Destinations Silver Award」を受賞
人口約5,000人の小さな離島が世界に認められた、持続可能な観光地づくりの挑戦
鹿児島県最南端の離島・与論島(与論町)は、観光地の持続可能性を評価する国際認証機関 Green Destinations(グリーン・デスティネーションズ) による審査を受け、「Green Destinations Silver Award(シルバー・アワード)」 を受賞しました。
本アワードの受賞は、日本国内で8地域目、九州では初となります。
人口約5,000人の小さな離島である与論島が世界的な評価を受けた背景には、美しい海や景観だけではなく、行政、一般社団法人ヨロン島観光協会、地域住民、観光事業者、そして関係機関が一体となり、「島の自然・文化・暮らしを未来へつなぐ」という共通の理念のもと、世界サステナブルツーリズム協議会(GSTC)の国際基準に基づいた持続可能な観光地づくりを積み重ねてきたことがあります。
■世界が求める「持続可能な観光地」
近年、世界ではオーバーツーリズムや気候変動への対応、地域文化の継承など、観光を取り巻く課題が深刻化しています。
その中で注目されているのが、自然や文化、地域経済を守りながら観光を発展させる「サステナブル・ツーリズム(持続可能な観光)」です。
■ グリーン・デスティネーションズおよび「GDアワード」について
グリーン・デスティネーションズは、世界サステナブルツーリズム協議会(GSTC)が開発した持続可能な国際指標の認定を行う国際認証機関の一つで、オランダに本部を置く非営利団体です。同機関が主宰する「GDアワード」は、持続可能な観光の国際表彰制度です。
「観光地管理」「自然と景観」「環境と気候」「文化と伝統」「社会福祉」「ビジネスとコミュニケーション」の6つの主要テーマ・84項目に及ぶ厳格な基準に基づいて審査されます。
全体の評価基準の達成度合いに応じて「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」の4段階で格付けされます。
与論島は2021年および2023年に「Green Destinations Top100 Stories(世界の持続可能な観光地 TOP100選)」にも選出されています。
今回のシルバー・アワード受賞は、その取り組みが一過性ではなく、地域全体で継続的に観光地を育ててきた成果として、世界から認められたことを意味しています。
■国際的に評価された与論島の取り組み
与論町では、島全体を一つの観光地として捉え、「守ること」と「活かすこと」の両立を目指した観光地域づくりを進めています。
今回の審査では、行政・観光協会・地域住民・観光事業者による協働体制自然環境の保全と観光振興の両立「与論の十五夜踊」をはじめとする文化・伝統の継承来訪者調査や住民アンケートを活用した観光地マネジメント地域資源を活かした持続可能な観光地経営などが総合的に高く評価されました。
総合スコアは10点満点中7.4点を獲得し、自然・景観分野:9.3点文化・伝統分野:9.2点という世界トップクラスの評価を受けています。
美しい景観や観光資源だけではなく、「地域全体で持続可能な未来をつくる仕組み」が国際的に認められた証でもあります。
■島全体で進める持続可能な観光地づくり
与論町では、島の自然・文化・暮らしを未来へ継承しながら、観光を地域の持続的な発展につなげるため、多面的な取り組みを進めています。
具体的には、国指定重要無形民俗文化財「与論の十五夜踊」の継承、幻の砂浜「百合ヶ浜」の自然環境保全、光害の少ない環境を活かした星空保全、来訪者調査・住民アンケートによる観光地マネジメント、GSTC研修による持続可能な観光人材の育成、宿泊施設での「かんたんチェックイン」導入など観光DXの推進などの取り組みを実施しており、こうした一つひとつを地域全体で継続し、改善を重ねていることが与論島の大きな特徴です。
2024年からは、与論町、一般社団法人ヨロン島観光協会、日本航空株式会社(JAL)、日本エアコミューター株式会社(JAC)の4者が連携し、GSTC基準を活用した持続可能な観光地づくりを推進しています。
地域資源の磨き上げ、観光人材の育成、情報発信、観光DXなど、多様な分野で協働することで、地域課題の解決と地域価値の向上を図っています。
この取り組みは、地域と企業がともに未来を創る「地域共創」のモデルとしても注目されています。
■コメント
与論町長 田畑 克夫
「今回の受賞は、町民一人ひとりが自然や文化を大切に守り続けてきた積み重ねが国際的に評価された結果です。今後も地域の皆さまとともに、未来に責任を持つ持続可能な観光地づくりを進め、離島観光の新たな可能性を国内外へ発信してまいります。」
一般社団法人ヨロン島観光協会 会長 川畑 充男
「今回の受賞はゴールではなく、新たなスタートです。地域全体で持続可能な観光地づくりをさらに推進し、小さな島だからこそ実現できる地域共創のモデルを国内外へ発信するとともに、島民一人ひとりが幸せを実感できる観光地を目指してまいります。」
■今後の展望
今回のシルバー・アワード受賞を契機に、与論町ではGSTC基準に基づく観光地マネジメントをさらに深化させ、地域住民、観光事業者、行政、関係機関が一体となった持続可能な観光地域づくりを推進していきます。
豊かな自然環境、美しい星空、貴重な文化遺産、そして島に息づく暮らしを未来へ継承しながら、自然環境の保全と地域経済の発展が調和したサステナブル・ツーリズムを実践し、「訪れる人」「暮らす人」「働く人」のすべてが豊かさを実感できる観光地域づくりを目指します。
さらに、与論島で培った経験や知見を国内外へ広く発信し、小さな離島だからこそ実現できる持続可能な観光地づくりのモデルケースとして、世界に選ばれ続ける島を目指して挑戦を続けてまいります。
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