紀伊國屋書店、4賞合同贈賞式を盛大に開催
村田沙耶香さんによるトークイベントも盛況に終了
2026年3月18日
株式会社紀伊國屋書店
株式会社 紀伊國屋書店(代表取締役会長 高井昌史)はこのたび、スタッフが自信を持っておすすめする30冊の本を選ぶ「キノベス!2026」、児童書・絵本ベスト10を選ぶ「キノベス!キッズ2026」、読者の皆様とともに優れた人文書を選ぶ「紀伊國屋じんぶん大賞2026」、売上額をはじめとして紀伊國屋書店に貢献いただいた著者・出版社を表彰する「紀伊國屋書店ベストセラー大賞」の各賞贈賞式および、『世界99』で「キノベス!2026」第1位に輝いた村田沙耶香さんのトークイベントを2月24日(火)18時半より新宿本店紀伊國屋ホールにて開催いたしました。
■日時 / 場所
2026年2月24日(火) 18:30 ~ 20:20 / 新宿本店4階紀伊國屋ホール
■参加者数
320名(一般参加者220名のほか、招待者および出版関係者などの合計)
■受賞作品・受賞者
・第13回 紀伊國屋書店ベストセラー大賞
<著者部門>吉田修一 / <出版社部門>朝日新聞出版
・紀伊國屋じんぶん大賞2026
大賞『斜め論』松本卓也(筑摩書房)
https://store.kinokuniya.co.jp/event/kinokuniya-jinbun-humanities-awards/
・キノベス!キッズ2026
第1位『ある星の汽車』森洋子(福音館書店)
https://store.kinokuniya.co.jp/event/kino-best-kids-awards/
・キノベス!2026
第1位『世界99』村田沙耶香(集英社)
https://store.kinokuniya.co.jp/event/kinokuniya-best-books-awards/
■協力
博報堂、DRUM UP
■4賞合同贈賞式、村田沙耶香さんトークイベントなど当日の様子はコチラより
https://bit.ly/BooksKinokuniyaChannel
【贈賞式・トークイベント ハイライト】
□開場前・ホワイエの様子
(左)開場を待ちわびる参加者の列。(右)ホワイエにて受賞作品のほか、ランキング入りした本を購入する参加者。
□各賞受賞者の贈賞、選考代表の推薦スピーチ、受賞者スピーチ
(左)代表取締役会長の高井昌史より、ベストセラー大賞出版社部門の贈賞を受ける朝日新聞出版代表取締役社長の圓満亮太様。(中)スピーチを行う圓満様。(右)ベストセラー大賞著者部門を受賞した吉田修一様のメッセージを代読する朝日新聞出版書籍編集部・文芸編集委員の池谷真吾様。
(左)「紀伊國屋じんぶん大賞」選考代表として推薦理由を語る東京営業本部木村颯。(中)フランスに滞在中で出席が叶わなかった松本卓也様に代わりトロフィーを受け取る筑摩書房編集部の柴山浩紀様。(右)ビデオメッセージにて喜びの言葉を述べる松本様。
(左)「キノベス!キッズ」選考代表として、受賞作『ある星の汽車』の魅力を語る新宿本店の都野佳乃。(中)トロフィーを受け取る森洋子様。(右)受賞スピーチにて制作秘話を語る森様。
(左)「キノベス!」選考代表としてスピーチを行うイトーヨーカドー木場店の宮澤紗恵子。(中)受賞スピーチにて感謝の言葉を述べる村田沙耶香様。(右)控室でポスターにサインを行う村田様。
□受賞スピーチ
森洋子様
この度は『ある星の汽車』をキノベス!キッズ第1位にお選びいただきまして大変光栄です。このような華々しいところに立たせていただくのは初めてで、人生には思いがけないことが起きると不思議な気持ちです。
40歳の後半まで世間にほとんど出ることなく作品を描き続けていました。初めて私の絵本が本屋さんに並んだのが48歳のときで、そのとき芽が出たとすれば、それから20年弱、ご縁をいただきました編集者さん、読者の皆様にその芽を育てていただきました。そしてこの度、書店員の皆さまにキノベス!キッズ第1位に選んでいただいて、新たにたくさんの読者の皆様とのご縁をいただきました。本当にありがとうございました。
『ある星の汽車』の制作では、動物学者の今泉忠明先生、山階鳥類研究所の油田照秋先生にお尋ねしながら動物の生態を調べました。この星に生息する動物たちは、知られざる能力を発揮してその人生を精一杯生きる存在であることを知りました。本作品に登場するアホウドリは、巣立つと繁殖年齢に達するまでの数年間は上陸しません。その後も繁殖期間以外の一生のほとんどを海上で暮らします。滑空飛行で北太平洋の空を3,000キロも移動する雄大なスケールの生き物です。そのような動物たちの絶滅の原因が人類であることも思い知りました。
この作品で、地球上の動物の絶滅を遠いどこかで起きていることではなく、同じ汽車で旅する隣人の下車になぞらえて表現しました。ずっと一緒にいると思っていた隣人の席が永遠の不在になります。その誰も座っていない空虚な座席を描きたいと思いました。
そしてこの本を描いてみて、人類と動物は「保護する側」「保護される側」と両者を分けて考えてはもういられない、私たちだってこの星のひとつの種に他ならないことに、私自身が気付かされました。これらのことをたくさんの方に共感していただければありがたいです。
本日はありがとうございました。
村田沙耶香様
この度はキノベス!1位という、自分ではあまり想像していなかったような賞をいただき、とても感激しています。ありがとうございます。
この本は書いている間、キノベスの受賞コメントにも書いたように、「食べた人が、人によっては苦しんで倒れるような、あまり美味しくない、食べて苦しくなってしまうような毒キノコを、すごく一生懸命育てているんだ」という風にずっと自分で思っていました。1、2年で終わるはずだった連載が3年7カ月になった時も、仲のいい小説家の朝吹真理子さんが「これは奇書だから自由に書いていいんだよ、沙耶香氏」と言ってくださって。それで、「自分は今、奇書を書いているんだ。変な本を書いていて誰も読まないかもしれないけれど、この本をこの世に存在させられるといいな」と思って書いていました。
実際に出来上がったものは信じられないくらい分厚い本で、中ゲラを読み返して自分でも「うっ」と苦しくなるような場面がいっぱいある小説です。本当に毒キノコのような本を生んでしまったけれど、そこに寄り添ってくださった編集者さんがいて、これが本当に出版できて良かったなと思いました。ですから、出版できただけでなく、書店員さんがその小説を読んでくださって、そしてまさか選んでいただくということを全く想像していなかったので、とても嬉しいです。
つい最近書いた短編小説に、おばあさんが「小説臓」という、小説を消化するための臓器を手術で摘出するという話があります。それを書きながら、私にも実際には「小説臓」という小説を吸収するための臓器があるような気が、ずっと小さい頃からしていて。それは使う・使わないに限らず、すべての人間の体内に実はあるというイメージを、自分は強く持っているのだなと思いました。
自分が書いた『世界99』という小説は、すごく消化が悪い。小説臓からひょっとしたら逆流して吐いてしまう人もいるような、消化が悪く溶けにくい、小説臓ではなかなか溶かせない小説だなと、やはり短編小説を年末に書きながら思っていました。ですから、書店員さんや読者さんが、それぞれの小説臓でこの本を読んで、吸収して、溶かして感じてくださったこと、それ自体にすごく感銘を受けています。
今もまた新しい小説を書いていて、それもそこそこグロテスクというか、本当は書きたくないような、自分の本質が揺るがされる危険な状態に陥るようなものを書いていますが、みなさんが読んで溶かしてくださった『世界99』を、「毒キノコをもっとひどい毒キノコにしても大丈夫」という風に自分を励まして書きたいなと思っています。
本当にありがとうございました。
□村田沙耶香さんトークイベント
第二部ではライターとして活躍する瀧井朝世さんを迎え、村田沙耶香さんとのトークイベントを開催。
リリースに関するお問い合わせ先:株式会社 紀伊國屋書店 総務人事部 広報担当 info@kinokuniya.co.jp



















































