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地域らしさを大切に、”つながり”にアクセスできる場 積水ハウスの“「新しい居場所」をつくる”取り組み

2026年3月2日
積水ハウス株式会社

積水ハウス株式会社は積水ハウスの様々な事業を紹介する「積水ハウス ストーリー」を公開しました。

 

 

 

多様な関係性を育むユニバーサルな取り組みが、

「IAUD国際デザイン賞2025」にて、大賞を単独受賞

 

この度、積水ハウスの“「新しい居場所」をつくる”取り組みが、「IAUD国際デザイン賞2025」で大賞を単独受賞しました。IAUD国際デザイン賞とは、ユニバーサルデザインを評価する国際的なアワードで、今回の受賞には積水ハウスの3つの取り組みが含まれています。ひとつは、樹齢300年を超えるケヤキの木をシンボルに、障がい者グループホームやカフェ、レストラン、陶芸教室、ギャラリー、住まいが共存する「台の森」(宮城県仙台市)。もうひとつは東日本大震災後、被災者が多く移り住んだ土地でつながりを感じられる場をと生まれた「ノキシタ」(宮城県仙台市)。そして、有田市と産院と積水ハウスが共創し、地域の分娩機能消滅の危機を乗り越え誕生した「ファミール産院ありだ」(和歌山県有田市)です。

 

写真左から「台の森」「ノキシタ」「ファミール産院ありだ」

 

 

都市化の問題や少子高齢化を背景に核家族化が進む現代社会では、子育て世代や高齢者の孤立が課題となっています。団塊の世代が75歳以上となり後期高齢者の割合が著しく増加した2025年問題や、高齢の親と無職独身の50代の子が同居する8050問題などは、医療や福祉も絡む複雑な問題となっています。

 

積水ハウスの“「新しい居場所」をつくる”取り組みは、ユニバーサルデザインを単に建築物の工夫に留めず、場の使い方やコミュニティの組成まで視野を広げた提案です。目指す先にあるのは、“「わが家」を世界一幸せな場所にする“というグローバルビジョンにもつながる「幸せ」な地域共生社会の実現。その姿勢や取り組みが、今回の受賞につながりました。

 

今回のストーリーでは、この3つのプロジェクトに関わった、積水ハウス地方創生戦略部の佐藤に“「新しい居場所」をつくる”取り組みについて話を聞きました。自治体が抱える課題解決のみならず、多くの方が直面する、相続継承問題や空き家問題に役立てられるヒントとしても。ぜひご覧ください。

 

”建てるだけ”で終わらない。

緩やかなつながりが多様な課題を解決

 

「私たちの考える「新しい居場所」とは、多様な人々が緩やかにつながる“つどいの場”です。利用者を限定せず、地域に開かれたオープンな空間で、新しい出会いがあり、自由につながっていく。“社会性を育む場”といっても堅苦しいものではなく、思い立ったらふらっと立ち寄れて会話が生まれる、そんな場所です。」

 

数々の地方創生プロジェクトを手がけてきた、地方創生戦略部の佐藤

 

 

「子育て世代や高齢者、障がいのある方とその家族など、支援が必要な人ほど孤立しやすい状況は、全国で多くの自治体が直面する課題です。また、コロナ禍によるリアルな交流の分断やテクノロジーの恩恵を享受する裏で人々のつながりは希薄化してきてしまいましたが、人々のつながりによって問題が解決してきた面も多くあると思っています。“「新しい居場所」づくり”は子育てや福祉などの課題解決と、つながりを醸成します。」

 

「例えば「ノキシタ」は、障がい者グループホームとショートステイ、就労支援カフェとコレクティブスペース、保育園がある複合拠点です。敷地の真ん中には小高い山があり、園児たちが遊ぶ横でお年寄りが温かく見守り、障がい者が働くカフェでは小さなお子さん連れのママたちがおしゃべりを楽しんでいます。つながりを求める人たちの居心地の良い場所としてだけでなく、子育ての悩みを人生の先輩に相談したり、お年寄りにとっては日々の潤いになったり。人が集まることで、地域の活性化にもつながっています。」

 

築山を囲うように4つの施設を配置。視線が遮られる事で、人目が気にならず、リラックスした時間が過ごせる

 

 

地域の問題は今や行政だけで対応することが難しくなっています。産官学連携で、分娩機能消滅の危機を脱した有田市の事例は、その成功例といえます。有田市と積水ハウスの一担当からスタートした、子どもを産み育てる場づくりの話が、別の地にあった産院を巻き込み、民間提案のプロジェクトへ発展していきました。完成後は、近畿大学の学生によるママや子どもの居場所づくりをはじめ、NPO遊び研究所と共創によるワークショップの開催など、その輪は大きく広がっています。

 

 

 

「地域創生は一過性でなく、持続させる必要があります。そのため、携わった案件はいずれも、建てた後のつながりも含め設計しています。有田市における大学やNPOとの連携は、積水ハウスのESGの取り組みであるマッチングプログラムと連携することで実現し、近畿大学アカデミックシアター主催の「つながる育フェス」や、あそび大学らNPOとの共創のワークショップでは、出産の先にある地域での子育てについて、未来を見すえた意見交換会なども行われ、行政への提言につながりました。有田市では2024年の産院の設立後、2026年1月末までに300人以上の赤ちゃんが誕生しました。それまで年間約50人だった出生数から大きな前進です。生まれた赤ちゃんと母親同士のつながり支援も産院を中心にはじまっています。新しい居場所は地域とともに成長していくのです。」

 

“「新しい居場所」をつくる”取り組みを全国の自治体へ。

オープンソース化し、地域創生に貢献。

 

3つのプロジェクトを通じ実践してきた具体的な手法や工夫を、全国の自治体で役立ててもらいたいと、1冊のコミュニケーションツールを完成させた佐藤を含む地方創生戦略部のプロジェクトメンバー。新しい居場所づくりを支えるプロセスを、3つのフェーズに分けて紹介し全国の自治体へ届ける予定です。地域との対話の重要性や、空間や時間、関わる人や情報がオープンであることの必要性、多目的で多様な人たちが集える場づくり、ルールに縛られない運用方法など、さまざまなヒントが散りばめられています。

 

■コミュニケーションツールより一部抜粋

 

 

共創のコミュニティづくりの始まりとして「共有する」というキーワードからイメージを広げ展開させる

 

(居場所が)生まれることで、(関係性が)育まれ、(施設・地域が)自走していく

 

「新しい居場所」は地域の持つ課題を“つながり”によって段階的に解決に導く

 

 

地方創生戦略部メンバーで、このコミュニケーションツールの制作に携わり、上記のフロー図をまとめた井坂はこのように話します。

「地域の中には、困り事があっても相談先や居場所がなく、抱え込んで孤立してしまう方が多いと感じています。職員の皆さまも地域課題を何とか解決したい思いがありながら、自治体だけでは限界があることに悩まれています。私自身も共働きで子育てをする中で心細さを感じることがあり、官と民が連携する居場所づくりで、みんなが少しずつ楽になれる社会をつくることの必要性を実感しています。 その実現には、ニーズを丁寧に深掘りし、目指すビジョンを共有することが欠かせません。自治体折衝や現場での伴走を通じて、対話を助けるツールの必要性を感じてきました。今回のツール制作には、立場や年齢、背景の異なる人が、自分ごととして会話のきっかけを見つけられるものにしたい、という思いで取り組みました。」

 

“「新しい居場所」をつくる”取り組みのコミュニケーションツールの作成に携わった地方創生戦略部メンバー

 

 

「ただし、仕組み化できない部分もあります。風土や文化といった、地域ならではの独自性です。地域の人たちが使いたくなる場所かつ、主体的に関わりたくなる場所をつくる上で、欠かせない要素になります。またそれは、人々の愛着を生み、持続可能な地域を導く大きな力になります。」

 

 

 

代々受け継いできた屋敷林などの豊かな資源を継承したいという、一人の女性の思いから始まった台の森プロジェクト

 

 

「単なる地域の課題解決は、マイナスだったものを0に戻す作業。私たちが目指すのは、それを1や2に変えること。そのために何ができるかを考え、新しい価値を創造し、地域を未来に継承していきたい。またこのノウハウは地域だけでなく、例えば相続にまつわる土地の活用や事業の継承、空き家対策など個人の問題にも活かせる仕組みだと考えています。古き良きものをいかに未来につなぐか。みなさんと一緒に考え解決していきたいです。」

 

地方創生戦略部長の友金はこの取り組みの今後についてこのように話しました。

「本取り組みは、地域課題や利用者との対話を踏まえ、建物の工夫から、地域の方々の交流を促す仕組みづくりまで行っていることが特徴です。今回、私たちが実践してきたプロセスや考え方を整理し、IAUD国際デザイン賞を受賞したことで、この取り組みが社会的にも評価されたと受けとめております。今後は、全国の自治体や地域に関わる方々とこの考え方を共有し、取り組みを推進しながら、それぞれの地域らしい「新しい居場所」が生まれることを目指してまいります。」

 

地域創生の仕組みを共有し、循環する地域を全国へ。

神戸大学國部克彦教授から頂いたメッセージ

 

現代社会における課題は様々ありますが、中でも地域創生は、多くの自治体が頭を悩ます重要な課題です。地域創生とはつまり、地域で資源が“循環する”ということ。課題解決に向けて特別な施策をと、行政が大規模な予算を投入する話はよくありますが、その場限りになりがちです。その点、積水ハウスの“「新しい居場所」をつくる”取り組みは、地域の自走と、継続する仕組み、そこに暮らす人々の地域の巻き込みまで設計されている点が高く評価できます。また、このような取り組みは、関心を持ってくれる人を増やすことも重要ですが、今回のIAUD国際デザイン賞の受賞は社会的評価に加え、世の中への発信にもなり、今後、取り組みを推進する上で大きな力になるはずです。人口流出による地域の衰退や出生数の減少といった課題を抱える自治体は、全国に数多くあります。この仕組みに関するノウハウの共有は、自治体や地域創生に関わる人々にとってもメリットになりますし、なにより、積水ハウスが持つさまざまなリソースの活用の可能性を広げてくれるでしょう。今後の更なる取り組みを期待しています。

 

神戸大学大学院経営学研究科長・経営学部長

國部克彦 教授

 

関連リリースはこちら

https://www.sekisuihouse.co.jp/company/topics/topics_2026/20260302/

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