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約70%が「設置から10年で交換」を知らず、「まだ動くから大丈夫」 住宅用火災警報器に関する実態調査を公表、「過信が住宅防災の死角に」

 火災の早期発見につながる「住宅用火災警報器」(以下、住警器)。2006年に新築住宅を対象として設置義務化がスタートし、その後すべての住宅へと対象が拡大された。設置義務化から約20年が経過した現在、多くの住宅で電池切れや経年劣化による故障が発生しやすい時期に入っている。

 総務省消防庁は、住警器について、定期的に作動確認を行うとともに、設置後10年を目安に本体を交換することを推奨している。一般社団法人日本火災報知機工業会(東京)もこの方針を踏まえ、定期点検と10年をめどとした本体交換を呼びかけている。このほど、2025年6月~7月にかけて同社が行った「住宅用火災警報器に関する実態調査」の結果を公開した。

 調査は、2025年6月20日~7月14日に実施。対象は、2006年4月~2014年3月の8年間に建てられた新築戸建住宅在住者で住警器設置個数が1個以上の計880人(住警器5016台)で、アンケート書面を郵送して行った。

■7割が設置義務は知っていても、交換の目安は知らない

 まず、住警器について、寝室や階段等への設置義務を「知っていた」と答えた人は全体の65.0%。一方で、「設置後10年を目安に交換する」という推奨については、71.1%が知らなかった。「設置しなければならない」という認識は広がっている一方で、「設置後10年を目安に交換する」という認識までは十分に浸透していないようだ

 次に、「設置後10年を目安に交換すること」が推奨されていることを知った後、すぐに交換しようと思うかという問いに対し、「早めに交換しようと思う」と答えた割合は、18.3%にとどまった。この問いに、「そのうち交換しようと思う」「交換しようとは思わない」と回答した人(81.5%)たちに“早めに交換しない理由”を尋ねると、69.5%が「まだ正常に作動していると思うから」と答えた。約7割が、点検を行わないまま「動いているはず」「大丈夫だろう」という自己判断で交換を先送りしている可能性がある。一方で、交換の必要性を感じているにもかかわらず、「自分では取り外し・取り付けができない」(9.5%)、「購入先が分からない」(6.1%)といった作業面や情報面のハードルによって行動に移しにくい層が一定数存在していることも推測された。

■自分での点検方法は簡単、でも定着せず

 住警器が正常に作動するかどうかは、本体に付いているボタンを押す、または、ひもを引くことで確認することができる。この点検方法について「知っている」と回答した人は32.6%にとどまった。さらに、点検方法を知っている人の中でも、定期的に点検している人は18.1%と2割に満たず、52.6%が「設置後に数回程度」と答えた。点検方法を知っていても、作動確認が日常的な行動として定着していないようだ。

 また、住警器が、火災時だけでなく、電池切れや故障といった異常が起きた場合にも鳴ることについては、72.6%が「知らなかった」と回答。警報音の意味が十分に理解されていない様子も明らかになった。警報音は「誤作動」や「雑音」ではなく、「異常を知らせるサイン」であり、警報音が鳴った際に、その意味を正しく理解できなければ、電池切れや故障といった異常が見過ごされ、必要な対応が取られないまま使用が続けられると、同工業会は警鐘を鳴らす。

■正常に作動するかが生死を分けるケースも

 同工業会によると、住警器は、設置からの年数が経過するほど、「電池切れ」「故障」「鳴動しない」といった非正常状態の割合が高まる傾向があるという。外観から劣化や異常が分かりにくいため、異常に気づかないまま使用され続けているケースもあると考えられ、万一の際に警報音が鳴らない恐れがある。

 今回の調査結果を受けて、同工業会は、住警器の設置後の「点検」や「交換」といった行動が十分に浸透していない実態を重く受け止めている。「設置後10年を目安に交換する」という推奨を知らない人が多く、知っていても「まだ動いていると思うから」と交換を先送りしている人が多数。点検方法の認知や点検頻度も低く、点検が生活習慣として定着していない。

 令和7年版「消防白書」では、令和2~5年までの4年間の分析結果として、住警器を設置していた場合、住宅火災100件当たりの死者数・損害額ともに50%に半減できると報告されている。同工業会は、住警器が正常に作動するかが生死を分けるケースもあると指摘。今後も、消防機関等が実施する啓発活動への積極的な支援をはじめ、公式ホームページやSNS、広告などを通じて、点検・交換の必要性について強く訴えていくとしている。

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