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中学生が化粧品アイデア発表 コーセーが山脇学園に協力

 化粧品大手コーセーの本社(東京都中央区)で1月27日、データサイエンス教育に力を入れている女子中高一貫校・山脇学園(東京都港区)の中学3年生28人が、化粧品に関するデータを使用して考えた化粧品のアイデアを、コーセーの役員や社員の前で発表した。

 コーセーは2025年7~12月、同学園が中学3年生280人に行うデータサイエンスの基礎などを教える授業(探求基礎)に協力。統計科学や人工知能(AI)、データ解析の専門知識を身に付けたコーセーの研究員らが、授業用に開発したアプリを提供して、データサイエンスを用いた化粧品開発の面白さを分かりやすく伝える授業を計10回行った。    

 授業は、例えば商品名を伏せた化粧水や乳液に触れて生徒が感じた「手触り感」(滑らかさやしっとり感、みずみずしさ、浸透感など)を数値化して化粧品それぞれの特長=“個性”をはっきりさせたり、その異なる個性を持つ化粧品をそれぞれどんなタイプの人が使いたいと思うかなどを考えさせたりする内容だったという。

特別賞・データサイエンス賞を受賞した商品案「滅」の特長を説明する生徒=東京都中央区のコーセー本社、2026年1月27日

 

 授業の“総仕上げ”として、生徒たちに、複数人のグループに分かれて「感性とデータから、みんなにぴったりの化粧品」を考案する課題を与え、それぞれのグループが想定する消費者に好まれそうな化粧品を開発して市場に送り出す実際のビジネスの過程を模擬体験してもらった。

特別賞・コーセーPR賞の賞品を生徒に手渡すコーセーの小椋敦子取締役(右)

 

 生徒は授業で分析した化粧品の手触り感のデータや、山脇学園生徒のライフスタイルに関するアンケート結果などのデータを分析したり、AIを活用したりして、考案商品の名称、特長、想定利用者、パッケージ、販促用のキャッチコピーなど、実際の新商品開発の際に必要となる基本コンセプトを一通り考えた化粧品案を学内で発表した。

データサイエンス授業の学習成果を披露する生徒

 

 コーセー本社で発表した28人はクラス代表として選抜された7チームのメンバー。コーセーの小椋敦子取締役や顔写真から未来のしわレベルを予測する統計モデルを開発した中村理恵主任研究員らコーセーの社員に、パッケージ案を画像で紹介するなど、各商品アイデアの重要ポイントを3分間の短い時間でプレゼンした。

 プレゼンでは「たくさん寝たいけど身だしなみもちゃんとしたい人々」に勧める化粧水案「滅」(キャッチコピー“まじ潤いすぎて、乾燥滅”)や「体育会系やインドア派、スマホ多用者」向けに考えた顔の汚れをふき取る洗顔と肌を潤す保湿の機能を兼ね備えた2層シート型の化粧品「うるおいエール」(キャッチコピー“努力の証しは肌荒れじゃない~OFFのあなたに、うるおいエール”)など中学生らしい自由な発想のアイデアが披露された。審査の結果、7チームのうち特に優れた発表をした2チームに特別賞(データサイエンス賞、コーセーPR賞)が贈られた。

 質疑応答ではコーセー社員から「パッケージ案などをAIに考えてもらう際、AIにどのような指示を出しましたか」、「皆さんのお母さんの世代などにもその化粧品を使ってもらう場合、どのような言葉で勧めすますか」などの質問があった。

 プレゼンを終えた生徒の1人は「商品を販売するマーケティングにもともと興味があったので、とても楽しい授業でした。商品開発におけるデータの重要性も分かりました」と語った。

コーセー社員(右)の質問に答える生徒

 

 生徒のプレゼン前にあいさつして計10回の授業を振り返った中村理恵主任研究員は「皆さんはAIネイティブですね。

 AIを最大限活用して今日のプレゼンの準備をしてくれたと思います。昨年7月の授業で私はデータサイエンスが好きで、データを見ると“宝”を探したくなると言いました。皆さんが授業を通じて何かしら宝のようなものを見つけてくれたらとてもうれしいです」と話した。

休憩中、展示化粧品を見て会話する生徒

 

 プレゼンの感想を述べた小椋敦子取締役は「皆さんの素直なニーズと思いを取り入れた素晴らしい提案がなされ、われわれが商品開発に生かしたくなるような発想もありました」と発表した生徒をたたえた。

 また「コーセーの研究所の研究員の半数は女性ですが、日本全体では理系の分野に進む女性は諸外国に比べて少ないと言われています。今回の授業で皆さんは論理的な思考でデータを扱い商品企画するデータサイエンスの楽しさを体感したと思います。将来理系の分野に進まなくてもデータサイエンスの考え方はいろんな分野で役立つスキルです。これからもいろいろなことに関心を持って多くのスキルを身に付けてください」とエールを送った。

 山脇学園中学校・高校は、「将来の国際的な科学技術人材」を育成するため、先進的な理数系教育を推進する「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」校に文部科学省から指定されている。

マイクを次の人に手渡しながらプレゼンでそれぞれの担当部分を発表する生徒

 

 一方、コーセーは東京エレクトロンデバイス(東京都渋谷区)と共同開発した高速プロジェクションマッピングを使い一瞬でメイク体験ができるメイクシミュレーション技術を、世界最大級のテクノロジー見本市「CES 2025」(米ラスベガス)に出展するなど最新デジタル技術を積極的に活用する化粧品会社として知られており、今回のデータサイエンス授業は、山脇学園側から協力依頼があり、実現したという。

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