EOY 2025 Japan: 日本代表は、くら寿司株式会社 代表取締役社長 田中 邦彦氏に決定
EY Japanは、アントレプレナー表彰制度「EYアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー 2025 ジャパン(以下、EOY 2025 Japan)」のアワードセレモニーを、12月9日(火)にザ・リッツ・カールトン東京にて開催しました。選考の結果、くら寿司株式会社 代表取締役社長 田中 邦彦 (たなか くにひこ)氏を、2025年度の日本代表として選出したことをお知らせします。田中 邦彦氏は、日本代表として2026年5月(予定)にモナコ公国で行われるEYワールド・アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー2026に参加します。
田中 邦彦氏 プロフィール
1951年、岡山県総社市生まれ。くら寿司代表取締役社長。桃山学院大卒。タマノイ酢退社後の77年、堺市で寿司店を開業。84年、回転寿司業界に参入。95年、くらコーポレーションを設立(2019年に「くら寿司」に商号変更)
株式会社くら寿司について
くら寿司では、お客様の健康を優先し、すべての食材において化学調味料・人工甘味料・合成着色料・人工保存料を使用せず、お客様の安心・安全を第一に考えた商品提供にこだわり、日本、米国、台湾において「くら寿司」を展開しています。
選考委員長 藤森 義明 氏による総評
「12名の候補者の生きざま、パーパス、ビジョン、そして日本や社会をより良くしたいという強い思いが、審査員一同に深く伝わりました。
今年は、『マスター&ファミリービジネスリーダー部門』という新しいカテゴリーが加わりました。ファミリービジネスには、他の事業形態では起こり得ない独自の挑戦があります。例えば、突然の世代交代など困難である一方、新しい視点を生み、地域から全国、そして世界へと広がる強い意志を育みます。今年は特にこういったファミリービジネスの力が、日本の産業に新しい可能性をもたらしていることを改めて実感しました。
そして、私たちが長年抱いてきた願いがあります。それは、日本からEYワールド・アントレプレナー・オブ・ザ・イヤーを生み出すことです。歴代の日本代表の皆さんはどなたも世界に誇れる存在でした。しかし、これまで25年間、残念ながら世界1位を獲得した起業家はいません。今年こそは、ぜひ世界一を勝ち取ってほしいという強い願いで日本代表を選出しました。挑戦を続けるすべての起業家が、日本から世界へと飛躍する未来を楽しみにしています」
EOY 2025 Japan 各賞受賞者
2025年度 日本代表/マスター&ファミリービジネスリーダー部門大賞
田中 邦彦 氏/くら寿司株式会社 代表取締役社長
田中 邦彦 氏 受賞コメント
「私は、企業経営で最も大切なのは『コンセプト』だと考えます。私たちの原点は、日本の食文化を守り、自然で安全な食事を提供すること。化学調味料や人工保存料等を使わず、誠実なものづくりを続けてきました。
日本には、恥を知り、良心に従う文化があります。企業は利益だけを追求するのではなく、社会に誇れる価値を生み出すべきです。私は新商品を出す際、必ず自分で味を確かめます。それはお客様への誠実さであり、見えないところを大切にする姿勢です。こうした理念を世界に発信し、日本の文化を知っていただきたいと願っています。
歴史に学び、真のリーダーとして『為すべきことを為す』覚悟で挑戦を続けます。これからも良心に恥じない仕事を通じて、日本の価値を世界に届けることを私たちの使命として、まい進してまいります」
2025年度 エクセプショナル・グロース部門大賞
上野山 勝也 氏/株式会社PKSHA Technology 代表取締役
上野山 勝也 氏 受賞コメント
「私たちが社内でよく議論するテーマに『未来から見たとき、今は何が壊れているのか』という問いがあります。現代における大きな課題の一つは、ソーシャルメディア上での摩擦などに代表される、遠隔でのコミュニケーションの不具合です。こうした課題に対し、AIは大きな可能性を秘めています。言葉を話すソフトウェアの登場により、人と人をつなぎ、遠く離れた者同士が協働できる未来が開けつつあります。私たちが提唱する『コネクティブAI』は、まさにその可能性を体現するものです。
創業時には想像もしなかった未来を、今こうして語れることを誇りに思います。これまで支えてくださったすべての方々に、心より御礼申し上げます」
2025年度 リージョナル・バイタライゼーション・リーダー部門大賞
今村 健二 氏/株式会社オーレックホールディングス 代表取締役社長
今村 健二 氏 受賞コメント
「私たちは、従来困難だった草刈りを機械化し、安全・安心な農作物の生産を実現してきました。特に中山間地域での作業効率化により、高齢化が進む農業現場の課題解決に貢献しています。
今後は、農林水産省が掲げる『みどりの食料システム戦略』に沿い、有機農業の拡大に貢献するため、化学農薬に頼らない除草技術や有機農業向けの専用機械開発を進めています。官主導だけでは難しい現場の課題を、長年培った技術力と地域との連携により解決し、持続可能な農業の実現に向けて努力を続けてまいります。
地域から生まれた技術を全国、そして世界へ発信することで、日本の農業技術の優位性を示し、今回の受賞を励みに、農業に携わる皆様に喜んでいただける仕事を続けていきたいと考えています」
2025年度 選考委員 特別賞
垣内 俊哉 氏/株式会社ミライロ 代表取締役社長
垣内 俊哉 氏 受賞コメント
「選考委員特別賞を頂き、大変光栄に思います。かつて、私と同じ障害があった先祖は、外へ出て学ぶことも、働くこともできませんでした。しかし、今は違います。私は学校へ行くことができました。そして今、働くこともできています。私たちはこれからも、この社会の流れを加速し、障害のある当事者の視点から、『障がい者とその家族が、今日を楽しみ、明日を期待できる世界』をビジネスの力で実現してまいります」
補足:表彰カテゴリーについて
対象となるアントレプレナー像
・社会に対して革新的な価値をもたらしたすべての事業家
・創業者
・代々続くファミリービジネス(同族経営企業)で経営に革新をもたらした事業家
・革新的な経営で成果を挙げた事業家
・日本で起業した外国人事業家
マスター&ファミリービジネスリーダー 部門
※2025年よりマスター・アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー部門から名称変更
業界や市場を代表する存在で、社会に長期的価値をもたらし、全てのアントレプレナーのロールモデルとなる存在。海外で企業活動を展開し、グローバルな影響力を有し、ビジネスモデルの競争優位性・技術力・マーケティング力が国内外で注目されている。また先代から事業を引き継いだ後継者が業態転換や新事業を起こし、さらなる事業拡大を実現しているアントレプレナー。
エクセプショナル・グロース 部門
事業を成功に導き、注目度が高まっている、あるいは注目され、後進のアントレプレナーのロールモデルとなる存在。海外で一定の影響力を有し、革新的な技術やビジネスモデルによって事業を展開し成果を挙げている、あるいは今後さらなる成長が期待されるアントレプレナー。
リージョナル・バイタライゼーション・リーダー 部門
地域での実績を挙げ、さまざまな貢献をもたらし、地域発の新たな価値、唯一無二の価値などを創出し、日本や世界へ影響を及ぼしている存在。伝統とイノベーションの融合により、日本や世界に誇れる技術力やビジネスモデルを有し、持続可能な経営を実現している。地域に雇用を生み出し、コミュニティと共に成長を続けることで長期的価値をもたらし、地域社会を創っている。
補足:選考基準について
書類選考を経て、日本代表選考委員による選考インタビューが行われた後、最終決定がなされます。選考の際に特に重視される点は以下の項目です。
Long-term Value (長期的価値)を追求し、実現していること
1. Entrepreneurial spirit(アントレプレナー精神)
・より良い社会を創造するチャンスを見極めることができる
・ビジョンを実現するためにリスクを取っている
・大きな障害や困難を乗り越えるための勇気、不屈の精神、立ち直る力を持っている
2. Purpose(パーパス)
・パーパスとビジョンのために、自らと組織が全力を注いでいる
・持続可能な将来のビジネス戦略を推進している
・ステークホルダーやエコシステム(消費者、従業員、サプライヤー、政府、コミュニティ、投資家、株主など)の全体にわたる長期的な価値を創造し、保護している
3. Growth(成長)
・市場シェアを拡大し、新市場に進出している
・高い業績を上げている
・多様な人材を集め、育成し、保持するために投資をしている
・新しい手法や技術の先駆者となるようなイノベーションを生み出す組織風土を構築している
4. Impact(影響力)
・サービスを提供するクライアントに良い影響を及ぼしている
・強固なコミットメントや具体的な戦略に基づき、持続可能な環境・社会・ガバナンス(ESG)を実践している
・多角的な視点を持って、ダイバーシティ、エクイティ&インクルーシブネス(DE&I)を積極的に推し進めている
選考委員
選考委員長
・藤森 義明 氏
CVCキャピタルパートナーズ日本法人 最高顧問
武田薬品工業株式会社 社外取締役/ボストン・サイエンティフィックコーポレーション 社外取締役
日本オラクル株式会社 取締役会長
選考委員(氏名50音順)
・石井 芳明 氏
独立行政法人 中小企業基盤整備機構 創業・スタートアップ支援部長
・各務 茂夫 氏
開志専門職大学 学長
東京大学 特命教授 名誉教授
一般社団法人日本ベンチャー学会 前会長
・河野 貴輝 氏
株式会社ティーケーピー 代表取締役社長
EYアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー 2017 ジャパン 日本代表
・高岡 本州 氏
株式会社エアウィーヴ 代表取締役会長 兼 社長
EYアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー 2016 ジャパン 日本代表
EY World Entrepreneur Of The Year 2025 世界大会審査員
・谷本 有香 氏
Forbes JAPAN 執行役員 Web編集長
・福嶋 路 氏
東北大学 大学院経済学研究科 教授
一般社団法人 日本ベンチャー学会 会長
・渡辺 洋行 氏
B Dash Ventures 株式会社 代表取締役社長
EYについて
EYは、クライアント、EYのメンバー、社会、そして地球のために新たな価値を創出するとともに、資本市場における信頼を確立していくことで、より良い社会の構築を目指しています。 データ、AI、および先進テクノロジーの活用により、EYのチームはクライアントが確信を持って未来を形づくるための支援を行い、現在、そして未来における喫緊の課題への解決策を導き出します。 EYのチームの活動領域は、アシュアランス、コンサルティング、税務、ストラテジー、トランザクションの全領域にわたります。蓄積した業界の知見やグローバルに連携したさまざまな分野にわたるネットワーク、多様なエコシステムパートナーに支えられ、150以上の国と地域でサービスを提供しています。
All in to shape the future with confidence.
EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。EYによる個人情報の取得・利用の方法や、データ保護に関する法令により個人情報の主体が有する権利については、ey.com/privacy をご確認ください。EYのメンバーファームは、現地の法令により禁止されている場合、法務サービスを提供することはありません。EYについて詳しくは、ey.com をご覧ください。
EY アントレプレナー・オブ・ザ・イヤーとは
EY アントレプレナー・オブ・ザ・イヤーは、より良い社会の構築を目指し、目標に向かってまい進するアントレプレナーの努力と成功をたたえる国際的な表彰制度です。EYはこの活動を通じ、世界約80カ国の国や地域を代表する素晴らしいアントレプレナーの素顔とその功績を国内外に発信し続け、現在、世界で名誉あるビジネスアワードとして認知されています。日本では2001年より、EYアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー・ジャパンを開始し、今年で25年目を迎えます。これまでに約300名にものぼる素晴らしいアントレプレナーを多数紹介・表彰し、世界へ飛躍するための活動を奨励しています。本プログラムを通じて、アントレプレナーの支援、次世代のアントレプレナーの輩出、歴代受賞者のコミュニティ構築やアントレプレナー同士の交流の促進等、新たな価値の創出のためのサポートを推進してまいります。
EOY Japan に関するお問い合わせ
EY アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー運営事務局
https://www.ey.com/ja_jp/entrepreneur-of-the-year-japan
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