『国宝』と大福 【馬場典子 コラムNEWS箸休め】
放送が7時間以上におよぶ箱根駅伝。その中継車に乗るアナウンサーの中には、オムツをはいて臨む人がいます。オムツが必要というよりは、万が一の時のお守りのような感覚で、水分を摂(と)りすぎないようにしたり、朝からコーヒーを控えたりと、工夫しています。
アパレル会社に勤める友人も、先日トイレ問題に直面したそうですが、オムツとはまた違う、でも同じく驚きの方法で乗り切っていました。この酷暑で水分を摂らないわけにはいかない中、撮影の終わりは見えない。そこで彼女がとったトイレ対策とはなんと、「大福を食べること」。結果、7時間もの撮影を無事に乗り切れたそう。
「え?大福を食べただけで??」と驚く私。でも、本人も驚いています。驚きのあまり、力説しています(笑)。たまたま大福が効くらしいとの噂(うわさ)を耳にして、おまじない程度のつもりだったけど、実際にお手洗いに行かずに済んだ、大福すごいのよ!! と。

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面白いもので、そんな話を聞いて間もなく、思わぬところでなるほど! な記事を目にしました。
皆さまご存じ、口コミによる評判が広がり、ロングラン上映中の映画『国宝』。映画鑑賞もまた、トイレ問題が切り離せませんが、『国宝』は3時間弱の作品なので、「国宝」に続く検索ワードには、通常の、キャスト、上映館、評価、興行収入、原作、モデル、などの他に「トイレ対策」も出てきます。
その記事はフジテレビの番組「イット!」をまとめたもので、「ボンタンアメで尿意が消える」との投稿がSNS上で広がり、コンビニにボンタンアメコーナーが出現したり、売り切れが続出したりしている。『国宝』では対策せずに良いシーンを見逃した人もいれば、ボンタンアメの効果を実感している人もいる。本当に効くのか専門家に聞いてみた、という内容だ。
消化器内科・泌尿器科の医師によると、断言できるものではないが、一番作用しているのは砂糖ともち米だと思われ、血糖値が上がり、短時間だが尿が作られづらくなる可能性はあるのではないか、という。
ちょうど100周年を迎えるというボンタンアメ、思わぬ形で盛り上がっていますが、砂糖ともち米ということは、友人が試した大福も当てはまります。おはぎや甘いお団子もいけそうです。
ボンタンアメの噂を知らず、ポップコーンの塩気とビールを満喫しながら『国宝』を堪能した私。一気に食べすぎないように、一度に飲みすぎないようにと、内心ビクビクしていました。今度映画を観るときや長時間のロケのときは、大福パワーにあやかろう。
【KyodoWeekly(株式会社共同通信社発行)No. 31からの転載】
馬場典子(ばば・のりこ)/ 東京都出身。早稲田大学商学部卒業。1997年日本テレビに入社し、情報・バラエティー・スポーツ・料理まで局を代表する数々の番組を担当。2014年7月からフリーアナウンサーとして、テレビ・インターネット番組・執筆・イベント司会・ナレーションなど幅広く活動中。大阪芸術大学放送学科教授も務める。
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