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九州大学濱口達史教授とみらい創造インベストメンツによる申請テーマが科学技術振興機構「D-Global」に採択

東京都立大学 五箇繁善 教授が共同研究者として参画

         

 

                                      令和8年10月1日

                                      東京都公立大学法人

 

 九州大学 総合理工学研究院 濱口達史 教授、ならびに株式会社みらい創造インベストメンツ(本社所在地:東京都港区、代表取締役社長:岡田祐之)が共同代表者として申請したテーマ「パラメータ制御機構を内在するレーザー素子の実現と時空計測用途に向けた社会実装」が、このたび科学技術振興機構(JST)「ディープテック・スタートアップ国際展開プログラム(D-Global)」に採択されました。

  本テーマには、東京都立大学 大学院システムデザイン研究科 五箇繁善 教授が共同研究者として参画しており、共同代表者と連携しながら、研究開発と社会実装を推進します。 

 

 

 本テーマは、次世代VCSEL技術により量子センシングを支える高安定・低雑音光源の実現とグローバル展開をめざすものです。

 波長・位相ロック機構を内在した垂直共振器型面発光レーザー(VCSEL)を核に、原子時計向け高安定光源を起点として、位相同期アレイ化によりLiDARなどの空間センシング、さらには加工・エネルギー分野へと展開し、小型・低コスト・高信頼な光源プラットフォームを世界市場に提供するスタートアップの創出を目指します。

 

採択テーマについて

【研究代表者】

 九州大学 総合理工学研究院 教授 濱口達史

【事業化推進機関】

 株式会社みらい創造インベストメンツ

【共同研究者】

 東京都立大学 システムデザイン研究科 教授 五箇繁善

【採択課題名】

 パラメータ制御機構を内在するレーザー素子の実現と時空計測用途に向けた社会実装

 

【研究テーマの概要】

 本テーマでは、波長・位相などの光パラメータを制御可能な新しい垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)アーキテクチャを開発し、チップスケール原子時計(CSAC)をはじめとする量子センシングを支える、高安定・低雑音光源の実現を目指します。従来のVCSELにおける波長制御の課題に対し、共振器を長くすることで製造ばらつきや温度変動の影響を受けにくくするとともに、狙った波長のシード光を素子内部に導入することで、モードホップを抑制します。さらに将来は、本技術を位相同期アレイ(OPA)へと発展させ、空間センシングや高出力レーザーなどへの応用を拓くことで、さまざまなレーザー光源をSolid-State(半導体)へ置き換える新たな光源プラットフォームの構築とグローバル展開を目指します。

 

従来技術との比較

 初期の事業化ターゲットとしてチップスケール原子時計をはじめとする原子時計分野を想定し、国内外の研究機関や企業とのネットワークを活用しながら、研究開発と市場開拓を並行して進めます。また、中長期的にはLiDARなどの大規模市場への展開も見据え、用途ごとに求められる出力、指向性、位相制御性などの要求仕様を検証しながら、本技術の適用領域を段階的に拡大していきます。

 あわせて、製造・パッケージングを含むバリューチェーンにおけるパートナーとの連携を進め、量産・製品化に向けた事業基盤を構築します。D-Globalの支援期間を通じて、初期顧客や事業化パートナーとの連携を具体化し、本技術を核としたスタートアップの創出とグローバルな事業展開につなげていきます。

 

 

 

採択にあたってのコメント

 

九州大学 大学院総合理工学研究院 

教授 濱口達史 氏

 

 VCSELは、小型・低消費電力という特徴を持ちながら、まだ十分に引き出されていない大きな可能性を持つレーザーです。私はこれまで、その可能性を広げる研究に長年取り組んできました。本プロジェクトでは、波長と位相を自在にロックするという新たな機能を加え、VCSELを「光を出すデバイス」から「光を自在に操るプラットフォーム」へ進化させることに挑戦します。

 D-Globalという大規模な支援をいただき、この挑戦を本格的に進められることを大変嬉しく思うと同時に、大きな責任を感じています。目指すのは論文や研究室の中で完結する成果ではありません。原子時計、センシング、通信、モビリティ、エネルギーなどへ展開し、実際に社会で使われる技術として世界に届けることです。研究と事業化の両輪で、日本から新しい光産業を生み出すことを目指してまいります。

 

東京都立大学 大学院システムデザイン研究科 

教授 五箇繁善 氏

 

 超小型原子時計(CSAC)では、原子と光の相互作用を利用して高精度な時刻を生成するため、光源であるVCSELの性能が時計の性能を大きく左右します。本プロジェクトでは、新たに開発されるVCSELをCSACの光源として評価し、その可能性を実証する役割を担います。特に、波長や位相などの光を自在に操る新しいVCSELは、これまでのCSACの常識を変える可能性を秘めています。この新しい光源からどのような原子時計が生まれるのか、研究者として大きな魅力と期待を感じています。

 

株式会社みらい創造インベストメンツ

代表取締役社長 岡田祐之

 

 このたびのD-Global採択、大変嬉しく思います。濱口先生が長年にわたり培ってこられた面発光レーザー技術は、原子時計の小型化・高性能化を実現し、通信、モビリティ、宇宙・航空、フィジカルAIなど、幅広い産業の基盤を大きく変革し得る、極めて重要な技術です。大学発の優れた研究成果を研究室の中にとどめることなく、社会で広く活用される技術へと育てていくことは、我が国の科学技術と産業の発展にとって大きな意義を持ちます。今回の採択を大きな契機として、世界市場を見据えた事業化と産業実装が力強く進展することを心より期待するとともに、私たちもその実現に向けて全力で支援してまいります。

 

株式会社みらい創造インベストメンツ

プリンシパル 相澤浩明

 

 本プロジェクトが挑むのは、レーザーの波長と位相を自在にロックする光源プラットフォームです。原子時計から、可動部を持たないビーム走査、さらには加工やエネルギー伝送まで、幅広い産業に貢献できる半導体光源であり、これを軸に日本発のグローバルスタートアップを立ち上げられる可能性があると思い、支援を続けてまいりました。このたび多くの方にご評価いただき、D-Globalの採択に至ったことを大変嬉しく思います。創業から世界への供給まで、引き続き伴走してまいります。

 

 

【関連URL】

 ディープテック・スタートアップ国際展開プログラム(D-Global)採択一覧

 https://www.jst.go.jp/pr/info/info1867/index.html

 

「ディープテック・スタートアップ国際展開プログラム(D-Global)」とは

 「ディープテック・スタートアップ国際展開プログラム(D-Global)」は、大学等発の技術シーズを核にして、社会・経済に大きなインパクトを生み、国際展開を含め大きく事業成長するポテンシャルを有するディープテック・スタートアップの創出を目的とします。当該目的を達成するため、技術シーズの事業開発に責任を有する事業化推進機関および研究開発に責任を有する研究代表者が共同代表者となり、事業化推進機関のプロジェクトマネジメントのもとに事業化マイルストンおよび研究開発マイルストンを設定し、事業化推進機関と研究代表者が一体的に課題を推進します。

 

 ※詳細については、下記のJSTホームページをご確認ください

  JST大学発新産業創出基金事業

   https://www.jst.go.jp/program/startupkikin/deeptech/index.html

 

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