高校生と金沢工業大学の学生がスタンフォード大学を訪問
THINKプロジェクトの成果発表と スタンフォード大学発の学習環境「AI Tinkery」を視察
2026年9月3日
学校法人金沢工業大学
高校生と金沢工業大学の学生がスタンフォード大学を訪問。 THINKプロジェクトの成果発表と スタンフォード大学発の学習環境「AI Tinkery」の視察を実施。 生成AIに触れ、試し、対話しながら、自ら付き合い方を考える新たな学習環境の国内展開へ |
金沢工業大学Beyond SDGs推進センター(所長 平本督太郎教授)は、2026年7月30日(木)から8月7日(金)にかけて、中高生・大学生・教職員らと米国を訪問しました。
スタンフォード大学では、日本国内の中高生と金沢工業大学の学生・教員が取り組んできた「THINKプロジェクト」の成果をAI Tinkery創設者のKarin Forssell博士に発表するとともに、AI Tinkeryを現地視察しました。
「AI Tinkery」は、学生、スタッフ、教員が生成AIを遊び、いじりながらAIをより深く理解し、使い、形作るために遊ぶキャンパス全体のコミュニティハブ。スタンフォード大学のカリン・フォッセル(Karin Forssell)博士がスタンフォード大学教育大学院(Stanford Graduate School of Education)内のイニシアティブ「Stanford Accelerator for Learning」が有する施設として設立したものです。
今回得られた知見をもとに、金沢工業大学Beyond SDGs推進センターにもAI Tinkeryを本格的に導入するとともに、今年度はパイロット校2校(東京家政学院高等学校と浜松開誠館高等学校)に簡易版である「ミニAI Tinkery」を設置。生成AIを単に「使う」のではなく、実際に触れ、試し、他者と対話しながら、AIとの付き合い方を主体的に考える新たな学習環境の構築を進めます。
中高生・大学生・教職員らと米国を訪問 (スタンフォード大学で)
中高生と大学生が生成AIによる教材を共創する「THINKプロジェクト」
2025年度に開始したTHINKプロジェクトは、金沢工業大学の学生・教員と中高生が、生成AIを活用して「自分の推し」をテーマにした個別最適な副教材(ウェブアプリ)を共創する「生成AI×推し×教育」のプロジェクトです。
2026年6月からは、日本国内の中高生もプロジェクトに参加しました。オンラインを中心に活動し、中高生が自分の「推し」と学びたい内容を組み合わせて生成した副教材を実際に試用しました。そして、その感想や改善点を金沢工業大学の学生にフィードバックし、副教材を改善するなど、学生と中高生が対話を重ねながら、副教材とその生成プロセスをブラッシュアップしてきました。
スタンフォード大学で成果発表、AI Tinkeryを現地視察
8月3日(月)、THINKプロジェクトで共創した生成AIによる個別最適な副教材のプロトタイプと教材生成プロセスを、スタンフォード大学のKarin Forssell博士に発表しました。
Forssell博士からは、生徒が主体となって教材の作成・改善まで行ったことについて評価をいただきました。発表後には、生成AIを活用したことで自身の学びやAIの使い方がどのように変化したのか、将来どのような場面でAIを使いたいか、反対に使いたくないことは何かなどについて、参加者と対話しました。また、金沢工業大学の学生が中心となり制作してきたTHINKプロジェクトの活動過程と生成AI教材の開発成果をまとめたパンフレットをForssell博士に手渡しました。
制作したパンフレットをForssell博士に手渡す金沢工業大学の学生 (スタンフォード大学で)
あわせて、Forssell博士がスタンフォード大学で運営する「AI Tinkery」を視察しました。生成AIを活用した学習環境には、ツールを用意するだけではなく、参加者が自由に試行錯誤し、問いを立て、他者と対話できる環境と、それを支えるメンターの存在が重要であることを学びました。
参加した生徒からは、これまで生成AIを「利用する側」として考えてきた経験を生かし、今後は自分たちの高校に設置するミニAI Tinkeryを「つくる側」として、生徒自身の意見を取り入れながら新しいAIの学びが生まれる場をつくりたい、との意見も出ました。
THINKプロジェクトでの成果をForssell博士に英語で発表する浜松開誠館高等学校の生徒
「AI Tinkery」の視察の様子(スタンフォード大学で)
LDT Expo参加やシリコンバレーで働く日本人の講話のほか、AI×アート施設「DATALAND」やNASAも訪問
今回の米国渡航では、AI Tinkeryの視察・成果発表に加え、今後のAI Tinkeryでの学びや活動を考えるため、教育、AI、アート、科学技術などに関するさまざまな現地プログラムに参加しました。
スタンフォード大学では、Learning, Design and Technology(LDT)に所属する修士学生の活動・研究発表「LDT Expo」を見学し、英語でのコミュニケーションにも挑戦しながら、教育課題を技術・デザイン・研究の観点から捉える実践に触れるとともに、ムーンショットというイノベーションを生み出す原点への理解を深めました。また、シリコンバレーで働く日本人3名との対話を通じて、起業、IT、研究、社会課題解決など、多様な立場から技術を社会に生かす考え方や、自らの関心を行動につなげる姿勢などに触れました。
AI×アート施設「DATALAND」では、データと生成AIを用いた没入型の表現を体験し、人間の創造性や自然環境、テクノロジーとの関係について考えました。さらに、NASAヒューストン宇宙センターでは、宇宙開発の歴史や最先端の科学技術に触れました。これらの視察を通じて、「生成AI×アート」「生成AI×宇宙」という新たな切り口から、今後AI Tinkeryで実施する探究活動やワークショップのコンテンツにつながる知見を得ました。
今後、こうした現地での体験を生かし、AI Tinkeryの日本展開においては、生成AIそのものを学ぶだけではなく、「生成AI×アート」「生成AI×宇宙」など、多様なテーマと生成AIを掛け合わせた探究活動やワークショップの展開を検討していきます。
Beyond SDGs推進センターと高校2校にAI Tinkeryを展開
今回の渡航で得た知見をもとに、金沢工業大学Beyond SDGs推進センターにAI Tinkeryを本格導入します。また、今年度はパイロット校2校にも「ミニAI Tinkery」を設置し、生徒が生成AIを試し、対話しながら、自らの考えを深める活動を進めます。そのほか、AI Tinkeryツールキットの日本語版開発・ローカライズや、活動を支援する「ティンカリング・メンター」の育成を進めます。
金沢工業大学では、生成AIに依存するのではなく、一人ひとりが生成AIとの良好な関係の在り方を主体的に見極め、自分に適した学習環境を構築するために求められる「学習者エージェンシー」を備えたAI時代の新たなリーダーの育成を目指しています。
THINKプロジェクトでの中高生・大学生による共創、スタンフォード大学での成果発表とAI Tinkery視察、そして国内でのAI Tinkeryの実装により、日本の教育環境に適したAI Tinkeryの実践モデルを構築し、生成AIを使いこなす「新しい学習文化」の醸成を目指します。
AI Tinkeryとは
生成AIに実際に触れ、試し、他者と対話しながら、AIとのより良い付き合い方を考える学習環境です。生成AIから答えを得ることだけを目的とせず、その出力を確かめ、「AIをどこで使うのか」「人間が担うべきことは何か」といった問いを参加者自身が考える機会の創出を重視しています。
※本米国渡航プログラムは、科学研究費助成事業(科研費)、地主アセットマネジメント株式会社、一般財団法人三菱みらい育成財団からの助成・支援を受けて実施しました。
関連リリース
「三菱みらい育成財団」の2026年度助成事業に採択
生成AIを使いこなす「新しい学習文化」の醸成を目指すAI Tinkery導入プロジェクト
▶https://www.kanazawa-it.ac.jp/kitnews/2026/0619_mmfe.html
AI Tinkery創設者・スタンフォード大学のKarin Forssell博士が来日
学生によるAI活用教材の成果を報告し、今後の連携強化を確認
▶https://www.kanazawa-it.ac.jp/kitnews/2026/0703_hiramoto.html
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