水とともに歩むオマーンパビリオン ~夜の光と香りが誘う、言葉を超えた五感の体験~
2025年8月29日
EXPO2025 News Vol.15
大阪・関西万博メディアセンター
水とともに歩むオマーンパビリオン
~夜の光と香りが誘う、言葉を超えた五感の体験~
プロジェクションマッピングで彩る夜のオマーンパビリオン
アラビア半島東南端に位置するオマーンは、古来より海のシルクロードの要衝として栄えてきました。国土の約8割は砂漠や荒れ地で、降水量も極めて少なく、水は貴重な存在とされています。さらに夏には最高気温が40〜50度に達する過酷な気候にさらされます(※1)。その中で人々はわずかな雨や井戸水を分かち合いながら暮らし、共同体を支える知恵として発展させたのが伝統的灌漑(かんがい)システム「ファラジュ」(※2)です。この仕組みは乾燥地で生き抜く知恵の象徴として、ユネスコ世界文化遺産にも登録されています。
こうした“水と共生する精神”は、オマーンパビリオンにも表現されています。鮮烈な赤い外観は、大胆な曲線を描く独特のデザインで、雨季以外は流水のない枯れ川「ワディ(アラビア語で谷を意味する言葉)」がモチーフです。パビリオン全体を通して、訪れる人が命の源である水の大切さを直感的に体感できるよう工夫されています。
■パビリオン紹介
水の流れるガラス天井の回廊
館内に入るとまず目に飛び込むのは、ファラジュから着想を得た、水の流れるガラス天井の回廊です。その先に広がるのは、青を基調とした幻想的な空間。ここでは床・壁・天井をスクリーンとして使い、生命の源である「水」の大切さを光や映像で表現します。さらに、オマーンの特産品であるお香「フランキンセンス(乳香)」の香りが来場者を包み込みます。 副館長のユーセフ・アルボサイディーさんによると、 オマーンでは香水は男女ともに欠かせない日常の身だしなみで、子どもも 13 歳頃から使い始めるといいます。香りや光を織り交ぜた展示は、言葉よりも感覚でオマーンを体験してもらう工夫です。
続くエリアでは、大型映像が映し出され、土地と水に育まれたオマーンの歴史を描く時間の旅へと誘います。水にまつわる諺、和歌、詩、クルアーンの一節などを掲げた回廊を抜けると、敷地の約半分を占める屋外ガーデンが広がり、バラやイチジクの木々に囲まれた憩いの場で、香り付きのシャボン玉が舞う光景に出会えます。
さらにガーデン内の「広がる絆」コーナーでは、観光・文化・投資についてタッチパネルで紹介。「情報を詰め込みすぎず、来場者の関心に応じて自分のペースで理解を深められるよう工夫した。このガーデンはパビリオンに入場しなくても利用でき、誰でも気軽に立ち寄ることができる。ぜひ、お越しいただければ」とアルボサイディーさんがご案内くださいました。
誰でも気軽に観覧できるタッチパネル展示
テイクアウト限定のカフェでは、カルダモンやサフランの香り漂うオマーンコーヒー「カフワ」や、伝統的な甘味「ハルワ」を提供。ガーデンでは伝統ボードゲーム「ターブ」を体験することも可能です。ガーデンに面した外壁の下部は腰掛けられる造りになっており、来場者は腰を下ろしてくつろぎながら異国のひとときを楽しめます。
日が沈むと、パビリオンは姿を変えます。足元には川の流れを思わせる水面の光がゆらめき、赤い外壁には富士山やオマーンの山々が投影され、館全体が幻想的なキャンバスに変貌。これは、オマーンと日本に共通する“山の文化”を映し出すとともに、ワディ(枯れ川)の岩壁と、その間を流れる水を思わせる演出を重ね合わせ、自然と共に生きる人々の営みを表現しています。アルボサイディーさんは夜の演出について「オマーン人は、日中の暑さを避け、夜に外出する人が多い。このパビリオンでも、現地の文化を表現し、夜ならではの楽しみ方を体験してほしいと考えた」と話します。
館長のアル・ラワティさん
アルボサイディーさんは「日本の来場者に、オマーンという国をまず知ってもらいたい。そして、砂漠だけの国ではないことを感じてほしい」とも。来場者との交流のために、日本語を話せるオマーン人スタッフを日中に常駐させているのもその想いの表れです。また、館長のハーディ・アルラワティさんは「私たちの暮らしを支えてきた水の知恵を感じ取ってほしい。そして、若いオマーンの建築家たちが母国の歴史文化を踏まえて設計したパビリオンを存分に楽しんでいただきたい」と語りました。
■9月20日(土)「オマーン」 ナショナルデー
ナショナルデーでは、オマーンの豊かな文化遺産と国のアイデンティティを祝う多彩なプログラムが繰り広げられます。舞台を彩るのは、世界でも名高いオマーン王立騎兵隊音楽隊。母国では騎乗したまま演奏する独自の伝統を持つ音楽隊で、その演奏は長い歴史の中で培われたオマーン文化の真髄を体感できる場となります。今回は日本での特別編成として、伝統楽器と西洋楽器を融合させた壮大な演奏を披露し、続いて迫力あるパレードが祝祭の熱気を一層高めます。夜には、オマーンの音楽バンドによる演奏、障がいのある方々が出演する演劇、さらに民俗音楽バンドによるエネルギッシュなパフォーマンスが予定され、多角的な視点からオマーンの魅力を伝えます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
オマーン国
テーマ:A Tale of Land, Water, and People
首都:マスカット
面積:約30万9,500k㎡
人口:500万人
言語:アラビア語、英語
※「2025年日本国際博覧会 大阪・関西万博公式 ガイドブック(第二刷)」より
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(※1) 参考 在オマーン日本国大使館「オマーン基礎情報」
https://www.oman.emb-japan.go.jp/itpr_ja/3stay_j.html
(※2) ユネスコ世界文化遺産の登録名称は「アフラージュ、オマーンの灌漑システム」。
ファラジュは、灌漑システムを指すアラビア語「ファラジ」の複数形「アフラージュ」の音写です。
https://whc.unesco.org/en/list/1207/
9月13日(土)以降開催 主な催事会場でのイベント情報(一部)
開催日時、内容は告知なく変更する場合がございます。最新情報はこちらから、イベント名を入力してご確認ください。
https://www.expovisitors.expo2025.or.jp/events
■ナショナルデー
「大阪・関西万博」の会期中、ほぼ毎日繰り広げられる「ナショナルデー」。
国ごとにテーマを定め、公式式典や多彩な文化プログラム、パレードなどが開催されています。
9月13日(土) フランス共和国
9月14日(日) ベルギー王国 ※パレード実施予定(9時45分~10時45分、ベルギーパビリオン側のリング下出発)
9月15日(月) セルビア共和国
9月16日(火) カメルーン共和国
9月17日(水) バルバドス
■音楽ライブ
「【大阪ウィーク~秋~】OSAKA MUSIC LOVER」
日時:9月14日(日)17時~20時20分頃(16時開場)
9月15日(月)15時30分~20時30分頃(14時30分開場)
場所:フューチャーライフゾーン EXPO アリーナ「Matsuri」
内容:
「大阪ウィーク~秋~」の一環で開催するJ-POP、J-ROCKアーティストによるライブフェス。Day1にはコブクロ、C&Kなどが、Day2には氣志團、スキマスイッチなどが出演します。
URL https://osaka-kitena.jp/event/osaka-music-lover/
「【スウェーデン】世紀の巨匠 クリスチャン・リンドバーグ トロンボーンリサイタル」
日時:9月18日(木)15時~18時(14時30分開場)
場所:エンパワーリングゾーン フェスティバル・ステーション
内容:
スウェーデンのみならず世界的に有名なトロンボーン奏者、クリスチャン・リンドバーグ氏が、ピアニストの白石光隆氏と共に大阪・関西万博の為に特別に演奏いたします。クリスチャン・リンドバーグ氏は、権威ある「フランク・マルタンコンペティション」での優勝をはじめ、数々のコンクールで優勝。スウェーデン国王より勲章を授与されたほか、これまでにベルリン・フィル、シカゴ響、BBC響など一流オーケストラと共演。国際ブラス専門誌『Brass Bulletin』による「20世紀で最も偉大なブラス奏者」読者投票(2000年)では、ルイ・アームストロング、マイルス・デイヴィス、デニス・ブレイン、モーリス・アンドレと共に20世紀最も偉大な管楽器奏者に選ばれた経歴を持ちます。
URL https://www.expovisitors.expo2025.or.jp/events/2aacb0ef-afd9-4576-9282-6c5b36b960be
■海外文化
「【トルコ】エルトゥールル号遭難記念・映画『海難1890』特別上映会」
日時:9月16日(火)15時~21時
場所:東ゲートゾーン EXPO ナショナルデーホール「レイガーデン」
内容:
エルトゥールル号遭難事故の記念日にあたり、追悼イベントを開催いたします。イベントでは、和歌山県串本町沖の海難事故と、95年後のテヘランでの日本人救出という二つのエピソードを基にした2015年公開の日本・トルコ合作映画『海難1890(ERTUĞRUL 1890)』の上映を行います。過去を偲びつつ、文化的な理解と友好を深めることを目的としています。
URL https://www.expovisitors.expo2025.or.jp/events/08a2494d-5262-45b3-b6a8-010959a79397
編集部からのお知らせ
新着情報
あわせて読みたい



自動車リサイクル促進センター