農林水産分野GHG排出削減技術海外展開パッケージ策定！（通称：MIDORI∞INFINITY,ミドリ・インフィニティ）

2025.05.30 10:52

～我が国の温室効果ガス排出削減技術を世界へ～

農林水産省は、温室効果ガス（GHG）排出削減技術の海外展開を後押しし、農業・食品分野への脱炭素投資の呼び込みや気候変動ビジネスに取り組む農業・食品企業の市場拡大を図るため、「農林水産分野GHG排出削減技術海外展開パッケージ（通称：MIDORI∞INFINITY,ミドリ・インフィニティ）」を策定しましたので公表します。

1．背景

農林水産省は、今年11月の国連気候変動枠組条約第30回締約国会議（COP30）を見据え、我が国が有する食料安全保障に資するGHG排出削減技術の海外展開を後押しし、農業・食品分野への脱炭素投資の呼び込みや気候変動ビジネスに取り組む企業の市場拡大、世界の食料安全保障ひいては我が国の食料安全保障の向上に繋げるため、「農林水産分野GHG排出削減技術海外展開パッケージ（通称：MIDORI∞INFINITY,ミドリ・インフィニティ）」を取りまとめました。

2．パッケージの概要

我が国が有する食料安全保障に資するGHG排出削減技術の海外展開を後押しするため、「農林水産省地球温暖化対策計画（2025年4月改定）」に掲載している我が国のGHG排出削減技術のうち、海外展開が可能で食料安全保障に資する技術（水田や畜産由来のメタン排出削減、農地土壌の炭素貯留の拡大、森林減少・劣化由来のCO2排出削減等）を選定し、それら技術の海外展開を促進する施策（二国間クレジット制度（JCM）、技術・研究開発等）及び民間事業者が国内外で活用可能な予算等をとりまとめたものです。

3．策定までの経緯

我が国では、「みどりの食料システム戦略（2021年5月策定）」や「農林水産省地球温暖化対策計画（2025年4月改定）」等に基づき農林水産分野における気候変動緩和策を推進してきたところ、GHG排出削減技術を有する農業・食品分野の民間企業等の海外展開への関心の高まりを受け、食料安全保障に資するGHG排出削減技術の海外展開を後押しする施策や、活用可能な支援策のとりまとめの検討を進めてきました。今般、本年4月15日に公表した「農林水産分野GHG排出削減技術海外展開パッケージ（通称：MIDORI∞INFINITY,ミドリ・インフィニティ※）基本的考え方」について、海外展開に取り組む民間事業者及び研究機関との意見交換会を開催しました。これに基づき、民間事業者等が有する技術・取組、それら技術の海外展開の際に直面する課題や解決策等を整理し、内容を充実させ、パッケージとして取りまとめました。※「ミドリ・インフィニティ」の通称は、みどりの食料システム戦略や農林水産・食品分野の気候変動対策には、無限の可能性があるという思いと、日本の革新技術の国際展開を通じた食料安全保障と両立するネットゼロに向けたイニシアチブ（”Initiative for Net-zero compatible with Food security through INternational expansion of Japan’s Innovative TechnologY）という意味を込め、若手職員が命名しました。

4．政策効果と今後の進め方

COP30等の場を通じて本パッケージを国内外に発信するとともに、「みどり脱炭素海外展開コンソーシアム」等の活動を通じて具体的な脱炭素プロジェクトの形成を推進し、脱炭素投資の農業・食品分野への呼び込みや、気候変動ビジネスに取り組む我が国の農業・食品企業の市場拡大に繋げていきます。また、我が国のGHG排出削減技術の活用を通じて、世界の食料安全保障ひいては日本の食料安全保障の向上への貢献を目指すとともに、我が国の農山漁村発の技術への投資を通じて、農山漁村の「稼ぐ力」の向上や地方創生にも繋げていきます。