金沢工業大学の森吉助教が「Mars Touch Project」に設計者として参画
NeSTRA(次世代宇宙システム技術研究組合)の主任研究員として
【金沢工業大学の森吉助教が「Mars Touch Project」に設計者として参画】
「展開型エアロシェル技術の地球⼤気圏突⼊実証と⽕星着陸機への適⽤」に
NeSTRA(次世代宇宙システム技術研究組合)の主任研究員として
金沢工業大学工学部 航空宇宙工学科 森吉貴大助教が、NeSTRA(次世代宇宙システム技術研究組合)が中心になって進める「Mars Touch Project」に設計者の一人として参画することになりました。
本プロジェクトは、国産技術による次世代の革新的な大気圏突入システムである「展開型エアロシェル技術」の開発及び実証を行い、我が国における火星着陸機探査の実現と、宇宙からの地球への帰還の低コスト化や高信頼性化を目指しています。
NeSTRA(次世代宇宙システム技術研究組合)が、JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)の宇宙戦略基金事業における技術開発テーマ「大気突入・空力減速に係る低コスト要素技術」に、「展開型エアロシェル技術の地球大気圏突入実証と火星着陸機への適用」を提案し、受託しました。
NeSTRAのリードの元、本技術組合に組合員として参画する藤倉航装株式会社、及び株式会社ElevationSpaceとの共同で、地球での技術実証と火星探査機として使えるレベルの機体開発を目指すもので、森吉助教はNeSTRAの主任研究員として、展開型エアロシェルの取りまとめと突入機体全体のシステム設計を担当します。
【火星探査イメージ図】
展開型エアロシェル技術で火星大気圏突入する火星探査機。森吉貴大助教が設計者の一人として参画する (画像提供:JAXA)
【Mars Touch Projectの詳細】
●地球低軌道からの大気圏突入実証 直径3.0m以上のエアロシェルを用いて、2020年代後半を目途に、地球低軌道からの大気圏突入実験を実施し、耐荷重性能と耐熱性能を実証。これにより、地球帰還・回収技術の確立を目指す
●超小型火星着陸機システムの開発 展開型エアロシェル技術を適用した超小型(20kg級)火星着陸機システムを開発。 超小型・軽量・省電力の搭載機器群の開発、耐火星環境性を評価する地上試験環境の整備、地上検証試験などを通して、火星表面への低コスト着陸機の開発を完了させる。
【当プロジェクトの意義】
火星探査は、アルテミス計画を踏まえ、2030年代以降、世界の宇宙開発の主戦場になる可能性をもっています。日本独自の技術で火星着陸探査を実現することは、国際的なプレゼンスを示す上で重要です。本プロジェクトで開発する展開型エアロシェル技術は、従来の着陸手段と比較して、軽量化、低コスト化、安全性向上などの利点があり、今後の火星探査ミッションにおいて重要な役割を果たすことが期待されます。加えて、地球低軌道または月等から地球大気圏へ突入し、帰還を行うニーズは今後ますます高まっていくことが予想されます。本技術を活用し、国内外における大気圏突入というキー技術で優位に立つことで、今後の国内外の宇宙ビジネスへの展開が期待されます。
【参考】
●NeSTRA 2025年4月24日発表 プレスリリース
JAXA の宇宙戦略基⾦を受託「展開型エアロシェル技術の地球⼤気圏突⼊実証と⽕星着陸機への適⽤」
https://nestra.space/mars/%e3%83%97%e3%83%ac%e3%82%b9%e3%83%aa%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%82%b9/
●金沢工業大学研究室ガイド 工学部 航空宇宙工学科 森吉貴大 研究室
https://kitnet.jp/laboratories/labo0242/index.htm
