若手が挑戦し、組織が育つ 3回目を迎えた丹青社の「超文化祭」

「指文字認識システム」を活用したスポーツゲーム
商業施設や文化施設をはじめ、公共施設、イベントなど、人と人が交流するさまざまな空間づくりを行う丹青社(東京)が、若手社員が主体となってアイデアとデジタル技術を駆使し、空間の可能性の研究成果を発表するイベント「超文化祭2025」を都内で開催した。
超文化祭は、社内の「自主実践プロジェクト」から生まれたもので、今回が3回目の試み。同社の自主実践プロジェクトは、本業とは別に実験的な研究開発に取り組み、空間づくりのヒントを得ることを目的としたもので、4年前から始まった。初回は、コロナ禍の中で巨大テーブルを使って非接触でおこなうデジタルゲーム「AIRエアホッケー」を制作。翌年からは複数チーム制とし、「超文化祭」として社外にも披露する形へと進化。これまでのテーマを「タネ」「発芽」と位置づけ、今回は花開く「BLOOM」に決まった。
超文化祭は、クロスメディアイノベーションセンター(以下CMIセンター)の若手社員が中心となり、2月ごろから構想を練ってメンバーを募集。春先からチームが徐々に編成され、プロジェクトが動き出す。外部のパートナーとも連携の上、「作って試す」を繰り返し、多くの人が体験できる価値の高いコンテンツを作り上げていく。ベテラン社員はチームの主体性を重視しながら、スケジュール管理や展示経験の観点から適宜助言を行うなどのサポートに徹する。
今回、展示された研究開発の成果は4つ。カメラと画像認識、機械学習モデルによる「指文字認識システム」を活用したスポーツゲーム。Bluetoothを使用した高精度位置測位技術を活用した音声ARガイド。ヘッドマウントディスプレイを装着し「不思議の国のアリス」の世界に入り、フロアを歩きながら探検するXR(クロスリアリティ/エクステンデッド・リアリティ)コンテンツといった、最新のテクノロジーと演出によって、未来の空間づくりの可能性が体験できるものばかりだ。

フロアを歩きながら探検するXRコンテンツを体験
CMIセンター・空間メディアマーケティング部長の内田卓哉氏は、「通常業務では得られないサンプルデータの作成や、新しいパートナー企業との協働、ベテランが持つ技術の継承など、育成と開発を両立できる場として立ち上げた。去年よりもクオリティーが上がるとともに、全員がどうすればお客様が喜ぶか?を考えられるようになってきた。メンバー同士が得意分野を理解し合い、助け合う文化も生まれつつある。3年連続で参加するメンバーも増え、成長は確実に表れている」と語る。
2026年に創業80周年を迎える丹青社は、今後も、自主実践的に空間づくりのイノベーションに取り組み、組織全体の成長を加速させながら、空間の新たな可能性を探っていくという。
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