広域連携DMOの10団体が初の共同要望国に支援拡充求める
せとうち観光推進機構など広域連携観光地域づくり法人(広域連携DMO)の10団体は10月16日、複数の自治体で活動する広域連携DMOへの支援拡充を求める要望書を観光庁に提出した。10団体を代表して、せとうち観光推進機構の真鍋精志会長と四国ツーリズム創造機構の半井真司代表理事ら関係者が東京都内の観光庁を訪れ、広域連携DMO対象の支援制度の創設などを盛り込んだ要望書を観光庁の木村典央次長に手渡した。10団体が要望書を共同提出するのは今回が初めて。
要望書は、国の「第4次観光立国推進基本計画」が掲げる「持続可能な観光」「消費額拡大」「地方誘客促進」を実現するには「行政の枠を超え、広域的な視点で観光振興を担う広域連携DMOの役割が重要」として、その広域的な活動を推進するための、主体的継続的な活動に対する支援▽安定的な人材確保への支援▽データ利活用促進に対する支援―の3項目の要望事項を挙げた。
具体的には、国際観光旅客税を主要財源とする広域連携DMOを対象とした専用予算枠「広域連携推進事業費」(仮称)の創設や、単年度が基本となっている補助事業での複数年度事業の容認、外国人材など専門人材確保への財政支援、訪日外国人客の実態把握に関する国のデータの公開・共有、精度の向上などを求めた。

要望書の内容を説明する、(テーブル左側奥から)せとうち観光推進機構の真鍋精志会長、四国ツーリズム創造機構の半井真司代表理事。(テーブル右側手前)観光庁の木村典央次長=2025年10月16日、東京都千代田区の観光庁
要望書提出後、真鍋会長と半井代表理事が報道陣の取材に応じた。真鍋会長は「会費や負担金を主な財源とする広域連携DMOはいずれも厳しい財政環境にあり、今後も都道府県をまたいだ広域的な観光振興の取り組みを持続的に進めるために不可欠な財政的基盤整備への支援を国にお願いした」と述べ、観光庁の前向きな検討に期待した。
半井代表理事は「10団体が足並みそろえて要望書を出すのは今回が初めてだ。気持ちを一つにして要望に臨んだ。国も“観光立国の担い手”として広域連携DMOの役割を高く位置付けており、10団体では広域連携DMOの今後の在り方について議論を深めてきた」と話し、国の拡大支援を受けて活動の質を高めていきたい、とした。
要望したのは次の10団体。
北海道観光機構(唐神昌子会長)▽東北観光推進機構(松木茂会長)▽関東広域観光機構(田川博己代表理事)▽中央日本総合観光機構(勝野哲会長)▽関西観光本部(松本正義理事長)▽せとうち観光推進機構(真鍋精志会長)▽山陰インバウンド機構(田川博己会長)▽四国ツーリズム創造機構(半井真司代表理事)▽九州観光機構(唐池恒二会長)▽沖縄観光コンベンションビューロー(浜田京介会長)