KK KYODO NEWS SITE

ニュースサイト
コーポレートサイト
search icon
search icon

【輪島だからこそ、できること】(中) ここで生まれた“唯一無二”の一品

「地域に関わりたい」 若い力も駆ける <紡ぎ組>

 輪島市の郊外・深見地区の廃校を拠点に復興支援を続けるNPO(特定非営利法人)「紡ぎ組」には今年、活動を支える新たなメンバーが仲間入りした。東京のイベント会社で働いていた堀春奈さんと、福井県出身の木下栞里さんで、いずれも20代。人口減少が課題の輪島だが、災害支援ボランティアなどをきっかけに地の魅力を感じ、移住する若者もいる。

「地域と関わる仕事がしたい」と輪島に移住した木下さん(左)と堀さん

 「輪島を復活させるために地域を巻き込んだ活動をしていきたいという話を聞いて、もう一回、来ようと思ったんです」。堀さんは、紡ぎ組が地元の素材を使って行う草木染のワークショップに興味を持ち、昨秋に輪島を初めて来訪。人をつなげてきた前職の経験も生かせると感じ、思い切って移住した。紡ぎ組は震災後、地域を離れた住民が校庭に集う祭りを毎春・秋に開いており、堀さんは、チラシ作りやイベントの組成にもアイデアを発揮する。

 石川県内の大学に通っていた木下さんは、「近くの能登が震災に見舞われ、支援に関わりたかった」と話す。被災地での地域課題や復興の現状を学べる民間プロジェクトに応募し、紡ぎ組でボランティアを体験。その後も定期的に通い続け、卒業後に正式に所属することを決めた。特技はお菓子作り。校庭の一角には、野菜を育てる菜園があり、地域の子どもと生き物のふれあいを目的に飼う烏骨鶏(うこっけい)と軍鶏も、卵を産み落とす。「ここで採れたもので、新しいメニュー作りに挑戦したい」

(左上)烏骨鶏の卵を使った「かけるたまごまん」(右)「もえるにくまん」をつくる紡ぎ組の坂井さん(左下)平飼いで元気に育つ烏骨鶏

▽にくまんとたまごまん

 紡ぎ組ではこれまでに、「これからも皆で燃えていこう」との熱い思いを込め、地元の能登豚、タマネギ、タケノコの餡が入った「もえるにくまん」を商品化。半世紀前の輪島朝市にあった味を再現したもので、活動の資金源にも充てる。

 さらに今年、誕生したのが、新鮮な烏骨鶏の卵でつくった「かけるたまごまん」。平飼いの烏骨鶏が元気に校庭を「駆ける」、希望が空に「翔ける」――。「未来に向かって走る、飛ぶ!という思いを込めています」(紡ぎ組の坂井美香副理事長)。黄色味が強く、味も濃い烏骨鶏卵の特徴を生かし、しっとりしながらも、ゆで卵の黄身のような食感を残した餡が特徴だ。

 「輪島のNPOとして、奥能登の被災地にプラスになることをもっと広げたい」(坂井さん)。新たに、営業をやめたタクシー事業の譲渡も受けた。車に乗るまでの移動が困難な人が専門知識がある運転手の介助で乗降できるタクシーの運行を模索中だ。新しい力も加わり、紡ぎ組は今日も燃えながら、地を駆け、空を翔けている。

  • 「輪島は良くなってきている」。食を通じて元気を発信し続ける芽吹のカウンター

編集部からのお知らせ

新着情報

あわせて読みたい