食の“おいしい記憶”を大切に 「弁当の日おいしい記憶のエピソード」、小中学生の優秀作文を表彰
写真や絵を添えて食への思いをつづる小中学生対象の作文コンテスト「弁当の日おいしい記憶のエピソード」(共同通信社主催、全国小学校家庭科教育研究会、全日本中学校技術・家庭科研究会共催)の表彰式が3月20日、東京都内で開かれ、最優秀の文部科学大臣賞に大分県別府西中1年の吉田かりん結愛さんの作品が選ばれた。
いつも炊き込みご飯をおすそ分けしてくれる隣に住む84歳女性の亡き夫に対する愛情の深さを、女性の古ぼけたレシピノートから感じたという吉田さんは「おじいちゃん、おばあちゃんとの大切な思い出をつづった。作文を書くきっかけを与えてくれたおばあちゃんと、(天国の)おじいちゃんにお礼を伝えたい」と話した。
コンテストは食を通じて子どもたちに家族や社会との関係を考えてもらおうと開催。8回目を迎える今回は全国から2053点(小学生504点、中学生1999点)の応募があり、個人18人、学校2校が受賞した。
表彰式には、特別賞の10人を除く個人受賞者8人のほか、「学校賞」を受賞した2校の代表者3人が出席。子ども自ら弁当を作る取り組み「弁当の日」を始めた元教師の竹下和男さんや全国小学校家庭科教育研究会の髙野正之会長、ドキュメンタリー映画「弁当の日」監督の安武信吾さん、特別協賛社・キッコーマンの黒木良平経営企画室コーポレートブランド担当部長、いずれも協賛社の日清オイリオグループの松山綾広報部長、弁当デリバリー注文サイト運営会社ワオの小林心さんらがプレゼンターを務め、それぞれ受賞者に賞状や副賞を手渡した。
あいさつしたキッコーマンの黒木さんは「休みの日に働いている私に小5の娘がおにぎりを作ってくれた。形はいびつだったが一生懸命さが伝わり忘れがたい記憶になった。今回作文に込めた皆さんの気持ちは将来の心の支えになります。その気持ちを大切に胸に刻んで今後も歩んでください」と呼び掛けた。
共同通信社賞に輝いた鹿児島市立伊敷台小5年の赤瀬川想太さんは、釣ったアジをから揚げにして食べた体験を伝えた。「家族との経験を作文にしたらまさかの受賞。暖かくなったらまた釣りを再開しておいしい魚料理を作る」と述べた。
全国小学校家庭科教育研究会賞を受賞した高松市立円座小4年の高尾咲和(さわ)さんは「お母さんに限らず料理を作ってくれる人の素晴らしさや工夫一つでどんどん変身していく料理のすごさをこの作文で伝えられたらいい」と語った。
全日本中学校技術・家庭科研究会賞に選ばれた私立晃華学園中(東京都調布市)3年の清水雪姫さんは「一生懸命に書いた作文なので評価されてうれしい」と喜んだ。
キッコーマン賞小学生の部に選定された広島市立山本小4年の堀あさひさんは、いつもお弁当を作ってくれた年の離れた姉のために“お返し”のお弁当を作った経験をつづった。「これからも家族やおじいちゃん、おばあちゃんに料理を作ってあげたい」と今後も料理を続ける考えを語った。
日清オイリオ賞は山形県村山市立楯岡小5年の今田優実さんが受賞。「このようなすてきな賞に選んでいただきありがとうございます。これからも家族のためにいろんな料理を作りたい」と話した。
お弁当デリ賞に輝いた鹿児島市立伊敷中3年の里之園果歩さんは「4月から高校生になり、お弁当を作る機会も増えると思うので、これからも料理を頑張りたい」と料理継続を高校生活の目標の一つに挙げた。
子どもが独りで弁当作りに挑戦する「弁当の日」の活動や今回の作文コンテストに積極的に取り組む学校をたたえる「学校賞」には、山形県村山市立楯岡小と福岡県糸島市立前原中の2校が選ばれ、弁当の日提唱者の竹下和男さんから賞状が贈られた。
学校を代表して賞状を受け取った楯岡小教諭の小幡英明さんは「弁当の日は命の大切さを知り、家族への感謝の心を育てる機会になっている。実際に給食の残飯が減るなど弁当の日の影響が児童の行動として現れている」と報告した。
前原中は駒井千花さん、浪花茉里さんの両教諭が登壇し、賞状を受け取った。駒井さんは「およそ250人の生徒が作文を書いてくれました。弁当の日の取り組みでは自分だけの弁当を作れる生徒が増えています」と生徒の成長を実感できた喜びを語った。
最後に講評を述べた弁当の日提唱者の竹下さんは、ウクライナ、ガザ、イランなどで多くの子どもたちが誤爆などで犠牲になっている現在の世界情勢を念頭に、「世界最大の児童虐待は戦争だ。戦争を止める力は、一人一人が、家族や人の気持ちを思いやることでしか止められない。弁当の日を始めたのは2001年で今年は25周年の記念の年だ。弁当の日100周年の年に私は生きていないが、弁当の日の取り組みが100年続けば、世界の平和につながる」と述べ、食を通じてつながる人々が平和を築く力に期待を寄せた。
特別賞は次の皆さん。
【小学生の部】西沙也佳(鹿児島市立伊敷台小1年)▽堀内里莉(福岡市立東若久小2年)▽伊藤美沙希(滋賀県長浜市立長浜北小3年)▽玉置このみ(千葉県船橋市立法典東小4年)▽金子菊次朗(長野県安曇野市立穂高北小6年)
【中学生の部】鈴木愛莉(東京都江東区立南砂中1年)▽佐藤佳莉奈(東京・私立渋谷教育学園渋谷中1年)▽西原悠真(兵庫・私立雲雀丘学園中1年)▽射手矢咲子(佐賀市立城東中1年)▽佐藤舞(東京・私立晃華学園中3年)
























