大切な家族を守る「おうち防災」 事前の備えで自宅を最強の避難所に
雨の季節、水害から身を守るためのさまざまな準備が呼びかけられている中、『大切な家族を守る「おうち防災」』(辰巳出版、税込み1650円)が6月10日に発売される。東日本大震災で被災し、災害報道に携わった防災アナウンサー奥村奈津美さんが執筆した。水害だけでなく、南海トラフ地震などにも備えるため、今できることを考え、準備を進めるための指針となりそうだ。
この本は、妊娠中や出産後、小さな子どもを育てる人に向けて、家庭内でできる備えを具体的に紹介した実践的で分かりやすい防災バイブル。特に原子力災害について書かれた防災書は珍しく、気候危機・水害対策などにも触れ、日常に潜むリスクを多角的に解説している。著者が災害時に被災した現場を取材し続けて感じたのは、特に高齢者や妊婦、小さな子どもがいる家庭にとって、“事前の備え”が命を左右するという現実だったという。自身も子育てをする母親として、わが子を守るために知っておいてほしい防災の知識を実体験を交えて紹介している。災害時にはネットが使えないこともあるから、手元に紙の本を置いて備える大切さも伝えたいとしている。
発売にあたり、図書館など公共機関からの問い合わせや事前注文も多く寄せられ、発売前にも関わらず早くも重版が決定した。また、被災地の学校からは「防災授業を子どもたちに届けたいが、生徒数も減り予算も足りない」という声があるため、6月10〜30日の間に販売された書籍の印税を活用し、能登の子どもたちに「防災授業」と「書籍」を届けることになっている。