奥能登ににぎわいを取り戻す「Present Tree in 能登金蔵」 震災からの“復興”の森づくりのために「里親」を募集

認定NPO法人環境リレーションズ研究所(東京)は、石川県輪島市町野町・金蔵(かなくら)地区の震災からの復興を支援するための森づくりへの取り組みをスタートした。同研究所が20年間にわたり展開してきた、森づくりと地域振興を結びつける事業「Present Tree(プレゼントツリー)」の一環。
同研究所は、金蔵地区の地権者である金蔵共有山林管理会・森林施業に取り組む石川県森林整備協同組合・石川県山林協会との間で、石川県の立会いの下、10年間の森林整備協定を締結した。「Present Tree(プレゼントツリー)」は、「人生の記念日に樹を植えよう」と呼びかけ、大切な人や自分自身のために記念樹を植えてもらい、森林再生や地域振興につなげる取り組み。記念樹は、植栽が放棄されたところ、台風や山火事などで森林が消失したところ、里山として保全していくべきところ、水源の森として維持していくべきところなど、さまざまな理由で必要な場所に植樹される。これまで記念樹を植えた里親はほとんどが首都圏を中心とした都市部の人たち。里親に現地を訪れてもらうことで、都市と森との交流が始まること、その交流人口増大のための拠点となる地域を元気にしていくことを目指している。
植樹期間は2035年まで。樹種はコナラ・クヌギなど。1本5000円(植樹~10年間の育林まで)。植えらえた苗木は10年間、森になるまで大切に育てられる。里親には樹の管理番号が記された「植樹証明書」と、贈り主からのメッセージカードが届く。詳細や里親の申し込みについてはホームページに掲載している。
金蔵地区は、日本で初めて世界農業遺産に認定された奥能登・輪島市の北部、町野町にある。周囲を山々に囲まれた小さな盆地で、美しい棚田と里山に代表される日本の原風景が継承されてきた。「美しい日本の歩きたくなるみち500選」や「にほんの里100選」、「生物多様性保全上重要な里地里山」などにも選定されている。
Present Treeでは、これまでに北海道から九州まで国内59カ所、海外2カ所で森林再生プロジェクトを進め、現在までの植栽本数は約42万本。個人・企業を問わず、活動への賛同者を随時募っている。