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【映画コラム】世界が揺らぐとき、人間は何をするのか…『DIGGER/ディガー』『ディスクロージャー・デイ』

『ディスクロージャー・デイ』(10月1日公開)

(C)Universal Studios. All Rights Reserved.

 サイバーセキュリティーの専門家ダニエル(ジョシュ・オコナー)は、謎の組織ワーデックスから機密情報を盗み出す。一方、ローカル局で気象予報士を務めるマーガレット(エミリー・ブラント)は、突如として自身の身に起こった異変に戸惑っていた。

 接点のないはずの2人は、謎めいた協力者ヒューゴ(コールマン・ドミンゴ)に導かれ、これまで数十年にわたって隠蔽(いんぺい)されてきた、世界を揺るがす衝撃的な真実を知る。

 地球外生命体に関する機密情報を得た2人の男女が、その内容を世界に開示するべく奔走する姿を描く、スティーブン・スピルバーグ原案・監督のSFサスペンス大作。脚本はデビッド・コープ、撮影はヤヌス・カミンスキー、音楽はジョン・ウィリアムズが担当する。

 スピルバーグはこれまで、『未知との遭遇』(77)『E.T.』(82)『宇宙戦争』(05)と、宇宙からの来訪者をさまざまな角度から描いてきた。本作にも、それらの作品からの連続性が感じられる。中でも強く意識させられるのが『未知との遭遇』だ。

 『未知との遭遇』も本作も、主人公たちは説明のつかない現象に導かれ、自ら未知へと近づいていく。そして、その先で驚くべき事実に直面する。ただし、両者には大きな違いがある。

 『未知との遭遇』が「宇宙人は存在するのか」という問いを軸に、人間が未知の存在へ近づいていく物語だったとすれば、本作が描くのは、宇宙人の存在を知ってしまった後、人類社会はどうなるのかという問題だ。そこに、約50年という時間の隔たりが表れているように思える。

 情報が瞬時に世界を駆け巡り、真実か偽情報かの判断さえ難しい時代。そこで宇宙の真実が明らかになったとき、人間はそれをどう受け止め、社会はどう変わるのか。未知への憧れや恐怖、そして人間の尽きない好奇心というテーマを受け継ぎながら、その問いを現代へと引き寄せたところに、本作の新しさがある。

 『未知との遭遇』が宇宙を見上げ、『E.T.』が宇宙人と心を通わせ、『宇宙戦争』が9.11後の世界で宇宙からの脅威におびえた映画だったとすれば、本作は、宇宙の真実を知った人類が、自分たちの社会や文明を見つめ直す映画だといえるだろう。

 宇宙を描き続けてきたスピルバーグが、50年近い歳月を経てたどり着いたのは、未知そのものへの驚きではなく、それを知った人間社会への問いだった。そこに、SF映画の巨匠の現在地が見えてくる。

(田中雄二)

  • (C)2026 WBEI and Legendary

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