【映画コラム】3月後半の映画から『プロジェクト・ヘイル・メアリー』『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』
『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』(3月13日公開)

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1950年代のニューヨーク、卓球人気の低いアメリカで世界一の卓球選手になることを夢見るマーティ・マウザー(ティモシー・シャラメ)は、親戚の靴屋で働きながら世界選手権に参加するための資金を工面する。
ロンドンで開催された世界選手権で日本の選手エンドウ(川口功人)に敗れたマーティは、次回の日本での世界選手権への出場を目指す。
だが、不倫相手のレイチェル(オデッサ・アザイオン)が妊娠し、卓球協会から選手資格をはく奪され、資金が底をつく中、マーティは、あらゆる方法で遠征費用を集めようとするが…。
監督はジョシュ・サフディ。実在の卓球選手マーティ・リーズマンの人生に着想を得ている。引退した有名女優でマーティと関係を持つケイ役でグウィネス・パルトロウ、ケイの夫でインク会社社長のミルトン役でケビン・オレアリーが共演。
とにかく主人公のマーティの行動が自分勝手でめちゃくちゃなので見ながら腹が立ってくる。この手の映画のよくあるパターンとしては、主人公はどうしょうもないやつだが、どこか一つは愛すべきところがあるとか、悲哀や同情を感じさせるところがあるという描き方。だから、この映画のマーティも卓球だけには真面目に取り組み、一生懸命ではあるのだが、描き方が散漫なので、それも救いや共感には至らない。
加えて、主人公がクズでも周りが好人物なのでつり合いが取れるというパターンもあるが、この映画にはそれもない。レイチェルやケイの行動など見ていて不快になってくる始末。
いやはや参ったと思いながら見ていたのだが、クライマックスのエンドウとの真剣対戦や、ティアーズ・フォー・フィアーズの「ルール・ザ・ワールド」をバックに、マーティが涙ながらに自分の子どもと対面するラストシーンを見ると、彼を許せそうな気分になってくるから不思議だ。
いかにもうさんくさい雰囲気をあふれさせたシャラメの怪演はアカデミー賞ものだが(残念ながら受賞は逸した)、映画全体としては好みが分かれるところがあると思う。
(田中雄二)
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