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【Kカルチャーの視点】家族の情緒が国境を越える、俳優ムン・ソリが語る「おつかれさま」ヒットの理由

 親や弟のこと 

  役者として早期に認められたムン・ソリ。大学卒業後まもなく『ペパーミント・キャンディ』(99年)でデビューし、『オアシス』(02年)の鮮烈な演技で国際映画祭の新人賞に輝いた。06年には、のちに『1987、ある闘いの真実』(17年)を手掛ける映画監督チャン・ジュンファンと結婚。夫を支える妻であり、一人娘を育てる母でもある。 

 -エスンたちと実際の家族を比べたことは? 

 私もグムミョンのように、実際に弟が一人いるんです。撮影中、親や弟のことが重なって見えて、何でもない場面で泣きそうになったり。うちの父も姉(私)びいきだったので、弟も第二子として寂しい思いをしたんだろうなと。だから、弟には「あなたはこのドラマを見ないほうがいいよ」って(笑)。 

 それから、エスンは51年生まれ、うちの母は52年生まれなんです。若くして結婚し子育てに明け暮れたエスンが最後に詩人の夢を叶えたように、母も早くに結婚し70代になってから自分の夢を叶えようとしているところが似ています。 

-旦那様であるチャン監督とグァンシクが重なったことは? 

 グァンシクが「うちのエスン」といって大事にしてくれたように、うちの夫もいつも優しいし、似ているところはありますね。苦労させられるところも…(笑)。 

-エスンを演じていて最もつらかったシーン、楽しかったシーンは? 

 (思い出しながら)病気になって最期に自宅に戻ったグァンシクに、夜一緒に寝ながら「もうひとシーズンだけでも一緒にいられないか」とこぼす場面があります。グァンシクに「あなたが泣くのを見るのがつらい」と言われ、腕で涙を隠しながら。あの場面は、リハーサルの時から泣けて泣けて大変でした。もともと、3回以上は涙が出ない方だったのに、次から次へとあふれて。子どもたちのことは、過ぎてみれば「そんなこともあったな」と思えましたが、そのシーンだけはどうしても…。もう一つは、グムミョンの結婚相手の家族と食事をするシーン。奥歯をギュッとかみ締め、悔しさを堪えながら撮影したのを思い出しますね。 

 後半の方で、済州島でイカのお店を出して成功しますよね。海女のおばさんたちと賑やかに仕事をするシーンを撮影しに行くのは、実際にも楽しかったです。 

  • 第11回大阪韓国映画祭のトークイベントに登場した俳優ムン・ソリ(大阪韓国文化院提供)

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