多部未華子「学びの多い現場でした」DV被害者役に挑んだヒューマンミステリー「連続ドラマW シャドウワーク」【インタビュー】

多部未華子(C)エンタメOVO
-雰囲気のいい現場だったようですね。
中でもしのぶさんは、「これはこういうことなのかな?」といった感じで、積極的に質問をされるんです。その上、「私、緊張しちゃう」などと、ご自身の気持ちを織り交ぜながら現場にいてくださるので、私も質問がしやすくて。そんなふうに、「これはこういうことでいいんだよね?」「それでいこうよ」と和気あいあいと、みんなで発見していくような現場は今まであまり経験がなかったので、学ぶことがとても多かったです。
-そういう現場でDV被害者の役を演じて、DVの問題について気付いたことはありますか。
事前に調べてみたのですが、周りに実際のDV被害者の方がいるわけではありませんし、体験談をつづったブログを見ても、嫌な体験を思い出したくないのか、あまり詳しいことは書かれていなかったんです。ところが、撮影に入ってほかのキャストの皆さんと話をしてみたら、DVの被害者が身近にいるという方もいて。旦那さんのことも知っていたそうですが、離婚するまで全く気付かなかったというんです。離婚後に話を聞き、壮絶な経験をされていたことを初めて知ったらしくて。それがDVの実態なのかなと。だから、気付かないだけで、意外と身近に存在するのかもしれません。それはすごく怖いことで、同時に難しい問題だなと。それを知ることができたのは、この作品に参加したおかげだと思っています。
-そういう問題をドラマという形で提起する一面もある作品ですが、最後に本作をご覧になるお客さんへのお言葉をお願いします。
紀子が主人公ではありますが、彼女だけでなく「生きよう」という気持ちを忘れなかった人たちが、自分の人生を切り開いていく物語になっています。言ってみれば、「自分で変えようとすれば人生は変わる」という勇気の物語であり、エンターテインメントとしても最後まで目が離せない作品になっているので、多くの方に楽しんでいただけたらうれしいです。
(取材・文・写真/井上健一)

「連続ドラマW シャドウワーク」=画像提供 WOWOW
配信期間:2025/11/23 22:00~2026/01/09 18:00














