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水上恒司、池田千尋監督「人間の心が一番の謎。その謎を一緒に楽しんでもらえたらと思います」『九龍ジェネリックロマンス』【インタビュー】

 九龍城砦の不動産屋で働く鯨井令子(吉岡里帆)は、先輩社員の工藤発(水上恒司)に恋をしている。そんな中、令子は工藤の恋人と間違われ、しかも令子が見つけた写真に写っていた工藤の婚約者は自分とうり二つだった…。TVアニメ化もされた眉月じゅんの人気コミックを実写映画化。妖しくも美しい九龍を舞台に繰り広げられるミステリーラブロマンス、映画『九龍ジェネリックロマンス』が、8月29日から全国公開された。本作で吉岡里帆とW主演を務めた水上恒司と池田千尋監督に話を聞いた。

(左から)池田千尋監督と水上恒司 (C)エンタメOVO

-監督、映画化の経緯と漫画原作の映画化について伺います。

池田 まだ原作漫画の映画化権を獲得できていない段階からお話を頂きました。原作の物語をお預かりして映画化する時にまず大切なのは、その作品に潜り込むぐらいに深く理解すること。根幹に流れている、芯になるものをしっかりと受け取ることができれば、映画として膨らめながら立ち上げ直すことができると思っています。眉月(じゅん)さんとの度々のやり取りの中でも、何を大事になさっているかを受け取りながら、理解と提案を重ねさせていただきました。

-水上さん、最初に脚本を読んだ印象はいかがでした。

水上 脚本を読む前に原作に目を通しました。今の分かりやすさが求められる世の中にあっての余白の多さというか、眉月さんが描いている世界が印象的で、このお仕事をお受けしたいと思えるような作品力があると思いました。僕は、プロデューサーや監督が原作のいいところを必ず脚本に落とし込んでいると思っていますが、今回はそれが脚本の中からも感じられました。ただ、今池田さんがおっしゃった本質を捉えていくところを大事にしないと、かなり難しい作業になるとも思いました。

-この映画は不思議な世界観ですが、実際に演じてみて感じたことは。

水上 いわゆる具象性と抽象性で言うと、この映画は抽象性が強いかもしれませんが、僕は割と抽象性を持てている役者だと思うので、理解に苦しむところはなかったです。最初にお会いした時から、池田さんが「水上くんの陰の方を見たいしつかみたい」とおっしゃっていたので、僕もそれを見せたいと思いました。だから、駄目な男って何だろう、工藤の痛みって何だろうというところをまず理解して、それを僕の体に宿らせて表現していくという作業がとても刺激的でしたし、楽しかったし、難しかったです。

-工藤のキャラクターをどのように捉えましたか。

水上 工藤はがさつなんだけどいとおしさもある男というイメージです。カッコつけるし、でも肝心なところで泣くし。例えば、工藤が令子を抱き締めるシーンがありますが、それは抱いているようでいて、実は無意識に抱かれにいっているんですね。工藤は俺を抱き締めてくれと思いながら身を委ねていくような男。抱いてやるではなくて、抱いてくださいよろしくお願いしますというような。そんな部分に工藤の本性を感じました。だから、女性が抱いてあげたいなと思うような、魅力的な駄目さというのをいかにして作るかというのが課題でした。

池田 私が「工藤って駄目な男なんだよ」と言っていたのは、多分、水上くんと最初にお話しした時に、彼が非常に誠実でストイックで、若いけれどすごい人だと思ったからなんです。そういう魅力的な駄目さが出てくるのって、30代から40代だと思うのですが、彼が今のこの若さ故に持っている潔癖さみたいなものが崩れていった先にある、丁寧な中にある駄目さみたいな感じ。それが今水上くんが言ったようなかわいらしさや弱さにつながっていくんじゃないかと思ったので、「もっと駄目でいいんだよ」と言っていたような気がします。

  • (左から)池田千尋監督と水上恒司 (C)エンタメOVO

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