芳根京子、6年ぶりの舞台出演「絶対に楽しい作品になるという自信がある」 「先生の背中~ある映画監督の幻影的回想録~」【インタビュー】
-小田先生を演じる中井さんの印象や共演で楽しみにしていることは?
先日、中井さんがたまたま近くのスタジオでドラマの撮影をされていたので、ごあいさつさせていただきましたが、とても優しい方でした。「体調に気をつけてね。体が大切だからね」と気にかけてくださって。とても心強く感じましたし、お稽古でたくさんお話をさせていただけたらうれしいです。
-芳根さんと映画の出合いを教えてください。
デビューして半年くらいの16歳の頃、映画の主演を決めるオーディションを受け、選んでいただいた作品が最初です。『物置のピアノ』というピアノが題材の作品だったのですが、私が幼い頃からピアノを習っていたということで主役に選んでいただいたのだと思います。初めての映画が主演というのは、これほど幸運なことはないと思っています。例えば、細かい役の場合、演じるにあたって自分の想像力でその人の背景などいろいろなものを埋めていかなくてはいけませんが、主役では台本にヒントや答えがあることが多いので、そういう意味でも最初に経験させていただいたことはとてもラッキーでした。ヒントや答えがある状態で演じた経験は、別の作品に出演したときにも役に立ちます。主演をやらせていただいたことが今につながっているのかなと思います。ずっと忘れられない経験です。
-『物置のピアノ』の撮影時は楽しい気持ちが大きかったですか。それとも不安やプレッシャーが大きかったですか。
映画の撮影自体が初めてだった上に、1カ月間、地方での撮影だったので、すごくドキドキした記憶があります。実家から長期間離れるというのも初めてでしたし、しっかりしなくてはと思っていました。毎日、訪れる試練を乗り越えていくという、必死で過ごした1カ月間だったので、クランクアップしたときはホッとして、そのときの帰り道のことは今でも覚えています。
-では、舞台についてはどのようにお考えですか。
出演するのは久しぶりですが、その間もさまざまな作品を観劇させていただき、生の空気をすごく感じていたので、また舞台に出演したいと思うようになりました。まだポワポワした気持ちではありますが、その日に起きることをしっかりと受け止めて、刺激のある毎日を過ごしたいと思います。せっかく飛び込ませていただくので、勇気を出していろいろなことにトライしていきたいです。
-最後に作品を楽しみにされている皆さんにメッセージをお願いします。
(取材当時)稽古はこれからですが、絶対に楽しい作品になるという自信があります。中井さんが真ん中にいらっしゃって、たくさんの女性が出てきて、現実と想像の世界がリンクしていくというこの作品には、舞台ならではの面白さが詰まっていると思います。私個人としては、6年ぶりの舞台になります。私をずっと見てくださっている方は舞台をやらないと思っていた方もたくさんいると思いますが、ぜひ応援していただき、楽しみにしていただけたらうれしいです。
(取材・文・写真/嶋田真己)
「先生の背中~ある映画監督の幻影的回想録~」は、6月8日~29日に都内・PARCO劇場ほか、大阪、福岡、熊本、愛知で上演。