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三浦透子「その先で自分がどんな人間になっているのか、自分でも楽しみ」 舞台パルコ・プロデュース 2025「星の降る時」【インタビュー】

-三浦さんには実際に兄弟姉妹はいますか。

 ひとりっ子です。

-そうすると、役と自分を重ね合わせるのは難しいのでは?

 そうですね。なので、逆に今回はすごく楽しみで、姉妹の関係を疑似体験できるのではないかと思っています(笑)。那須さんは実際に三姉妹の次女で、江口さんも五人兄弟だとおっしゃっていたので、いろいろとお話を聞こうと思っています。

-舞台「ロスメルスホルム」でも演出を務めていた栗山さんと再び一緒になりますが、演出家としての栗山さんの印象は?

 改めて、たくさんのことを学びたいと思わせてくださる演出家の方だと思います。舞台「ロスメルスホルム」の稽古では、栗山さんが発した言葉を、こういう意図でこの言葉を選んだのではないかと考える時間がすごく楽しかった記憶がありました。なので、言われたことに対して、自分から聞き過ぎないようにするときもあるんです(笑)。質問したいことはたくさんあるのですが、その言われた言葉をそのままにしておきたいという感覚があったように思います。

-今作は、問題をはらんだ家族が再び向き合う物語ですが、三浦さんにとって逆に理想の家族と問われたらどのようなイメージですか。

 ある程度それぞれが自立していて、助け合いつつ、干渉し過ぎず、それぞれの人生を楽しんでいるというのが家族の理想です。兄弟姉妹がいなくても、母にだから話せることや、家族だから話せる話題というのはありました。私はひとりっ子だったので今の自分があると感じていますが、もっと歳の近い家族の存在がいたらよかったと思うことはあります。同じくらいの時期に同じようなことを悩む、年齢とともに現れる人生の壁にぶつかるタイミングが近い。そのような少し先や後ろを走っている存在だと、より共有できるものは大きかったのではないかと思います。

-学校での何気ないことなどは、母親には言いづらくとも、姉妹がいたら相談できたかもしれないということもあったのでは?

 どうでしょう。ただ、話していて思ったのですが、うちは母子家庭で、母娘でずっと暮らしてきたので、姉妹のようなところがあるのかもしれません。それもあって、ある程度の年齢までは母に話すことができない話題というのはなかったように思います。大人になってくると、仕事の話はだんだんとしなくなってしまいましたが、基本的にプライベートの話でも、母にこれは話せないということを思った記憶はあまりないです。

-母と娘で友達的な感覚があったということですか。

 友達的な感覚はすごくあったと思います。だから、そういう存在でもっと歳が近い人がいたらすごくいいと思っていたんだと思います。

-三浦さんは舞台でもストレートプレイやミュージカル、さらに映画やドラマと話題作に数多く出演し、そして歌手としても昨年の2024年に初ワンマンライブを開催するなどマルチに活躍されていますが、今後の芸能活動の展望をどう考えていますか。

 今、挙げていただいただけでも十分に活動の幅は広がっているので、今後は一つ一つをより深めていきたいです。舞台も一つ一つ丁寧にやっていないと、次の舞台へのお誘いがいつなくなるか分からないですし、それは映像のお仕事でもそうです。音楽の仕事、そしてライブも次があるという状況を作ることができるように頑張らなくてはいけないと思っています。今すごく幸せな場所にいられていると思うので、その場所を守れるように、自分と一緒に仕事をしたいと思ってくださる方たちが、その気持ちをなくさないでいられるような自分でなければいけないと考えています。

-そうすると、今はこの舞台を突き詰めていくということですね。

 そうですね。本当に一つ一つ今ある仕事を丁寧にやるしかないという気持ちです。そして、その先で自分がどんな人間になっているのか、自分でも楽しみです。

(取材・文・写真/櫻井宏充)

 パルコ・プロデュース 2025「星の降る時」は、5月10日~6月1日に都内・PARCO劇場のほか、山形、兵庫、福岡、愛知で上演。

 

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