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藤原竜也が挑む「マクベス」 「1日1日、壁を突破することが目標」【インタビュー】

-では、鋼太郎さんの演出の魅力はどこに感じていますか。

 鋼太郎さんらしい的確に丁寧な演出をつけてもらえるので、われわれとしてはやりやすいです。尊敬していますし、シェークスピア作品の演出家としてこの方の右に出るものは今、日本にはいないんじゃないかなとも思います。ただ、僕が役者として思うのは、失礼な言い方ですが、鋼太郎さんも役者としてこれからもワンステップアップしなくてはいけない。鋼太郎さんにもっとビシバシ演出してくれる方が欲しいなと僕は思います。ご自分もやっていくべきだと。今、そういう方がいないことは鋼太郎さんも寂しいのではないかなと思います。演出に固まらず、演者として厳しく的確な指示を出してくれる演出家と巡り合ってほしいなと思いますが、鋼太郎さんの演出は面白いです。

-なるほど。

 それから、これは自分が間違っているのかもしれませんが、「テンペスト」でも「ハムレット」でも「マクベス」でも、もっと人間の生命力やエネルギーが僕は欲しいんです。例えばイギリスで上演しているときは、もっと高級に作られているんですよ。「マクベス」の本質的なもの、人間の泥臭さみたいなものがあっても良いのではないかと思います。これは僕が日本人だから思うのかもしれません。違う方向からも「マクベス」を見てみたいんです。ただ一方で、(イギリスで上演されているような)ジェントルな気品のある攻め方をしたほうがやはり伝わるのではないかという思いもあるので、そのさじ加減の難しさがあるなと思います。それをつかんでいきたいです。

-今回、土屋太鳳さんをはじめ、幅広い豪華なキャストがそろっています。共演者の皆さんについても教えてください。

 太鳳ちゃんが今回、この座組に入ってくれたことは非常に光栄なことですし、ありがたいなと思います。きっと太鳳ちゃんにとってもすばらしい、人生の経験値になるのではないかなと。それから、この作品の魅力の一つは、8人の亡霊だと思います。それを見に来るだけでもいいのではないかと思うほどです。鋼太郎さんがどんな演出プランを持っているのか分からないですが、8人の亡霊が行列を作って入ってくるシーンは相当なプレッシャーだと思いますし、演出の腕の見せどころだと思います。

(取材・文/嶋田真己)

 彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd Vol.2「マクベス」は、5月8日~25日に彩の国さいたま芸術劇場 大ホールほか、宮城、愛知、広島、福岡、大阪で上演。

彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd Vol.2「マクベス」

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