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【はばたけラボ 連載「つなぐ」】発酵のうまみで東海3県をつなぐ、地域の食文化をとことん味わう新感覚の展覧会

■すしでつながる、東海・世界・未来

 東海3県は、実はすしでつながる。すしの歴史を展示で伝えるのが、チェックイン会場の一つ、ミツカンミュージアム(愛知県半田市)で開催中の「すしの千年を巡る旅展」(入場無料、予約不要)だ。

 愛知県の海沿いの町・半田はミツカン本社があるように酢の醸造や技術開発が盛んで、江戸時代の「江戸前ずし」の酢飯文化を支えた場所。岐阜県には山間部の保存食として「鮎のなれずし」などのすし文化が色濃く残る。三重県は伊勢信仰との関わりですし技法が発達した。「朝廷におすしを献上する文化の源流をたどると、神様におすしをささげる行為に行き着くんです」

 すしに限らず、日本人が食を大事にするのは、「単においしいものが日本にたくさんあるから」ではなく、食と信仰が深く結びついているからだという。伊勢神宮外宮(豊受大神宮)の創建神話では、「自分一人では食事が安らかにできない」という天照大御神の信託を受け、食物をつかさどる豊受大御神(とようけおおみかみ)が伊勢の地に迎えられたと伝わる。外宮では、毎日朝と夕の二度、神々に食事を奉る日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)が1500年続いている。

 文化人類学、農業、フランス留学など知識と経験が豊富なヒラクさんは、おすしを世界や未来ともつなぐ。「すしは日本生まれではなく、アジアで生まれて日本にやって来た。古代アジアから渡ってきたおすし・お供えのおすしといった千年以上前のおすしから、現代のおすしまで、全て残っているのが東海。ルーツを突き合わせ、次の時代のすし文化を作っていくことを目指した」

ミツカンミュージアム(愛知県半田市)で開催中の「すしの千年をめぐる旅展」

 

「すしの千年をめぐる旅展」のなれずしのパネル

 

三重県伊勢の「手こねずし」

 

愛知県半田の「箱ずし」

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