魅力渋滞 藤原さくらさん 【山崎あみ コラム音楽の森】
2016年、「ラヴソング」という連続ドラマで、シンガー・ソングライター藤原さくらさんを知りました。当時21歳、演技初挑戦ながら「月9」(フジテレビ系月曜午後9時のドラマ)ヒロインに大抜てきされました。吃音(きつおん)がある少女の役を繊細に演じ、さらに主題歌「Soup」も歌っていました。
これをきっかけに彼女の音楽も聴きだしたのですが、当時、特に心を持っていかれたのが、同じ年にビルボードライブ東京で開かれた公演で、「BABY」を歌う映像でした。かわいらしい顔立ちと対照的な、低音でスモーキーな声。ジャズに近い曲調で伏し目がちに歌う彼女は、キュートで、かっこよく、色っぽく、おしゃれで、優しさも感じる魅力の渋滞。私は画面に穴が開くほど夢中になって見ました。
ベーシストであるお父さまからジャンゴ・ラインハルトのことを教わり、小学生の頃はジャズギタリストになることを夢見たそうです。後にお姉さまがYUIさんを教えてくれてシンガー・ソングライターに憧れを抱き、目指したそうです。一番好きなアーティストは幼い頃から聴かされていたビートルズのポール・マッカートニー。そんなルーツからか、彼女が生み出す楽曲には、J−POPを軸にしながらジャズ、カントリー、ブルース、フォークなど、多彩な音楽の要素を感じます。
楽曲の出だしには、吐息、カウント、ギターの弦をこする音、歓声、波音、車の走る音などを入れていて、細かいところまでこだわりを感じる。聴けば聴くほど新しい味が出る〝煮干しソング〟ばかりです。
歌詞はというと、恋する乙女が直接言えない気持ちを代弁してくれることが多いです。楽曲「かわいい」では、「あなたから『かわいい』って言ってほしかったの それだけなの 話の流れでもなんでも良いから ふれてほしいの」。大共感の嵐です。とにかくかわいいって言ってくれればいいんです!!! ・・・取り乱しましたが、曲調や低音スモーキーボイスと、歌詞とのギャップも魅力の一つです。
interfm(東京)のラジオ番組では、幅広い楽曲をカバー。その動画をご自身のYouTubeチャンネルにも上げているのですが、どんな曲も完全に藤原さん色に染めてしまう吸収力に脱帽です。
トークにも吸い寄せられます。かつて漫画家に憧れていた時期もあったそうで、当時描いていた内容は「10万円の食パンを毎朝食べている女の子の話」。休みの日は「ハリウッドの豪邸を売りさばく動画を見ている」とも(笑)。掘っても掘っても底知れない藤原さんの沼にハマってみてはいかがですか?
【KyodoWeekly(株式会社共同通信社発行)No. 32からの転載】
山崎あみ(やまざき・あみ) 1997年生まれ、東京都出身。音楽大卒。タレント・モデル。1st写真集「Cantabile」(ワニブックス)の他、デジタル写真集も発売中。YouTube番組「うるおうリコメンド」(略称うるりこ。共同通信社制作)出演。
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