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全国の生活者と医師に聞く、風邪症状時のAI利用と医療受診に関する調査結果

2026年8月 7日
塩野義製薬株式会社

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    

全国の生活者と医師に聞く、風邪症状時のAI利用と医療受診に関する調査結果

 塩野義製薬株式会社(本社:大阪市北区、以下「塩野義製薬」)は、このたび、夏の感染症に関する意識調査を実施しましたので、その結果をお知らせいたします。

 

 本調査は、夏季に流行する感染症に対する意識や対策の実態を把握することを目的に実施したものです。当社は、感染症のリーディングカンパニーとして各医療機関と協力しながら、治療薬のみにとどまらず予防・診断等を含めたソリューションの提供を通して、感染症の脅威からの解放に貢献したいと考えています。本調査結果を踏まえ、今後も社会に対する疾患啓発活動や感染症対策のさらなる強化に努めてまいります。

主な結果は、以下の通りです。

 

<生活者向けの調査から得られた結果>

・ 本調査に回答があった生活者の42.7%が「月1回以上」AIを利用し、うち46.7%がAIに「体調不良時の自身の症状や対応策」を相談し、38.0%が「風邪の症状を感じた時の症状や対応策の相談」にAIを利用したとの回答でした。(図1、図2) 

・風邪の症状時、AIに相談した62.1%が「風邪」、21.5%が「新型コロナ」の可能性を提示されたとの回答でした。AIに「風邪」と提示された人は「安心した」と感じた人が最多(25.6%)でしたが、「新型コロナ」と提示された人のうち、「医療機関で受診した方がよい」と感じたと回答した人が最多(33.5%)でした。(図6、図7)

・AIから「風邪」や「新型コロナ」の可能性を提示された人のうち、「風邪」を提示された人の20.6%、「新型コロナ」を提示された人の37.2%が「医療機関を受診した」との回答でした。(図8、図9)

 

 

<医師向けの調査から得られた結果>

 ・本調査に回答があった医師の68.0%が患者の受診行動に「AIが影響を及ぼしている」と感じ、具体的な影響として、58.8%が「自分の状態をAIの情報をもとに自己判断する人がいる」との回答でした。(図10)

・医師の84.0%が「感染症は似ている症状が多く、AIへの相談だけで正確に判断するのは難しい」、58.0%が「医療機関への受診遅れにつながる」と回答し、AI相談による受診控えを危惧した回答が見られました。(図11)

・医師の74.0%が「生活者が体調管理でAIに相談することは有効」と有用性を認める一方で、88.0%が「AIの意見をうのみにせず参考程度にしてほしい」との回答でした。(図12、図13)

・調査結果監修:伊藤博道先生 「生活者の皆さんには、AIを参考情報として上手に活用しつつ、気になる症状がある場合は、早めに医療機関への相談をご検討ください」

 

「夏の感染症実態調査」調査概要 

●調査時期:2026年7月10日(金)〜7月12日(日)

●調査方法:インターネット調査

●調査対象:

①生活者調査:20〜60代の男女10,000人および、この1年以内に風邪の症状を感じた時にAIに相談したことがある20~60代男女1000人(性年代別各100人)

②医師調査:一般病院および医院・診療所・クリニックで治療に当たる医師100人

●調査委託先:株式会社エクスクリエ/調査実施:株式会社クロス・マーケティング

●調査結果監修:いとう王子神谷内科外科クリニック・院長 伊藤博道先生

※構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。

 

 

ここ数年、急速に、日常的にAIを利用する機会が広がっています。体調管理におけるAIの利用と医療機関の受診について生活者の意識や行動を調べるとともに、現役の医師に患者さんのAI利用について聞きました。

 

生活者調査結果

生活者1万人のうち、42.7%が月1回以上AIを利用。うち38.0%が風邪の症状時にAIに相談経験あり。体調不良時の相談先の一つとしてAIを利用。

 20〜60代の男女1万人にAIの利用頻度を調査した結果、14.1%が「ほぼ毎日」、17.6%が「週に数回」、11.0%が「月に数回」と答え、全体の42.7%が月に1回以上、AIを利用していました[図1]。

 月1回以上AIを利用する人における、過去1年以内にAIに相談した内容は、「勉強や仕事の補助として、調べものやわからないことなどについての問い合わせ」(71.8%)が最も多く、次いで「体調不良時の自身の症状や対応策に関する相談」(46.7%)となり、20代(51.6%)・30代(53.7%)では半数を超えました。

  また、発熱・のどの痛み・咳・鼻水・倦怠感などの「風邪の症状を感じたときの症状や対応策に関する相談」でAIを利用する人は38.0%と約4割で、こちらも20代(49.0 %)・30代(47.5%)の若い世代の利用率が高くなりました[図2]。

 

図1

 

図2

 

■風邪症状時におけるAI利用の実態~風邪症状時にAIに相談経験のある人の意識と行動を調査。

 ここからは、この1年以内で、発熱、のどの痛み、咳、鼻水、倦怠感など風邪の症状を感じたとき、症状や対応策に関して「AIに相談したことがある」と回答した20〜60代の男女1,000人に調査した結果です。

風邪の症状を感じたとき、最初にとる行動に関する質問では、最も多かったのがChatGPTやGeminiなどの「AIに相談する」(31.5%)、次いで「熱を測る」(22.3%)であり、熱を測る前にAIに相談する人が一定数いる結果となりました。年代別に見ると、50代(27.5%)・60代(30.0%)はまず「熱を測る」の回答が最も多かったのに対し、20代(39.0%)・30代(41.5%)は「AIに相談」の回答が最も多い結果でした[図3]。なお、風邪の症状を感じた時に、「AIに相談したことがある」と回答した人の約7割は「相談相手として、AIより医師の方が信頼できる」(70.2%)と回答しています[図4]。

 

図3

 

図4

 

 

AIに相談して、「対処法や疾患の可能性を知る」だけでなく、「医療機関の受診の判断」をする人も。

  AIに相談する目的を聞くと「自宅での対処法を知りたい」(37.2%)、「どんな疾患の可能性があるか知りたい」(34.5%)、「相談して安心したい、不安を軽減したい」(31.5%)などが上位に挙げられました。「医療機関を受診すべきか判断したい」(28.9%)や「医療機関を受診しなくてすむ方法をみつけたい」 (21.1%)という目的でAIに相談する人も見られました[図5]。 

 

図5

 

AIから「新型コロナ」の可能性を提示された後も医療機関を受診しない人が一定数存在。

 発熱、のどの痛み、咳、鼻水、倦怠感など風邪の症状を感じAIに相談した際に、感染症の可能性を提示された経験についての調査結果では、62.1%が「風邪」、30.6%が「インフルエンザ」、21.5%が「新型コロナ」の可能性を提示された経験がありました[図6]。

  それらの症状の可能性が提示されたときの気持ちを聞くと、「風邪」の可能性を提示された人は「安心した」(25.6%)や「不安な気持ちが軽減した」(21.9%)などの結果であったのに対し、「インフルエンザ」や「新型コロナ」の可能性を提示された人は「医療機関で受診した方がよい」「検査をした方がよい」など異なる回答結果でした[図7]。 

 

図6

 

図7

 

 しかし実際に「医療機関を受診した」のは、「風邪」20.6%、「インフルエンザ」38.2%、「新型コロナ」37.2%であり、AIから「風邪」の可能性を提示された人の約8割(79.4%)、「インフルエンザ」(61.8%)や「新型コロナ」(62.8%)の可能性を提示された人では、それぞれ6割以上が医療機関を受診しなかったという結果でした[図8]。「新型コロナ」の可能性を提示されたが、医療機関を受診しなかった人の一部では、症状の長期化や悪化等に関連する回答がありました[図9]。

 

 

図8

 

 

図9

医師調査結果

医師の68.0%が「受診行動にAIが影響」と答え、

 うち58.8%が「患者さんが自分の状態をAIの情報をもとに自己判断している」と回答。

 ここからは、一般病院および医院・診療所・クリニックで治療に当たる医師100人に聞きました。

  生活者の日常にAIが浸透することによる患者さんの医療機関受診行動への影響を調査した結果、24.0%が「そう思う」、44.0%が「ややそう思う」と回答し、医師の68.0%がAIは患者さんの受診行動に影響があると答えました。具体的な影響として、「自分の状態をAIの情報をもとに自己判断する人がいる」と答えた医師が58.8%と最も多くなりました[図10]。

 

 

図10

 

患者さんの受診前のAI相談について、医師の8割以上が「感染症はAIへの相談だけで正確に判断するのは難しい」と回答。「医療機関への受診遅れにつながる」と回答した医師が約6割。

 風邪の症状を感じた患者さんが受診前にAIに相談することについて医師の意見を聞くと、「感染症は似ている症状が多いため、種類や重症度をAIへの相談だけで正確に判断するのは難しい」が84.0%、「いろいろな感染症の可能性が考えられるので、すぐに医療機関を受診してほしい」が66.0%でした。また、医師の58.0%は、受診前のAI相談は「医療機関への受診遅れにつながる」と回答しました[図11]。

 

 

図11

 

患者さんの望ましいAIの使い方は、「受診すべき診療科や相談先の目安を知る」「生活上の注意点の確認」など。

一方、「疾患の自己判断のために使う」「薬を飲むかどうかの判断に使う」は、医師の6割以上が「望ましくない」と回答。

 生活者が自身の体調管理にAIを活用する場合、望ましい方法や望ましくない方法を医師に聞くと、おおむね望ましいとの回答が得られましたが、「薬を飲むかどうかの判断に使う」(64.0%)「疾患の自己判断のために使う」(61.0%)は、6割を超える医師が「望ましくない」と答えました[図12]。

 

 

図12

 

AIによる体調管理は「有効」だが「参考程度」に。AIに相談した内容は「医師にも伝えた方が良い」。

 体調管理のためにAIを利用することに対する医師の回答結果では、74.0%が「生活者が体調管理でAIに相談することは有効」、76.0%が「風邪の初期症状時、患者は医師よりAIの方が相談しやすい」と答え、生活者が体調管理にAIを活用することを支持する回答が一定数みられました。しかし、「体調管理や健康管理でAIの意見をうのみにせず、参考程度にしてほしい」(88.0%)が約9割であり、72.0%は「受診前、AIに相談した場合、AIに相談した内容を医師に伝えた方が良い」と答えました[図13]。

 

図13

本調査監修医師によるコメント 

いとう王子神谷内科外科クリニック 院長 伊藤 博道 先生

 AIは早くて従順なアシスタントです。しかしながら、一般的な生成AIは、医療の専門家による診察や検査に代わるものではなく、提供される情報には限界があり、また、その責任をAIは負ってくれません。

 例えば、AI相談で強く受診を勧められず、様子を見た結果、病状が悪化、後日受診して新型コロナと診断されるケースなど、時に誤った情報や不正確な回答を示すこともあります。

 そのため、AIの回答だけで診断や治療方針を判断することには限界があります。特にCOVID-19やインフルエンザでは、発症早期の適切な検査・診断・治療が重要です。

 我々医師は、症状だけでなく、診察や検査で得られる多くの情報を総合して診断しています。生活者の皆さんには、AIを参考情報として上手に活用しつつ、気になる症状がある場合は、早めに医療機関への相談をご検討ください。

 

 

筑波大学を卒業後、約15年間茨城県で地域医療・内科外科・救急医療に従事。2013年から帝京大学外科にて高難度手術や内視鏡診療を学び、また、地域医療連携委員の一員として「2人主治医制」にも携わる。2016年11月よりいとう王子神谷内科外科クリニックを開業。生活習慣病やがんなどの予防・早期発見、感染症治療や予防など、幅広い分野で地域に根差した医療を提供。

●いとう王子神谷内科外科クリニックHP:https://itokc.jp/index.html

 

塩野義製薬の取り組み

 塩野義製薬は、60年以上にわたり感染症領域の研究・開発に取り組み、数々の治療薬を社会にお届けしてきました。今後も、治療薬に加え、予防・診断を含むさまざまなソリューションを提供することで、感染症のトータルケアの実現を目指すとともに、疾患啓発や正しい情報発信を通じて、感染症対策の推進に貢献してまいります。

  • 図1
  • 図4
  • 図8
  • 図6
  • 図9
  • 図11
  • 伊藤 博道(いとう・ひろみち)先生
  • 図12
  • 図10
  • 図13
  • 図3
  • 0.生活者調査結果
  • 図2
  • 図5
  • 図7

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