離島の人口減少とアクセス性悪化 藤波匠 日本総合研究所 調査部 上席主任研究員 連載「よんななエコノミー」
昨年、何度か仕事で離島に行く機会を得ました。島には、本土とは異なる独自の文化や自然、風景があり、見て回るだけでも楽しいものですが、そこに暮らす人との交流も印象深いものとなります。
ただ、離島の場合、本土とは異なるアクセスの困難さがあり、たどり着くだけで一苦労というケースが多々あります。もちろん、離島でも、空港があり都市部からの直行便があればいいのですが、アクセスが1日数本のフェリーに限られる場合が少なくありません。
空港があり、アクセスが担保されている離島では観光客の誘致に成功している例もあります。また、離島とはいっても、橋で本土とつながっているところもあり、そうした島では本土とあまり変わらない生活が営める例もあります。昨年出張した先も、空港がある離島では、観光振興に成功し島外資本のホテルが進出していました。また、大都市住民が所有するセカンドハウスが増えているとのことでした。
問題は、空港や橋がなく、フェリーでしかアクセスできない離島です。こうした離島では、島の人口や観光客の減少、さらには船員の人材確保の問題から、フェリーを維持することが難しい状況になっています。フェリー航路は、行政の補助によって最低限維持される可能性はありますが、すでに各地で便数の削減やアクセス港の統廃合が進められています。
港の維持にもコストがかかるため、利用者が少ない港の機能を停止させ、他の港に機能を集約させた例もあります。昨秋訪れた鹿児島県甑島(こしきしま)では、2023年にフェリーの寄港地が3港から2港に削減されています。港の集約によって、自家用車を運転できない人や高齢者では、フェリーへのアクセスが悪くなってしまった場合もあるでしょう。
フェリーの効率性を高めるため、小型船舶に置き換えた事例は複数あります。ただ、すでに小型船舶で運用されている場合や、小型では厳しい外洋の航路、さらには貨物のことまで考えれば、小型化にも限界があります。
離島フェリーでは、本土側の港へのアクセス性も問題となります。フェリーの起点となる本土側の港と都市中心部を結ぶ公共交通が、採算性悪化により失われてしまうケースです。
沖縄県伊是名島(いぜなじま)へのアクセスは、今帰仁村(なきじんそん)の運天港を起点とするフェリーに限られています。15年ほど前の伊是名島への出張の際、運天港までの路線バスが廃止されていて、とても苦労した記憶があります。路線バスは、10年ほど前に復活したようですが、それでも最寄りの都市部である名護の街から、遠回りをして1時間以上を要します。公共交通だけではアクセスが困難な離島があるのです。
離島の中には、わが国の外縁部に位置し国境離島となっている場合があり、国の安全保障上、一般的な過疎とは区別して考える必要があります。これまでも離島振興法などによって、生活・産業基盤の維持や島経済の活性化が図られてきましたが、島へのアクセス性の悪さと人口減少の悪循環を断ち切るには至っていません。有人離島支援のあり方は、根本的な見直しが必要な時期に来ていると言えます。
【KyodoWeekly(株式会社共同通信社発行)No.4からの転載】













