がんリスク検査を無償提供 ピンクリボン啓発の賛同企業、最大10社を対象に

サリバチェッカーの検査キット内容
唾液(約0.1シーシー)の成分測定値を人工知能(AI)で解析して乳がんなど最大6つのがん罹患リスクを調べる検査サービス「サリバチェッカー」を展開するベンチャー企業のサリバテック(山形県鶴岡市)はこのほど、乳がん検診の早期受診を啓発する「ピンクリボン運動」に賛同し、女性が活躍する企業最大10社を対象にサリバチェッカーの検査キットを無償提供する活動を始めた。
ピンクリボン運動は、乳がんの正しい知識を広め、乳がん検診の早期受診を推進する国際的な啓発キャンペーン。毎年10月は「ピンクリボン月間」と位置付けられ、日本では国や自治体、企業、関係団体などが啓発イベントを開いている。乳がんは早期発見・早期治療で10年後の相対生存率は90%以上になることが分かっており、早期発見の重要性が指摘されている。
サリバテックは、対象企業が検査を初めて受けることなどを条件に、最大10社(各社5人)計50人分の検査キットを無償提供する。1回の検査で男性は肺がん、胃がん、大腸がん、膵臓(すいぞう)がん、口腔がんの5種類のがん、女性はこれらの5種類に乳がんを加えた6種類のがんの罹患リスクを調べることができる。
サリバテックから送られてくる検査キットを使って受検者自身が採取した唾液の「検体」を返送。唾液の検体をサリバテックがAIで分析し、各がんの罹患リスクを受検者に通知する。

サリバテック代表取締役CEOの砂村眞琴医学博士
サリバテックによると、これまでの研究から、がんに罹患すると「ポリアミン」など唾液に含まれる代謝物(多数の小さな分子)の特徴が変化することが分かっており、検査ではこれらがん細胞に特有の複数の代謝物の濃度をサリバテックの衛生検査所(山形県鶴岡市)で測定するという。
サリバチェッカーは各種がんの早期発見を狙いにサリバテックが2017年1月、検査料1回2万6千円の有料事業として提供を開始した。サリバテックの創業者で代表取締役CEO(最高経営責任者)を務める砂村眞琴医学博士は「ピンクリボン運動の趣旨に賛同し、企業で活躍する女性の乳がんの早期発見を願って今回無償提供する。未来の健康を守る人の選択を支えていきたい」とコメントしている。













