「バイオマス系紙用透明化剤」開発のお知らせ
2025年08月19日
ハリマ化成グループ
ハリマ化成グループ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:長谷川吉弘、以下、当社)は、バイオマス系紙用透明化剤を開発しました。この透明化剤は、松由来のロジンからできているため環境性が高いほか、紙に塗工することで、塗工部を透明にするという特殊な機能を持っています。
開発したバイオマス系紙用透明化剤(右上)と塗工部が透明になっている様子
近年、環境意識の高まりから、包装材料分野においてプラスチックをバイオマス素材に置き換える動きが進んでいます。バイオマス素材の中でも、木材を原料とする「紙」は、樹木が成長過程で二酸化炭素を吸収し、植林により繰り返し使用できるという点から、カーボンニュートラルに貢献する素材として注目されています。しかし、紙は本来不透明であるため、内容物を確認できる包装材としての用途には限界がありました。従来、紙の包装材に視認性を持たせるためには、一部を切り抜き、プラスチック製フィルムを貼り付ける方法が一般的でしたが、フィルムを貼り付ける工程が増えるうえ、リサイクル時にフィルムを取り外す必要がありました。既に上市されている透明化剤を用いる選択肢もありますが、石油由来品のため、サステナビリティへの課題が残ります。
当社は、紙の透明化に取り組んでいる製紙会社の協力を得て、視認性の確保と環境負荷の低減を両立するバイオマス系紙用透明化剤を開発しました。この透明化剤は、石化製品と同等の透明度や強度に加えて、リサイクル性が優れているため、機能性の高い紙包装材を実現します。
プラスチック製フィルムの代替となる紙製品の市場は、食品包装や容器を中心に脱プラスチックのニーズを受けて拡大しており、国内では2027年に35億円(2023年比75.0%増)に達すると予測されています。新しく開発した透明化剤は、食品用途にも対応可能で、包装材市場に新たな可能性をもたらします。今後、市場投入に向けて顧客探索を行い、社会実装を目指します。この技術を広く普及させ、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
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